《努力次第で異世界最強 ~喰えば喰うほど強くなる~》6話:名付け
「俺も寢よう」
そう思ったレンであったが落ち著いて眠れるはずもなかった。隣に全のそれも絶世のと斷言できるほどの者が眠っていたからである。
レンはただの高校生である。今までの際経験も何も無いただの高校生が隣にを惜しげもなくさらけ出したが眠っている狀態で何もじ無いわけがないのだ。
「やべーな、全然眠れない」
そんな狀態のレンを何一つ気にすることなくすーすーと寢息を立てているはまるで普通の人間の様でレンは「本當にこいつは魔神なのか?」と疑問に思ってしまった。
結局レンは一睡もできないまま夜があけてしまった。
「おーい起きろー」
レンは自分が寢られなかった恨みもこめて空が明るくなった瞬間にを起こすことにしたのだ。
「なんじゃ?まだ寢足りぬ、後300年ほど待っておれ」
「いや、そんな待てないから。てゆーか6億年も封印されておいて寢足りないとかどんだけ引きこもり極めてんだよ」
「仕方が無いのう」
そう言いながらは軽くびをして首をコリコリ鳴らせた後、レンの目を見つめるようにしてから
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「それで?名は決まったのか?」
と聞いた。
「いやぁー決めたは決めたんだけどこーゆーのって自分で決めるもんじゃないの?」
「ならばもし、うぬが自分に“レン”と名付けてそれを我が呼んだ場合うぬはどうなる?」
「………死ぬほど恥ずかしいな」
「だろう?」
まるでしてやったりとでも言うようなドヤ顔でレンを見てきたに向かって
「分かったよ。その前にお前に一つ言っておくことがある」
「なんじゃ?申してみよ」
「一人稱を変えろ」
「ふむ、なぜじゃ?」
「まぁそのおばあちゃん言葉と言うかなんというかはともかくとして一人稱が“我われ”だったら男と間違えても仕方ないと思うんだけど?」
「なるほど、一理あるな」
「だろ?」
そう言われたはしばらくウンウンと唸って考えていたかと思うと
「妾わらわか?いやそれとも私…」
「妾でいいよ。私とかお前の話し方に合わなすぎて違和が半端ないだろ」
「それもそうか…。ならばうぬは妾の名は決まったのかの?」
「あぁ。元の名前も一応もじってメルクリア=ガルテ=ロードってのはどうだ?」
「まぁ及第點と言っておこうかの。それとロードは要らぬ、もう妾は魔神ではない」
「魔神じゃない?」
「そうじゃ。確かに妾は全盛期のを手にれたがそれは全盛期とは言ってもまだ普通の魔人であった頃の事じゃ。妾の魔神であった力はひとつ殘らず汝うぬが喰い盡くしてしまったのでな」
なるほど、確かに魔神の力を2人が持っているとするとそれはもう誰も太刀打ちができないほどの強さだろう。一人だけでも神が複數人で協力しないと封印できないのにそれが2人となるとちょっと相手に申し訳ない気すらしてくる。
「じゃあメルは今は俺よりも弱いってこと?」
「ちょっと待て、妾の名前はメルクリアであろう?なぜ汝が名付けたくせに勝手に略して呼んでおるのだ」
「細かいなぁ、稱だよ稱。メルクリアって長くて呼びにくくない?それに、これから一緒に頑張っていくわけだから稱で呼んだって別にいいんじゃない?」
「む、そ、そうか…そういうものなのか?人族が変わっているのは知っていたがここまでとは思わなんだ。しかしそういうことならば妾も汝の事を稱で呼んでやろう。汝は普段なんと呼ばれておるのだ?」
「いや、俺は普通にレンでいいよ」
「ず、ずるいぞ!自分だけ辱めをけないなどそんな事妾は許さぬぞ」
変なところでメルがこだわってきたのでレンもし考える。だが今まで周りの人からはレンとしか呼ばれてこなかったので他にいい稱が思いつかなかったのだ。
「確か汝の名はクロギ=レンであったな」
メルはフムフムと言いながら考えていたかと思うとなにか思いついたようにレンの方を見て
「クロというのはどうだ?そうじゃ、何なら他も変えてクロ=ガルテ=ロードというのはどうだ?今は汝が、いや、クロが魔神なのだからロードと名乗るのは何もおかしくないであろう」
「いや、ちょっと待て。クロってのは分かるよ?うん、いい稱だね、よく思いついたな!って喜ぼうとしたのに何で俺まるまる改名されてるの?」
「だって、魔神になったのだからロードとつけるのは當然であろう?だがクロギ=レン=ロードってなんかおかしいんだもん」
「いや、だからとかだもんってキャラじゃないだろメルは」
まるで子供が駄々をこねるような喋り方でレンに言ってきたメルは涙目で今もレンを見つめているままだった。
「分かった、分かったよ。クロもまぁいいロードっていうのもまぁいいや。でもな何で俺がガルテなんだ?」
「フ、フン。妾が主人に選ぶのは元々妾よりも強い男にすると決めていたのだ。か、勘違いするなよ?別に妾がクロのことを好いておるわけではないぞ!」
「え、えぇー」
まさか異世界まで來て、しかも魔神からツンデレなセリフを聞けるとは思わなかったレンはしの間思考を停止してしまっていた。
てゆーかさっきとキャラ変わってない?と心の中で呟いた。
「ま、まぁ分かったよ。それでいいや、俺はこれからクロ=ガルテ=ロードだ。これからは俺のことはクロって呼んでくれ」
レンがそう言うとさっきまで涙目でこちらを見つめていたメルは表をパァーと輝かせるとレンの方に駆けてきていきなり抱きついてきた。しかもで。
「ちょっと待て。まず服著よ?さっきまで俺もどうかしてたよ。な?」
「む、クロは妾の事が嫌いなのか?妾が魔神の時は近寄ってくるものは全て魔神の地位を狙ったものしかおらなかったのでな。こんな気持ちは初めてじゃ!」
メルはそう言うとさっきよりもを押し付けてきた。いや、幸せだけどね?幸せだけどちょっと貞には刺激が強すぎるというか。うん、まぁ幸せだけど。
「いや、嫌いじゃないよ?むしろ好きだ。でもな?メルは俺に見られても気にしないかもしれないが俺はメルのを他のやつに見られたくないんだ」
「分かった…」
メルは渋々頷くと[質現化]の力で服を2人分・・・作り出した、しかも男と。
メルはその服を著ると、下半は引き締まった太ももにピッタリ引っ付いたタイツが妙にエロく、白いワンピースの上から黒のカーディガンを羽織った金髪がひらひらとなびく10人中10人が振り向くであろう絶世のがそこにいた。
「どうだ?似合うか?」
「お、おう。凄くかわいいと思うぞ」
「そ、そうか?まぁ禮をいっておこう。クロは妾が用意したこの服に著替えてくれ」
「やっぱりそっちは俺が著るのか」
それはがペアルックみたいになっている傍から見れば人に間違えられるであろうものだった。
「………ダメか?」
メルに上目遣いでお願いをされて斷れるわけもなく文句を言わずに言われた通りにけ取った服を著た。
「こんなオシャレな服、元の世界でも著たことないぞ」
きやすそうな白い無地のパーカーの上に黒いロングコートというシンプルなものだったがオシャレをしたことが無かったレンにとっては凄くオシャレに見えたのだ。
「で、これ何?」
現在レンとメルは數百のドラゴンに取り囲まれていた。
「ふむ、どうやらこやつらの主が妾達を呼んでおるようだ」
「なぜ分かるし?」
「いや、クロも【言語理解EX】を持っているのであれば理解できない方がおかしいであろう」
「それもそうか。言われてみれば確かに理解できるような気がする」
『何の話をしている。我々と一緒についてくるのかこないのか聞いている、早く答えよ。』
「お前達の主はどこにいる?」
『やっと返事をしたかと思ったら質問か、まぁいい。我らの主様はあそこに見えるバイアス大山脈と呼ばれている山の麓にある窟に住んでおられる。あそこまでお前達を連れてこいという命をけて呼びに來たのだ』
このドラゴンたちのまとめ役であろうそのドラゴンが指を指した方向には雲を突き抜けてまだのびているであろう山がそびえ立っていた。
「どうするメル?」
「妾はクロについていく。大丈夫だ、こやつらからは敵意をじぬ。恐らく本當にただ呼びに來ただけなのだろう」
「ならついて行ってみるか」
『話は決まったようだな、我の名はツヴァイア。我の背中に乗るがよい』
そううながされたレンとメルはツヴァイアと名乗ったそのドラゴンに乗って主と呼ばれているドラゴンに會うためにバイアス大山脈へと向かった。
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