「流石にお腹すいたね」

希が呟く

考えてみれば飛ばされた日の朝から今まで

なにも食べていない

それでも、けるのは

異世界に來た補正チートのおだろうか

「じゃあ、やろうか」

幸いそこには川がある

「皆～！釣りするよ～！」

たくさん釣って皆で食ってやろう！

───なんて、思ってた時期が僕にもありました

はっきり言って無理

原が能力で針を作り

紐はその辺に生えてる蔦

竿はその辺に落ちてる木

そんなんで釣りをしよう

なんて無理な話だ

魚は見えるくらいき通っているが

釣りは無理だ

すると、川の向こう側が大きく揺れたと思うと

大鰐が出てきた

鰐が手當たり次第に魚を食べ漁っている

急に鰐が泡を吹いて倒れた

「ここの魚って毒ある？」

希に聞くと

「食べなくて良かったね」

方向を変えて

果を探すことにした

また、班に別れて探し始めた

すると、一番上流を探していた

子たちの班が悲鳴をあげ

こっちへ走ってくる

──後ろに大きな鰐を引き連れて

「何でこっちに來るんだよ！」

皆、下流へ走って逃げると

辺りの雰囲気が大きく変わった

気がつくと鰐も消えていて

そして、目の前には大きな窟が

口を空けていた

中へって辺りを探ってみると

水の渦巻くような音が聞こえたと、思うと

正面から圧倒的な量の水が流れ出てくる

「皆！逃げッ！がはぁっ！」

飲み込まれる一同

──意識を失った