《三人の霊と俺の契約事レオンとソフィア③

四階の國王の部屋の前には人だかりが出來ていて皆、困な様子で顔を曇らせていたーー

「ーーソフィア様!!」

使用人メイドの人が言うと一斉に皆、振り向きざわつく。

「國王様がお待ちかねです。さあ、中に」

使用人メイドのに國王の部屋へ引っ張られるように中へと案されて行った。

國王の部屋の中には沢山の醫者がいるようだったがレオンがる前に國王様部屋のドアは閉められてしまって中の様子は伺うことは出來なかった。

何も出來ない自分への苛立ち。不安。そういった幾つのり混じり、べっとりと顔に刻み込まれていた。

それからどれ位の時間が経っただろうーー

まだソフィアは國王の部屋からは出て來ない。

使用人メイドたちも一人、また一人と姿を消していった。多分、他の仕事があるのだろう。

すると、階段をゆっくりと白髪の老人紳士が上がってきたーー

「ーー國王様の容態はどうだ?」

し疲れた様子で問いかけてきた。階段を登ってくるのが大変だったようだ。

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「まだ、何とも・・・」

「・・・そうか」

「ーー大丈夫だよね。大したことないよね」

「分からんよ」

「分からんってーーソフィアは?國王様が亡くなったられソフィアは・・・」

レオンは切羽詰った表で顔を真っ青にして言う。

次の瞬間、白髪の老人執事はレオンの顔に平手打ちをしたーー

「ーーーーっ!!!」

頬を抑え驚き困するレオン。

「もしもの話をするな。使用人はいつも冷靜でいろ。心配するのはソフィア様か?國王様の容態ではないのか?もしものことなんか、口が裂けても口にするな。それを口にして良いのはソフィア様だけだ」

白髪の老人執事は冷靜にレオンに語りかけるように言う。

レオンは直ぐに頭を下げ。

「ーーすいませんでした!!」

と、頭を下げ大きな聲で謝った。

すると、白髪の老人紳士はボソボソと語りだした。

「あの子は優しく、人の痛みや他人を思いやれる素晴らしい子だよ。王妃様にそっくりだ。それだけに本當に心配だよ。お前が、心配するのも無理はない。あんな良い出來た人間は他にはいない。見ているだけでみんなの心を溫かく出來る、どんなに自分が辛くても笑顔を絶やさない。ーー他にはいないよ。

私も永くカタリナ城で執事を勤めてきたが王妃様とソフィア様だけだ」

白髪の老人執事は遠い目をしながら四階の窓から外の景を見ながら語ったーー

「ーーレオン。あの子を守ってあげられるのはお前だけだよ。大切にな」

そう言い殘すと國王の部屋の扉を橫目にまた階段を下っていった。

「ーー絶対守るよ、お父さん!」

いつの間にか外は夕暮れになっていた。

いつの間にか廊下の柱にもたれて寢ていたーー。

まだ寢ぼけていて頭が働かない。

凄く騒がしい、人が凄く慌ただしく部屋を出りしている足音が聞こえてくる。

誰かの鳴き聲がする。誰の?

ハッとなって慌てて目を覚ますレオン。

「ーーお父様ぁぁぁ、うわぁぁぁん」

ソフィアの悲鳴に近い鳴き聲・・・

「まさかーー」

騒然とする中、使用人メイドやらどっかの偉い人達を押し退け國王の部屋にるーー。

「ソフィア・・・」

國王に覆い被さるようにしがみつき泣きじゃくるソフィア。

國王は亡くなった・・・

ソフィアはいつまでも、いつまでも亡くなった國王にしがみ付き離れなかった。

何と聲をかけて良いのだろう?

僕に何が出來るのだろう?

明日どんな顔をすれば良いのだろう?

ソフィアは、両親を亡くした、たった一人の親を・・・。

僕は、母親を知らない。

ずっと、お父さんと二人きりだ。

そして、ずっと王宮で育った。

母親の話は一度聞いたことがあるが死んだとだけ伝えられた。

なので、これ以上は聞かなかった。

お父さんも思い出したくないし、いつかちゃんと話してくれると思ったからだ。

僕には、お父さんがいる。

けど、ソフィアは・・・もう誰も。

ゆっくりと國王の部屋を出たーー。

ソフィアには、聲をかける言葉が見つからなかった。

いつの間にか空は薄っすらと明るくなっていたーー。

今の僕に何が出來るんだろう。

窓の外から見える湖を見つめながら自分の力の無さをじた。

この日帝國から全世界の國々にある條例案が提示されることになる。

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