《努力次第で異世界最強 ~喰えば喰うほど強くなる~》9話:念話
レンがジークから貰った雙剣での修行を始めてから三日程が経過した時、ジークに念話がってきた。
『クロよ、どうやら王國の方できがあったようだぞ』
「何があったんだ?」
『どうやら王國から逃げ出した者が3名程いたらしくそいつを捕まえるために指名手配をして死に狂いで捜索をしているみたいだな。ちなみに逃げ出した者達はモーント大迷宮に向かっているようだ』
「ん?なんでだ?」
『ステータスを見たところ、アマミヤ=カオリ、マツノ=タツヤ、オウサカ=ハルカの3人だな』
その名前を聞いたレンは何で迷宮に行こうとしているのかが気になったがレンにはそれよりも気になる事があった。
「その3人は俺の友達なんだけど、なんで王國から逃げ出したんだろう?」
『どうやら王に一緒に迷宮へ軍を率いていってしいと頼み込んだのだが相手にされなかったようだ』
どうやらレンが迷宮でいなくなったことを気にして王國の軍と一緒に迷宮を探索してレンの事を食べた竜を探そうとしていたらしいがその竜はレンが殺してしまったのでもういない。つまり3人はいない竜を追いかけて、レンたちが騎士と一緒にやっと75層まで行った迷宮を3人でいこうとしているのだ。
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「そいつらを迎えに行くことってできるか?」
『ふむ、儂の空間魔法を使えば前に黒竜を転送した階層には行けるぞ』
「じゃあ75層に行ってから急いで上がろう」
レンは急いで修行著からメルが用意してくれた服に著替えると人化狀態のジークと共にモーント大迷宮に飛んだ。
◇
75層に飛んだレンとジークは全速力で---ジークはレンの速度に合わせている---上層へ駆け上がりモーント大迷宮を出た。
「今どの辺にいるとか分かるか?」
『今は魔と戦闘中のようだ。しかし、このままだとちと危ないかもしれんな。相手は大型のワイバーンだ、あの3人だとやられるかもしれん』
「じゃあ急ぐぞ!」
ジークの話を聞いたレンは戦闘中の3人の元へ向かうために走り出した。
◇
「何だよこいつ、俺の剣が全部弾かれる!」
「魔法も全然効かないんだけど!?」
「水魔法も効かない」
達也たちは3人で力を合わせて大型のワイバーンと戦っていた。元はと言えば王國から追ってきた軍から逃げるために正規のルートから大きく外れてしまったのが始まりだった。最初の方は対処しきれていたのだが段々魔の強さが上がってきて出てきたのがこのワイバーンだ。
レンを迎えに來ておいて自分たちが死ぬのはシャレにならないと思ったのだが自分達の攻撃が一向に効く気配がなく八方塞がりの狀態だった。
「このままじゃ全員死んじまう。香織!春香!急いで逃げろ!」
「達也くんはどーするのよ!」
「そーだよ!そんな事したら達也が死んじゃう!」
このままだと全滅すると思った達也が2人だけでも逃がそうと思ったのだが2人とも逃げようとはしなかった。
その時、3人の目の前にいるワイバーンに向かって黒い雷が落ちたのだった。
◇
3人の元にたどり著いたレンとジークであったがワイバーンの近くに3人が固まっていた為に思うように魔法が使えなかった。そんな時に3人がワイバーンからし離れて何やら話し合っているのが見えた。
その隙にレンは魔法を放った。
“黒の落雷シュヴァルツ・シュラーク”
レンがジークから教えてもらった魔法の中で1番対空戦闘に適しているであろう基本屬の雷魔法を使ったのだがレンが使うと普通の魔法師が使う魔法とは威力が天と地ほどの差が生まれる。
「何とか間に合ったみたいだな」
『クロよ、もうし魔力を弱めても倒せたぞ。敵が一の場合はそれでいいが大群で攻めてきた時はどれだけ一発一発を抑えて相手を戦闘不能にするかが鍵を握るのだぞ』
「……はい…」
まさか怒られると思わなかったレンは試し撃ちとはいえ確かに強めに魔法を打ったのは事実だったので素直に返事をした。レンは下から3人が自分の方を見ているのに気がついてジークから逃げるように3人の近くに降りたった。
「大丈夫か?怪我はなかったか?」
「「「助けてくれてありがとうございます!」」」
「……え?」
3人からお禮を言われたレンは「なぜ敬語?」と思ったがすぐに見た目が前と大分変わっていることを思い出して
「あぁ、俺、黒木レンだよ?」
「「「………え?」」」
レンと同じように頭に?マークを思い浮かべて自分たちが知っているレンと目の前にいる男を比べてみて絶対に違う!という結論に思い至った。
「すいません、助けていただいたのは嬉しいんですがその冗談はちょっと今は……笑えません」
凄く他人行儀に冗談扱いされてしまったレンは3人に自分がレンであることを証明するために中學時代の思い出の事やこの世界に來る前の事などを話した。
◇
「じゃあホンットーーーーーーにレンなんだな?」
「そうだよ!さっきからそう言ってるだろ!」
「いやーだって見た目が、さぁ?」
「まぁ見た目が変わったのは認めるけどさー」
自分がレンであることの証明をするために洗いざらい昔の事を恥ずかしい事から楽しかった事まで話したレンはようやく3人から認めてもらった。
「それにしてもあの魔法は何なんだ?」
「あぁ、それは上にいるあの人から教えてもらったんだ」
そう言われた3人は上を見て空中に知らない男が立っているのを見た。
レンに指をさされたジークはゆっくりとレンの橫に降り立った。
『お初にお目にかかる、クロの友よ。儂は元竜神のジーク=バハムートという。ひとまずここから離れよう、人間が大勢でこちらへ向かってきている。』
そう言ったジークは空間魔法を使ってバイアス山脈に戻ってきた。
そこには涙目で拗ねているメルがいた。
今日はちょっと短めです。
それと明日は參考までにレンの現在のステータスとジーク、メル、達也、香織、春香のステータスを紹介します、
小説家になろうにも同じ題名で投稿していますのでそちらもよろしくお願いします!
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