《三人の霊と俺の契約事回復魔道士

「君がアーサー君かい? 私はディーネ反帝國バンディッツ所屬の魔導士です」

「昨日話してた回復魔法のスペシャリストだよ」

レオンは隣にいるをアーサーに紹介する。

「ず、ずいぶん若い子だね」

「あら? 見た目で決めないでほしいわね」

ディーネは顔を膨らませて口を尖らせた。

ディーネは、見た目は十代前半くらいで肩くらいまでの青い髪をしている。黒いローブを著ているが黒いミニスカートに白いタイツを履いている。小顔で全てが小さいイメージで三人の霊がもうし大きければこんなじなのかとか思ってしまう。

ディーネは、アーサーの近くに寄ると目を閉じ早速診斷を始めた。アーサーのの上で両手をかざす。ーーすると、両手が青白く輝き始めた。

「ーーずいぶんと無茶をしたわね。 力は回復しても気力、とくに神的な部分との中を巡る魔力回路が斷裂してるね」

「俺は魔法が全く使えないんだけど関係あるの?」

「魔法が使えようが使えなくても魔力回路は誰にでもあるのよ」

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「そうなのか・・・」

「アーサー様重癥なの?」

「かなりね。あなた達も相當無茶をさせたわね」

「ううーー」

「反省してるの」

「言葉も出ないですわ」

三人の霊たちは下を向き肩を落としていた。

霊たちは悪くないよ。俺が無理矢理頼んだんだから」

アーサーは霊たちを庇うかばうがディーネは首を橫に振り、

「例えそうであっても契約して下さっているご主人様のを気遣うのが霊の努めです。ご主人様あっての霊なのです。それを忘れてはなりません」

若さをじさせない力説に思わず聞きってしまう。霊たちも反省しきっている。

「ーーでは、本格的に治療を始めたいと思います。斷裂した魔力回路の修復がメインになりますね。その後はゆっくりと神的ダメージを抜くことになると思います」

「どれくらいかかるの?」

「そうですね・・・最短でも半日、長くて一日はかかります」

「えーっ、そんなにかかるのお」

リサはもっと簡単に魔法で回復出來ると思っていたのだろう。実際、アーサーや他の霊も同じように思っていたに違いない。目を點にしているアーサーを見れば一目瞭然いちもくりょうぜんだ。

「魔力回路の斷裂箇所が多いのよ。一つ一つ修復しないとならないからとても大変なのよ」

「ーー邪魔しないようにしばらく外に出ていようか」

レオンが三人の霊を外に連れ出そうとするが三人の霊は首を橫に振り、

「部屋の隅でアーサー様の治療が終わるまで待ってますわ」

三人はふわふわと部屋の隅に飛んで行き三人仲良く固まっていた。レオンはそんな三人の霊の姿を見ると笑みを浮かべて部屋から出て行った。

「天よりの癒しの力よ 。聖なる癒しの神よ。母なる大地の息吹よ。願わくば我が前に橫たわりしこの者をその大いなる慈悲にて救いたまえ」

ディーネの両手が一段と輝いたかと思うと、ベットに橫たわっているアーサーのが青白く輝き始めた。

ディーネは目を閉じ呪文を唱えながら治療に集中している。ディーネの頭の中では立的に斷裂した魔力回路などが映り出されているのだろうか。彼の手の作などはまるで千切れたを繋ぐような仕草などが見てとれる。それを丁寧に何度も何度も繰り返し行っている。

次第に彼の額には汗が滲んでいた。

三人の霊は、それに気付いたのかリサがハンカチで汗を拭ってあげた。

ディーネは呪文を辭める事が出來ないのか、笑顔でお辭儀をしていた。

水にストローを差してディーネの口もとに運んで水を飲ませてあげたりなど三人の霊はまるで手をする醫者の助手のように手伝った。ディーネはそんな三人の霊の活躍を心強く思っていた。

一日かかると思っていた治療も三人の霊がお手伝いしてくれたおかげか、半日程で魔力回路の修復治療は終わった。

「あなた達のおかげでだいぶ早く終わることが出來たわ。ありがとう」

ディーネは笑顔で三人の霊を見つめた。

「當然のことをしたまでです。アーサー様を治したい気持ちは同じです」

「これで一番大変な魔力回路の斷裂は治ったは後は神的ダメージを抜く治療よ」

神的ダメージって心の治療ってことですの?」

シルフィーが眼鏡を押さえながら尋ねる。

「カウセリングなどが一番有効らしいけどそんな知識は私にはないわ。心ともにリラックスして貰えるような癒しの魔法を使って回復してもらうわ」

そう言うとディーネは呪文を唱え始めた。

「慈に満ちたる天のよ。我が聲に示し目の前に橫たわりし者の傷を癒したまえ-治癒の揺り籠-」

アーサーのがベットから數センチほど宙に浮きの繭まゆに包まれた。

「全回復したら自的に治療は終わるわ。一応これで私の役目は終わりよ」

ディーネは額の汗を拭いぬぐいため息を吐いた。かなり魔力を消費したのだろう。疲労が顔に滲み出ている。

「ディーネありがとうなの」

「ディーネありがとう」

「ディーネさんお疲れ様でした」

三人の霊は同時に頭を下げお禮を言った。

「私は隣の部屋でし休むわね。 アーサーさんの治療が終わったら起こしてちょうだいね」

ディーネは右手を上げて部屋を出て行った。

薄暗く靜まり返った部屋、三人の霊たちはの繭に包まれたアーサーの側から決して離れようとしなかった--。

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