《三人の霊と俺の契約事反帝國軍潛伏メンバー

「ソ、ソフィア様ーー、ご報告が」

駆け込んできた兵士が敬禮しながらそう告げたのは、戦略會議をしている真っ最中だった。

一斉に視線を浴びた兵士は、自分が行った事の重大さに気付き、顔を青ざめた。

「無禮者! いきなり飛び込んで何事だ」

會議を中斷され頭にが上っている白髪じりの男が威勢良く兵士を叱りつけるがソフィアはその男の前に手を出し制止する。「それより」と息継ぎをし、

「よほど急いで來たと見られる。何の報告だ?」

的にマズイ事態が起きたのでは?とソフィアの問いに肩を上下させ兵士は、

「て、て、敵襲です! カタリナ公國全土を帝國軍が包囲しています」

悪い予は的中した。出來れば外れてほしかった予だったが、

「予定より早過ぎる。ーーまだ何の策も練っていないのに」

「ど、どうするのじゃソフィア様」

帝國軍が攻めて來ることは予想していたし、分かっていた事だった。しかし、いざその場面に直面すると何も出來ない。

皆、一斉にソフィアにすがるように見つめている。

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正直何も分からない。こんな時レオンが居てくれれば助けてくれるのにーー。

ソフィアは目を閉じレオンの顔を思い浮かべる。

「レオンだって援軍を呼びに頑張ってくれてる。 レオンが帰って來るまで私も頑張らなきゃ」

ソフィアは、自分にそう言い聞かせると、

「國中の人々をカタリナ城にーー、ここが國で一番安全な場所だからみんなで手分けして避難させるのよ」

ーー帝國軍が包囲し、國中の人々で溢れかえったカタリナ城

「俺は、反帝國軍バンディッツのアーサーと言います。君達の仲間レオンより援軍要請をけて來ました。メンバーも時期に到著しますので安心して下さい」

その言葉に皆、し安堵の表を浮かべた。

「ああ、レオンが・・・おじ様」

ソフィアは隣にいた白髪の老人執事と手を取り合った。

「ーー但し、まだし時間がかかるので何としても援軍が來るまでは耐えなければならない。このままここで籠城してたら全員即死だ。ここが一番安全そうだが一番危ない

アーサーの言葉に全員が耳を傾ける。

「俺一人では何の役にもたたないけど、俺には小さいけど凄く頼りになる仲間がいる」

そう言うと、アーサーの輝き中から三霊が飛び出して來たーー。

戦爭や爭いと無縁のカタリナ國民でも知っている。ーー三人の霊を宿した人間が存在しデーモンズゲートを封印した噂を。

「まさかあなたが噂のーー」

その存在の大きさに皆、希を抱いた。

「とにかく、時間がない。いくつか策があるがその場しのぎにしかならない。バンディッツが來るまで何とかみんなで耐え切ろう」

アーサーの言葉に皆、気が戻った。

みんなが自分を頼ってくれているのは表を見れば分かった。

しかし、あの時と今では狀況も立場も違う。

頼れる円卓の魔導士なかまもいない、何より金の瞳エンペラーアイが使えない。

期待の眼差しが心に突き刺さる中、アーサーはソフィアを呼んで耳打ちした。

何事かをアーサーが耳打ちした瞬間ソフィアの顔は明らかに強張った。

そしてーー青ざめた表になった。

『 バンディッツは間に合わないーー 』

そして更に続ける、

『 俺が何としてもお前だけは逃がしてやる。これはレオンからのお願いだ 』

ソフィアの心は複雑だったーー。

自分だけ助かるのか?

國民の皆の命を犠牲に?

本當にそれでいいのか?

ソフィアは迷っていたーー。

ーー 帝國軍の攻撃が今、始まった ーー

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