《三人の霊と俺の契約事》レオンとソフィア⑤
いつも通りの朝、つい最近までは湖のほとりをソフィアと散歩していたーー。
ソフィアが國王宣言した後からは一度も來ていなかった。ーーいや、正確に言えば行きたくなかった。
今日は、昨日のソフィアを無視してしまった事もあり何故なぜか無にこの場所に來たくなったのだ。
湖は、相変わらず朝日を浴びてキラキラと輝いていた。
いつもならソフィアが大はしゃぎして駆け回っているだろう。レオンはその景を思い浮かべてし口元を緩めた。
ーーふと、湖のし奧の方に金髪のし髪の短い白のワンピースを著たの子が一人歩いているのが目に映った。
そのの子はアーサーからは朝日が逆になり良く分からないが綺麗な可らしい姿だ。
レオンは、そのの子に見惚れてぼんやりと立っていると、そのの子は徐々に近づいて來たーー。
「ーーレオン」
聞き覚えどころか何年もずっと聞いてきた聲だ。
「ソフィア・・・」
あの日以來、真面まともに見れなかったソフィアの顔。思わず込み上げてきたを堪えきれずレオンは崩れ落ち膝を地面に付きソフィアにしがみ付き泣いた。
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「レオン・・・」
ソフィアは何も言わずただレオンの頭をでていたーー。
朝日は二人を優しく包み込んでいた。
☆
「あ、あのソフィア様。ーー申し訳ございませんでした」
顔を耳まで赤くして頭を下げて謝るレオン。ーー必死だ。
「いいのよ、レオン。私も寂しかったのよ。また明日も一緒にここに來たいわ。二人だけのよ」
ソフィアのその姿は今までの何年も一緒に過ごしてきたあのらしい可いソフィアその者だったーー。
「そろそろ王宮に帰らないと、皆、私の姿がないと大騒ぎしてしまいますので」
そう言うと、すぐさまカタリナ城に向かった。
レオンはし安心した。
いつものソフィアに會えたから。
そして、改めて決意した!
彼の為に、命を懸けて守ることを!
レオンは決意をにソフィアの後を追った。
☆
カタリナ城に帰ると、大騒ぎだったーー。
ソフィアが居なかったことではなく、帝國からの最終通告が屆いていた。
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返答なき場合、十日以に武力行使に出る。
~ ハロルド三世 ~
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ソフィアの決斷に異議を唱える者が出てきた。
帝國に対等に戦える武力はカタリナ公國にない。
攻めてこられたら一瞬で終わりだ。
「ーーソフィア様、何か考えがお有りですか?」
幹部らしき男が言う。
「・・一応、考えはあります」
ソフィアはし不安そうに言う。
ソフィアは白ワンピース姿ではなく紅い鎧にマント姿の國王らしい姿に変わっていた。
「他國には援軍を頼むことは出來ないのですよ。それはお判りか?」
別の幹部が言う。
「ーーですが、私はこの國を・・」
「國と國民の命どちらが大事か?」
一人の男の言葉に全ての人が黙ったーー。
「私は、私は・・・お父様のーー」
ソフィアは言葉が出てこない。
國民の命と自分の信念を天秤にかけろと言われればそれは一択だったからだ。それでも貫きたい、譲れない思いはある。
「そうだ、そうだ! 國と國民の命どちらが大事なんだ」
容赦無い罵聲が次から次へとソフィアに浴びせられる。
ソフィアは下を向き必死で堪える。
味方してくれる者は誰も一人もいない。
そう思っていた時だった。
「お前らはそれでいいのかよ!!!」
見るに耐えられないレオンが口を挾むーー
ソフィアはその聲の方に顔を向ける。
「お前らは、しっかりと帝國の要求をみたのか?全て目を通したのか?何故なぜソフィア様がこの國を守りたいのか、分かろうとしたのか?」
靜まり返る王宮の會議室・・・
「帝國の要求は、鉱山の採掘資の八割譲渡、帝國への果樹の出荷義務。そして和平協定の義務だ。これを條件に配下にれと言っているんだ!」
騒つく會議室、人々は困の表を見せる。
「お前らは帝國に國を売れとソフィア様に言っていたのと同じだぞ。ソフィア様がみんなの命を大事に思ってない訳ないだろ!覚悟がなくて、國王になったと思ってるのか!」
レオンはんだ!その聲は王宮の外にいた人々にも聞こえるほどだった。
「ーーレオン」
ソフィアはレオンを目を輝かせて見つめた。
その目には薄っすら涙が浮かんでいた。
「ーーしかし、どうやって帝國から」
「確かに我々が戦うとなっても、我々は戦うをしらぬ」
皆一同に落膽の表を浮かべている。
確かにこれでは何の解決にも至ってない。
「・・・・」
レオンが言葉に詰まっていると、
「ーー剣を持って戦うだけが戦闘じゃない、武力が無くても戦えるます」
ソフィアは顔を上げ目を輝かせながら力強く答えたーー。
☆ ☆ ☆
會議室は作戦室へと変わっていた。ーーソフィアの考えは武力が無くても、頭を使い戦と戦略、地形や土地勘を活かして戦うということだ。
「勝つために皆の知恵を借りたい。何でもいいので意見を聞かせて下さい。お願いします」
ソフィアは、自分だけで決めるんではなく、人の意見をしっかりと聞きれそれを皆に説明し納得してもらう。國のリーダーとして大切なことを自然と持ち合わせていた。
國の人々と建てた作戦は、確かに的を得ている。しかし、本當に大丈夫なのか?ーーレオンは騒ぎしていた。
☆
作戦會議後、部屋を出ようとすると白髪の老人執事にレオンは呼び止められたーー。
「反帝國軍という組織を知っているか?」
白髪の老人執事は神妙な面持ちで唐突に聞いてきた。
「ーー聞いたことはある。確か帝國クーデターに関與してた組織だと・・・」
レオンは顎に手をやり思い出しながら答える。
「國を持たぬ者同士が集まり作った組織だ。そのほとんどの者が異端児の流れ者、実力も帝國騎士団に匹敵するとさえ言われている」
白髪の老人執事は冷靜に靜かにレオンを説得するかのように、
「ーーそれはら反帝國軍に援軍を要請するってことですか?」
困したような目つきで白髪の老人紳士を見た。ーーそれは、ソフィアにほんの數分まで自分達だけで帝國と戦おうと誓ったばかりだったからだ。
白髪に老人執事はレオンに背を向け続ける。
「ーー援軍を了承してくれたお禮はカタリナ公國の鉱石採掘資源の八割を譲渡する」
レオンは驚き、空いた口も塞がらないとはこの事だったーー。
「ーーっ、それでは帝國と同じ」
「帝國と同じ條件で渉するのだ!!無償でお願いなど出來ん、渉する財力もない唯一ある渉條件はこれしか無い!五割など甘過ぎる。なら帝國から提示された條件と同じ條件で渉する。帝國に取られる位なら一層の事、反帝國軍に渡した方がマシだ!」
レオンは何も反論出來なかった・・・。確かに帝國に取られるよりはまだ反帝國軍のが話し合いなどすれば分かってもらえるかもしれない。それでもレオンは、得の知れない他の國々の寄せ集めのような団を本當に信用していいのか不安だったーー。
「お前からソフィア様に話しておけ。ソフィア様の了承次第すぐに反帝國軍に援軍の渉に行け」
そう言い殘すと白髪の老人執事は部屋から出て行った。
「ーーどの道、カタリナ公國はよそ者の支配下にされてしまうのか」
レオンはを噛んだ。ーーそれからしばらく會議室で一人ぼんやりと天井を見つめながら途方にくれるのだった。
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