《三人の霊と俺の契約事レオンとソフィア②

レオンとソフィアが王宮に帰ると大騒ぎになっていたーー

使用人メイドたちがバタバタと忙しそうに行ったり來たりしている。

「ーーお父様の容は如何いかがですか?」

ソフィアが心配そうに使用人メイドのに聲をかけた。

「ソフィア様、直ぐに國王様の元に行ってあげて下さい」

そういうと一禮し、また忙しそうに足早に去っていった。

「急ぎましょう、ソフィア様」

レオンは何とも言えない嫌な騒ぎがした。

それは過去にも同じような記憶があったからだ。

「ーーええ」

ソフィアも心配でいられない様子だ。

國王の部屋は四階の隅にある部屋だ。

レオンとソフィアは急ぎ腳で階段を登る。

使用人たちとすれ違う度に皆一同に

「急いで、早くーー」とばかりでどんな容態なのか分からなかった・・・

分かったことはあまり良くないってことだろう。相當重に違いないーー

( 急がないと、急がなきゃーー )

レオンは焦っていた、もしもの事があればソフィアはーー糞っ。

* * * * * * * * * * * * *

ソフィアの母、王妃様は數年前に病気で他界したーー

その病気は國王様もソフィアも知らなかった。

知っていたのは白髪の老人紳士だけだった。固く口止めされていたらしい。

ソフィアはみんなの前では決して涙を見せなかった。

それは國民に不安がらせない為、姫らしく振舞う為なのか。まだ、十歳くらいのの子が大人を気遣う姿は逆にを打たれるものがあった。

王妃様の葬儀の後、ソフィアは居なくなった。レオンは捜しに行った。

城中捜して、最終的に湖のほとりに一人で座っていたーーレオンが聲をかけた瞬間に大粒の涙を流しソフィアは泣いた・・・。

ーーずっと、我慢していたんだ。

當たり前だ、自分の母親が亡くなったんだ。どんなに辛かったことだろう。

どんなに苦しかったのだろう。他人には想像もつかない悲しみだ。

初めて、ソフィアを抱きしめた。

ソフィアはレオンのの中でいつまでも、いつまでも泣いていた、涙が枯れるまでーー

* * * * * * * * * * * * *

「ーーソフィアにもう、あんな悲しい想いはさせたくない!頼む、國王様どうかご無事で」

レオンは、祈るような気持ちで階段を駆け上る。

「ーーっ痛い!!!」

遠くで聞こえたソフィアの聲にレオンは慌てて振り返るーーだいぶ下の階でソフィアが階段で倒れていた。

「ーーソフィア様!!」

レオンは慌てて階段を下る。

自分が焦るばかりでソフィアを置き去りにしていたのだ。

( 僕が焦ってどうなる?國王様が會いたいのはソフィア様だぞ )

レオンは自分に言い聞かせた。

「ソフィア様大丈夫ですか?お手を・・・」

レオンはそっと、ソフィアに手を差し出した。

「ーー大丈夫です。焦って階段を踏み外してしまいました。急ぎましょ」

レオンの手に摑まり立ち上がるとまた再び階段を登り始める。

今度は、レオンはソフィアが登ってくるのを確認しながらゆっくりと一歩ずつ確実に前へと向かうのだった。

そして、國王の待つ四階に辿り著いたーー

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