《努力次第で異世界最強 ~喰えば喰うほど強くなる~》11話:別れ

「悩んでおるのか?」

「……あぁ、メルか」

レンが膝を抱えて悩んでいるとメルが話しかけてきた。

「妾が魔人だった頃は同い年の男が相手でも自分の強さを誇示するために殺し合ってきたのだが、やはり魔族と人族ではそこら辺は違うのだな」

「まぁな、俺には馴染を殺すなんて事できないし考えられない」

「だが彼等も殺されるのだったら見知らぬ者ではなくクロに殺される方が浮かばれるだろう」

メルはレンを諭すように優しく言ったのだが逆効果だったらしくレンはさっきよりも深く悩んでしまった。

「しかしなぁクロよ。時間が解決する事もあるが時間では解決できないこともあるのだ。今回の事も悩む時間はジークがつくってくれているがそれも無限に有る訳では無い。だったら自分で殺してしまったあとに救う手を考えた方が現実的であろう」

「救う?この世界には蘇生魔法であるのか?」

「魔族に伝わっている伝承には初代の魔神が殺された妻のために呪に手を出して生き返らせたという話がある」

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「本當か!」

「本當だ、初代の魔神に出來たことがクロにできない筈がない。クロなら神でも喰ってその呪とやらも手にれられるだろう。は腐らないようにクロの寶庫バンクにれておいたらいい、そうすれば考える時間は無限にあるのだからな」

「そうだな、絶対に生き返らせてやる。どれだけ時間がかかっても、どれだけ難しくても俺が絶対に皆を生き返らせる方法を見つけ出してやる」

メルの話でしだけ希の見えたレンは例え1度別れたとしても絶対に生き返らせてみせると決意してみんなを殺すことを決意した。

「もうこれからは香織たちを生き返らせるためならどんな手でも使ってやる」

メルと話をしているとジークが窟の奧までやって來てレンに聲をかけた。

『時間だ。どうするかは決めたのか?』

「あぁ、俺の手で殺す。クラスメイトも3人も國の奴らも全員殺してやる。それから一生をかけてでも香織たちを生き返らせる方法を見つけ出してみせる」

『いい答えだ』

ジークはレンの答えに深く頷くと満足したようにレンを連れて窟を出るように歩き始めた。

「どこに行ってたんだ?」

皆いるところにレン達が戻ってくると達也がレンに話しかけてきた。

「いや、ちょっと…な」

レンには本當に3人がられているのか分からないほどいつも通りな3人だったが達也が様付けするなんて確かにおかしいと思い実行することに決めた。

「3人とも、ここに軍の奴らが迫ってきている。クラスメイトの奴らも一緒だ。俺達は今からそこに行ってくるが3人はどうする?」

「レンが行くなら俺も行くぜ!」

「じゃあ私も行くよ!」

「私も行く」

レンの作戦通りに3人を連れて行くことに功した。レンはどんな手でも使うと決めたがやはり元々がただの高校生なので人殺しをするにしてもまとめて1度で済ましたかったのだ。もちろん3人がついてこないと言っていたら別々に殺らなければならなかったが、ありがたい事についてきてくれる事になった。

竜狀態のジークに乗せてもらいレンたちを追ってきた軍の前に降り立った。

「こんなところに何の用だ」

レンが聞くと恐らく軍隊の隊長であろう人が前に出てきた。

「私の名前はクレイ=アルベム、誇り高きバルトラの第二軍隊長を務めているものだ。我らの國に召喚された勇者たちがここにいることは分かっている。お前達も奴らを匿った罪で我らの國に來てもらおう」

ジークにあまり驚いていない隊長はレンたちに向かってこう言い放った。するとレンたちの後ろにいた3人がおもむろに立ち上がると軍隊の方へ歩いていった。

「ごめんなレン、俺達はこちら側の人間なんだ。俺は教祖様に歩むべき道を教えてもらったんだ。その恩に報いるためにもレンには俺達と一緒にバルトラに來てもらう」

「私もだよレン、私はレンなら分かってくれると信じてる。一緒にバルトラに行って教祖様に教えを説いてもらおう」

「ごめんレン君、私もレン君なら私達のやっている事が理解できると思う。だから私達と一緒にいこう?」

「………」

レンは分かっていたことではあったのだがやはり面と向かって言われると何も言えなくなってしまった。それと共にバルトラ國に対する殺意と憎しみが湧いてきてしまった。

「こっちこそごめんな、みんな。必ず…必ず生き返らせてみせるからしの間だけお別れだ」

レンはそう言うと握りしめていつの間にかが滲んでしまっていた手を開き達也たちの方へ開いた手を向けると痛みをじる暇も與えないほど一瞬で心臓の鼓を止める事が出來る魔法を放った。

「“絶対命令アブソリュート・ディレクション”永遠に眠れ」

レンが魔法を放った瞬間に手を向けられた達也たちは靜かに言葉を発さずに倒れていった。それは軍隊も同じでレンの命令に逆らうことも出來ずに1人また1人と倒れていった。そして、最後に立っていたのはレン、ジーク、メルの3人だけだった。

「“寶庫バンク”俺のクラスメイトの奴らだけをれておけ」

レンがそう言った瞬間クラスメイトだけが異空間へ飛ばされ、殘ったのは軍隊のみとなった。

『クロよ、儂はお前に今まで生きてきた中で最大の敬意を払おう。友を殺すのは辛かっただろう、しかしいつか必ず蘇らせてやれ。そうすれば儂がクロの友にお前がどれだけ偉大だったかを伝えてやろう』

「伝えるのは勘弁してくれ……でも、ありがとう」

『あぁ』

「クロは1人ではない、妾がおる。寂しくなって1人で悲しみを支えきれなくなったとしても妾がクロと共に支えてやる。絶対にクロを1人にはしないから安心せい」

「メルもありがとう」

『ひとまず帰って寢ろ。酷い顔をしておるぞ』

ジークにそう言われレンはジークの背中に乗せてもらい窟に帰った。

すみません、今回は暗い話でしたのでちょっと重かったかも知れません。

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