「問題はこの子ね」

秋の癥狀を見て呟く

蝕獣に侵食されているのは

右手の掌、その一部だったのだ

「蝕獣の呪いをこの度で…

意識を失ってやることじゃないわ

一、この子はどうなってるの？」

ルナは秋の頭へ手をかざし

「心──侵食」

意識を秋へと飛ばす

「誰だてめぇは！？どうやってこんなところに！」

秋の中─つまり黒秋とルナが対面する

「あなたが呪いを押さえてるの？

どこでそんなの…？」

ルナが訪ねると

「お前、この呪いを取れるんだな？

だったら早くしろ！てめぇが合図してから

3秒後に抑えを取る！」

そして、強制的に意識から放り出される

「驚いた、まさかこの子にまで──」

魔方陣を展開

「二重詠唱デュオ『呪法─依り代』『瞬法─転移』

準備は良いわよ」

そう言ってから3秒後呪いを押さえていた

何かが弾ける音がして

急激に侵食が始まる

「はい、処置終了」

が、広がるよりも早く依り代へと呪いが移る

作られた依り代は々に砕け散った

「目が醒めたらお話ししましょうね」