《三人の霊と俺の契約事闇の報屋

薄暗い店にいくつか置かれた照明ランプが異様な雰囲気を出していた。店には客はいるが時折會話をする程度で靜まり返っていた。

『・・・何だかし怖い雰囲気ね』

リサがリンクテレパシーで話しかける。

アーサーは、店を見回すとある男に目に止まったーー男は、チューリップハットを被っていて薄暗い店でも分かるほど見窄みすぼらしい格好をしている。一見ただの酒呑みのオッサンのようにも見える。

『あの人が報屋?なの』

エルザが問いかけてきた。

「分からない・・・話かけてみるよ」

ゆっくりとカウンター席の右隅に座っている男に聲をかけてみる。

「あの・・・こんばんは」

「・・・・・・」

「隣宜しいでしょうか?」

「・・・・・・」

男はこちらに見向きもせずただグラスにった氷を見つめてはチビチビと酒を飲んでいた。

『アーサー様、本當にこの人が報屋なの?ただの酒呑みのオッサンじゃない』

リサがし不機嫌そうに聲を荒げた。

アーサーは、隣の男と何するわけでもなく黙ってただ時間が過ぎていったーー

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ーーーやがて店にはアーサーと隣の男だけになった。

「・・・何の用事だ?」

「えっ?」

報がしいんだろ?」

「なぜそれを・・・」

「ハハ、俺に近づいて來る奴は大抵がそれが目的だ。ただ、俺の報料はちと多額たかいぞ」

「それは肝に銘じてますよ。報酬は弾みます。俺がしい報は反帝國軍バンディッツに関してです」

報屋の顔付きがみるみる変わる。

「ーーお前帝國軍の関係者か?」

「いえいえ違いますよ」

両手を前に出して首を左右に振るアーサー。

「ーーじゃなきゃなぜバンディッツの報が必要だ? 噓をつくな!!マスター!」

店の奧からBARのマスターが現れるや否やナイフ片手にアーサーの背後にまわる。

「怪しいとは思っていたよ。店にってきても酒の一滴も飲まないんでね」

「いや、だから本當に俺は帝國とか関係なく・・・」

「怪しい奴め、口を塞いでやる!」

報屋も隠し持っていたナイフを取り出しアーサーに向けて構える。

「アーサー様のピンチ!!」

「アーサー様には指一本れさせないの!」

「私たちにお任せ下さいませ!!」

アーサーの中から三人の霊が現化して飛び出して來た。

これを見た報屋は目を丸くするーー

「さ、三霊・・・まさかアンタがあのペンドラゴン家の・・・・・・」

報屋の手に持っていたナイフを床に落とし鉄の音が靜かな店に響いた。

「どう言うことだ? 俺にも説明してくれ」

店のマスターが報屋に尋ねる。

三人の霊は、訳が分からず顔を見合わせる。

アーサーは、め事にならなかった事にホッと一息で下ろした。

め事で大慘事ともなれば確実に帝國軍の厄介になるところだったからだ。

「いやいや、悪かったな。 バンディッツの報を知りたい奴なんて大抵ロクでもない奴か帝國軍関係者だけなんでね、いつも警戒していたんだよ」

「そうだったんですか」

「まさか君があの三人の霊をる有名なアーサー・ペンドラゴンだとは思わなかったよ」

「・・・俺はそんな人に譽められるような人間じゃないです」

「何いってるんだよ。実際、円卓の魔導士達とデーモンズゲートを封印したじゃないか」

「ま、まあ・・・」

「おいおい、それくらいで。そろそろ教えてやれよ」

マスターが気の毒そうなアーサーの心を察した。

「ああ、そうだった。バンディッツに関しての報だがここが拠點アジトだ」

「えっ?」

アーサーは鳩が豆鉄砲でも喰らったかのように目を丸くした。

マスターが店の奧の方を指差しながら、

「ここから地下に通じる階段がある。その先に彼等がいる。俺らはここの門番みたいな者だよ」

「アーサー様行ってみよ」

リサが一目散に店の奧の方に飛んで行った。

「うん。 あっ、これをーー」

アーサーはカウンターテーブルに分厚い封筒を置いた。

「ガハハ、いらねえよ! 世界を救った英雄から金を取れるかっての」

「いや、でも・・・」

「じゃあ、酒代だけ貰っておくかな」

分厚い封筒から札を一枚だけ抜き取ると封筒をアーサーに投げつけた。

アーサーは慌てて封筒をキャッチする。

「アーサー様早くなの!!」

遠くの方からエルザの聲が聞こえた。

「早く行ってやれ、可いおチビさん達が待ってるぜ!」

「ありがとうございます」

アーサーは慌てて頭を下げると店の奧へ足早に去って行ったーー

報屋は、アーサーの姿が見えなくなると席を座り直し一息ついた。

「ふうっ。 マスター酒くれよ、コレで飲み直しだ」

アーサーからの報酬の札をテーブルに置いた。

☆ ☆ ☆

そこは何もない空き部屋で酒樽が二つ置いてあるだけだった。

「どうなってるの? 誰もいないし行き止まりだよ」

リサはあちこち飛び回りり口を捜す。

「隠し扉とかになってるんだわ。 帝國軍からを隠すアジトですもの」

シルフィーは眼鏡を押さえながら地面を探る。

「ーーだろうな。 どっかに仕掛けか何かあるかもしれない」

アーサーもキョロキョロと辺りを捜す。

「ふにぃ、エルザ眠いの」

エルザはふらふらと大きなあくびをしながら酒樽の上に座り込んだ。

そのままエルザが酒樽の上で寢転がると天井にロープが垂れ下がっているのが目についた。

「アーサー様、あれなんなの?」

アーサーはエルザの指差した先にあるロープを引っ張ってみる。

ガコンと音がしたと同時に地下に通じる隠し階段が地面に現れた。

「よく見つけたなエルザ」

アーサーがエルザの頭をでた。

エルザは顔をくしゃくしゃにしながら満遍の笑みを浮かべた。

階段を下りた先にはBARの地下とは思えない程の広い空間が広がっていた。

アーサーと三人の霊はゆっくりと奧に進むと広間らしき空間になり男が二人座っていていかにも待っていた様子でこちらを見ていた。

アーサーは張の面持ちでゆっくりとその二人の元に近寄って行った。

「やあ、話は聞いているよ。ようこそ反帝國軍バンディッツへ」

ーー 二人の男の正は・・・ ーー

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