《三人の霊と俺の契約事狩り①

「何、ケイト話って?」

いきなり「部屋の中にってくれ」って言われ訳が分からず困しているエレナ。

「ナタリア君も一緒に中へ來てくれ。君にも関係ある話なんだ」

エレナとナタリアは顔を見合わせ言われるがまま部屋の中へって行った。

エレナ達が部屋の中にるとレーベンハートが厳しい顔で待ちわびていた。エレナはその表からあまり良くない話をするんだろうなとじとった。

それぞれ席に著くとレーベンハートとケイトは目を合わせレーベンハートは頷いた。それを合図にケイトは口を開いた。

「ーーこれから話すことは今まで君たちに伝えられなかったクリスタルパレスであった魔狩りの真実だ」

「真実・・・私たちが知らされている話は真実じゃないって事ですか?」

ナタリアは困の表を浮かべている。

「ああ、これから俺が話すことは俺が実際にその日あったことを伝える。信じられないなら信じなくてもいい。ただし、これは真実だ」

エレナは何のことを言っているのかいまいち理解出來ていないようだった。

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「エレナ、俺の話を聞いてしでも思い出してほしい。君の失った記憶をーー」

「・・・うん」

☆ ☆ ☆

今から三年前、俺たち帝國騎士団はある任務のためクリスタルパレスを訪れることになった。

帝國騎士団直々に任務を依頼する事自は珍しくはないが、護衛部隊のために騎士団全員出はここ最近では記憶にない。

帝國騎士団総勢二百人の四部隊がクリスタルパレスに集結した。

そのうちの一部隊の隊長として俺は、指揮を執ることになっていた。

「本日の任務は、クリスタルパレスの警備だ。誰であろうと國の中にれるなと命令が出ている」

五十人の騎士団員の前でケイト・ローレントは指揮を執っている。

今とは違い、聖騎士の鎧をに付け、髪のを長髪にばし眼鏡はかけていない。

「クリスタルパレスで何かあるんですか?」

「クリスタルパレスの次エレナ様が十歳になられたそうだ。魔が十歳になると國中にお披目になられるそうだ」

「俺たちの班は東側の警備だ。西をダニエル班は、北をヴィル班、南をトーマス隊長の班となっている。何か質問はあるか?」

「國の中の護衛はどうなってるんスか?外はガチガチですが肝心の姫様とかの護衛が気になるっス」

若き日のまだ隊二年目のロッシ・ロレッサが手を挙げ質問する。

「俺たち帝國騎士団には外の護衛の依頼しかきてないらしい。中は國で守るのだろう?それともそれだけ帝國騎士団を信頼しているのかもな」

ケイトは皮にも似た笑いを浮かべた。

「ーーさて、ポイント地點まで移しよう」

☆ ☆ ☆

「エレナ準備できた?」

勢いよくノックもせず部屋のドアを開けるリリス。

「きゃっ、まだよ。お姉ちゃん」

下著姿のエレナが座り込む。

メイドのピクシーのは「あらら」と、口に手を當てた。

「鈍間のろまねえ、主役無しで始まっちゃうわよ」

そう言うと、またバタバタと落ち著き無く部屋を出て行った。

「まったく、お姉ちゃんが主役じゃないのに一番張り切ってるんだから」

「リリス様らしいですわ。エレナ様の事が自分のことのように嬉しいのですよ」

「ーーどーかしら?」

エレナは、肩を落としため息を吐いた。

再び、メイドとドレスを著ながら準備をしているとドアをノックする乾いた音が部屋に響いた。

「エレナ、支度は出來た?るわよ」

白いドレスにき通るような白い。それをさらに強調させるような綺麗な紫の長い髪の

「お母さま」

「ーーまだみたいね。もうしで式典が始まりますよ。早く準備しなさいね」

「はーい」

エレナはドレッサーの鏡の前でメイドに髪のをセットしてもらいながら王の背中を見送った。ーードアが閉まったかと思うと再び開いた。

「早くしなさいよ!」

リリスが顔半分だけ覗かせ目を細めている。

「・・・・」

固まるエレナとメイド。

返事を待たずドアは閉まった。

☆ ☆ ☆

真晝の空に盛大にファンファーレが響き渡る。魔法で創られた花火が次々と真晝の空に打ち上げられる。

クリスタルパレスの象徴であるクリスタルの塔が幻想的にを変えながら祝福モードに包まれる。

國中の人々は今まさにエレナ姫の登場を待ちわびていた。

「エレナこっちにいらっしゃい」

「はい、お母さま」

王と同じ純白のドレスに金の髪飾りをつけている。

「今日のエレナはとーっても綺麗だわ」

「本當?嬉しい」

エレナは満遍の笑顔を見せる。

「これは最後の仕上げよ」

そう言うと、王は口紅をエレナに引いてあげた。

「大人に見える?かわいい?」

王はエレナを抱き締めると、

「とーってもかわいいわよ」

「えへへ」

抱きしめられたのが嬉しいのか、褒められたのが嬉しいのかエレナの顔は緩みっぱなしだった。

そんな二人のやり取りをリリスは邪魔しないようにからこっそりと覗いていた。

「リリちゃん、って來ていいわよ」

王はいつから自分がそこに隠れているのが分かったのだろうとかとし驚いたリリスだった。

「何?お姉ちゃんいたの」

「居たら悪いわけ?」

二人とも顔を合わせるなり口を尖らせる。

「二人ともこれから話すことをよく聞いてね」

王は二人の前で膝をつき抱きしめる。

「なに?お母さまどうしたの?」

「お母さま?」

二人とも困の表を浮かべて目をぱちくりさせた。

「邪悪な気配をじるわ。今から何か恐ろしいことが起こるかもしれない。そうなった時あなた達姉妹は力を合わせて生き延びるのよ。良いわね?」

「そうなったらお母さまも一緒に逃げればいいじゃない」

エレナの言葉に王は首を橫に振り、

「私は、この國を守る義務があるの。國民を見捨てて逃げ出すことは出來ないわ」

「なら、私もお母さまと一緒に殘るわ」

「リリちゃん、分かってちょうだい。あなたは妹を守る責任があるのよ。どんなことがあってもエレナを守ってほしい。あなたはエレナのお姉ちゃんなのよ」

「ーーけど」

リリスの頭の上に手をのせ、

「お願いよ。リリお姉ちゃん」

王の言葉にリリスは靜かに頷いた。

「エレナ、お姉ちゃんの言うことをちゃんと聞くのよ。わかった?」

エレナも靜かに頷いた。

二人いの真剣な眼差しを見て王は、安心していた矢先、魔法の花火の音やファンファーレの音に紛れクリスタルパレス國に魔の手が迫っていた。

王とエレナとリリスがいるクリスタルの塔の三階フロアの扉がノックも無く勢いよく開く。

「ーー申し上げます、敵襲です!」

扉をノックするのも忘れるほど焦りメイドは息を荒げていた。その姿を見てただ毎ただごとではないと王は即座に判斷した。

「リリス、エレナ逃げるのよ」

王が二人に命令するが、

王様、クリスタルの塔の周りを敵に占拠されました。この塔からの出の方法はほぼ不可能かとーー」

王は、その言葉に耳を傾け外を覗くと敵の軍勢が多數クリスタルの塔を取り囲んでいた。それを守ろと多數の國民が盾となり次々と倒れていく。

その景を目の當たりにし、王は心痛めた。

「敵の目的は何?グリモワール?」

「恐らくそれかと・・・」

王は再び二人の娘を抱き締めた。

最後のを確かめるようにーー。

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