《俺、自分の能力判らないんですけど、どうしたら良いですか?》第0話〜プロローグ〜

 ーーー響く、音。

            重なる、悲鳴。

            鳴り響く、雄び。

 辺りは一面火の海だった。かつて街と呼ばれたその場所は今や化けどもが人を喰らおうと闊歩している。

「お母さん!ねぇ、おきてよ。ねぇ、ねぇねぇーーー

「やめるんだ!琥太郎、母さんは死んでしまったんだ・・・」

「いいか、よく聞け。お前は今すぐここからはなれろ。もうすぐ化けどもがの匂いに気づいてここに來るだろう。だからーーー

「やだっ!お母さん死んでないもんっ!お父さんと一緒に逃げるもん!一緒じゃなきゃやだ!」

「琥太郎!!!」

「っ!!」

「行くんだ、行けっ!」

「う、うぐっ・・・ひぐっ」

 駆け出す年。年が見えなくなるまで見屆けた父は、後ろを振り返り

「よぉ、化け

「GAAAAAAAAAAAA!」

 後ろに佇む化けにそう言ったーーーーー

 西暦2400年。突如として現れた空間の歪み"Dゲート"(distortionゲート)から湧き出る"魔"によって、未曾有の大災害が発生。人類の40%と100もの島が海へ沈んだ・・・。Dゲートからは、ipウイルス(infinitepossibiltyウイルス)が発生していたーーー

 普段人間の脳は10%ほどしか使用されていない、しかし、このipウイルスによって殘り90%が解放され、新たに特殊な力を行使する人間が現れた。"異彩いさい"持ちの誕生である。しかし、ipウイルスに耐えることが出來たのはごく一部の者のみ。多くの人が負荷に耐えきれずに死んだーーーー政府はこれをけ、Dゲートの即時封鎖と周囲10キロメートルの避難勧告を発令し、これを封印したーーーーー

 ーーーー大災害より500年、人類は政府とは別のDゲート管理組織"開拓団"主導で生活習慣、法律、価値観を徐々に変革していった。開拓団はDゲート及び、大災害に関するそのすべてを擔っている。"開拓団"は今や全世界の人々から尊敬され、憧れを向けられる夢の職業となっている。この語はそんな開拓団にることを志した語であるーーーーー

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