《俺、自分の能力判らないんですけど、どうしたら良いですか?》第五話〜向き合うこと〜
 さて、一何処に行ったんだ?こはるちゃんの母親は。まずはこはるちゃんに聞いてみるか
琥太郎「こはるちゃん、お母さんと一緒に居た場所って覚えてるかな?」
こはる「うーん、わかんない」
琥太郎「そっか、わからないか・・・。」
 おいおい、いきなり手掛かりがなくなったぞ
 取り敢えずこの子の覚えてる範囲で通った道を地道に辿るしかなさそうだな・・・
琥太郎「こはるちゃんはここに來るまでに何処を通ったか覚えてるかな?」
こはる「うん!覚えてるよ!」
琥太郎「じゃあ俺を通ったところに案してくれないかな?」
こはる「いいよ!」
 よし、早速案して貰おう。仮にここに來るまでに母親と別れたなら、今もこはるちゃんを探している可能が高い。急いだ方がいいな・・・
琥太郎「じゃあ案よろしくね?」
こはる「うん!」
琥太郎「と、いうわけだ。今からこの子の母親を探して來る。みんなは避難導をしていてくれ」
宗「ちょいと待ちぃや。単獨行はするなっていわれへんかったか?それにこはるちゃんのお母さんも避難してるかもしれへんのやろ?だったらここで避難導をするべきちゃうんか?」
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 確かに宗の言うことも一理ある。だが、こはるちゃんの母親が避難しているという確証もない。それにもし、なんらなのトラブルに巻き込まれていた場合を考えると探しに行くべきだ
琥太郎「いや、俺は探しに行く。こはるちゃんの母親がなんらかのトラブルに巻き込まれている可能もあるんだぞ?」
宗「せやけど・・・」
澪「単獨行で無ければ良いのですね?」
琥太郎・宗「「?」」
 どういう事だ?単獨行で無ければいいって?そりゃあ教は単獨行はするなって言ってたが・・・
宗「どういうことや?」
澪「文字通りの意味ですわ。宗は単獨行をさせたくない、琥太郎はこはるちゃんの母親を探しに行きたい。ならば二人て行けばいいのです!」
 なんか澪のテンションが高いな・・・
琥太郎「じゃあ誰が俺と一緒に行くんだよ。避難導は全員上手く回してるんだから離れられないんじゃ・・・あ。」
一人いた。質問責めにされて狼狽えてたやつが。
澪「そう、麗奈が琥太郎と行けばいいのです!」
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宗「それや!」
澪「本來なら皐月といって貰いたかったのですが、皐月が居ないと避難が上手くいきませんの」
 確かに皐月は人との距離をめるのが上手いからな、混する避難導には必要不可欠な存在だ。それに、麗奈ってあんま役に立ってないし
琥太郎「わかった俺は構わないが麗奈には聞いたのか?」
澪「それなら大丈夫ですわ。琥太郎が麗奈に頼めばいいのですわ」
琥太郎「それもそうか。こはるちゃんは麗奈が一緒でもいいかな?」
こはる「いいよ!れいなお姉ちゃんともっと仲良くなりたい!」
琥太郎「だ、そうだ。じゃあ麗奈に頼んでくる」
澪「はい、宜しくお願いしますね?」
琥太郎「了解。」
ーー澪ーー
 功ですわ!ふふっ、全く麗奈も恥ずかしいのか大膽なのかわかりませんね。好きっ!という気持ちはバンバン伝わってくるのですが・・・それに気づかない琥太郎も琥太郎ですね。このまま二人がいいじになったくれると一友人としては喜ばしいのですわ!
澪「ふふっ」
琥太郎「どうした?急に笑い出して?」
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澪「っ、な、なんでもありませんわ。」
ーーあ、あぶなかったですわ、顔に出てしまうなんて、私もまだまだですわね。
琥太郎「そうか。よし!それじゃ行こうか?」
こはる「うん!」
ーー琥太郎ーー
 先ずは麗奈に頼みに行かないとな。けてくれるといいんだが・・・
琥太郎「麗奈」
麗奈「何?」
琥太郎「今からこはるちゃんの母親を探しに行くんだが、麗奈も來てくれるないか?」
麗奈「ん」
琥太郎「そうか助かる。なら早速こはるちゃんに案して貰おう。宜しくこはるちゃん」
こはる「うん!まかせて!
麗奈「・・・。」
琥太郎「どうかしたのか?」
麗奈「ん、なんでもない」
こはる「がんばろうね!れいなお姉ちゃん!」
さて、人數も揃ったし、行くとするか
 それから俺たちはこはるちゃんの案の元、來た道を辿っていった。時々不鮮明な所もあったがそこはまだ子供でこんな狀況じゃ仕方ないだろ。今いるのは最初に魔が出現した公園だ
こはる「ここからよくわかんない」
琥太郎「そっか。ありがとう」
 俺には今一つの仮説がある。もしその通りだとしたらここに母親が居るはずだ
琥太郎「し休憩しようか?流石に歩き疲れちゃったよね」
こはる「うん・・・」
 元気が無いな、やはり母親がいなくて寂しいのだろう。そんな中でこの子から離れるのは心苦しいがやるべき事がある
琥太郎「しトイレに行ってくる。麗奈この子を見ててくれ」
麗奈「ん」
琥太郎「すまんが頼む」
 もちろんトイレに行く訳じゃない。こはるちゃんの母親を探すのだ、いや、母親だ・っ・た・も・の・と言うべきか。
琥太郎「あぁ、ここに居たのか、あんた・・・」
 公園の魔が出現したと思われる場所。酷く荒れていて遊などは最早原型を留めていない。そこに誰かを庇うような勢で背中から臓が溢れる程の傷を負い死んでいるの死が一つー 
 ーーーこはるちゃんの母親だろう
琥太郎「こはるちゃんなら無事に保護したよ・・・だから、せめて安らかに。」
 こはるちゃんの母親の死を木の下に橫たわせる。後で教に報告しよう。しっかりと弔って貰わなければ
琥太郎「すまん、遅れた」
こはる「いいよ!」
麗奈「ん」
 さて、俺の目的は達したがこはるちゃんにどう説明しようか。真実を伝えるにはまだすぎるだろう。仕方ないこはるちゃんには黙っていることにしよう
琥太郎「お母さん見つかった?」
こはる「ま、だだ、よ?う、ひぐっ、うう・・・
琥太郎「大丈夫。きっと見つかるからね?泣いてないで行こう!」
・・・うわぁぁぁん!!」ダッ!
琥太郎「っ!!」
麗奈「琥太郎・・・」
 しまった・・・まだこはるちゃんは6歳なんだ。どれだけ明るく振舞っても寂しいだろうに。母親と離れ離れのこの狀況で普通笑顔で居られるわけがない。くそッ!・・・そんな事もわかんねぇのか俺は!急いで追いかけないと!
 しかしどうしたもんか、こはるちゃんの母親は亡くなっているからまず母親には會えない。かと言って泣いてるこの子に母親が亡くなっている事実を話す事は酷だろう。うーん、駄目だ、何も思いつかん。仕方ない、今はこの子をめる事に専念しようそしてこの場から今すぐ離れよう。もし母親のがこはるちゃんに見つかったらマズイ
まてよ?確かその方向はさっき俺が來た方向ーーー
琥太郎「しまッーーー
こはる「お母さん?」
 心臓の凍りつく音がした。
 
こはる「お母さん?寢てるの?待ってて!今お兄ちゃんを呼んで來るから!」
こはる「お兄ちゃん!こっちに來て!お母さんがね!いたの!こっちこっち!」
琥太郎「・・・」
麗奈「?・・・行かないの?」
琥太郎「あぁ、今いくよ・・・」
 見つかっちまった、もう隠し通す事は出來ない。こはるちゃんは真実を知る事になるだろう。そうなった時俺は何をしてやれるんだ?
こはる「お兄ちゃん、ありがとう!お母さん見つかったよ!ねぇ、お母さん起こすの手伝って?」
 そう言いながらこはるちゃんはお母さんを起こそうとする
こはる「ねぇねぇ、お母さん、お兄ちゃん連れて來たよ?一緒に行こう?ねぇ、起きてよ、起きっててば〜」
 當然母親が起きる事はない。死んでいるのだから
 中々起きない自の母親を起こそうと、を揺すり始める
こはる「ねぇねぇ起きてよ〜」
 ーーーーーーーーベチャ
こはる「え?」
琥太郎「・・・」
 こはるちゃんのその小さな手には赤いが、べっとりと付いていた
 ドサリ、こはるちゃんが揺らした事により母親のがうつ伏せに倒れる
 その背中から臓が垂れ下がり赤いが周囲を染め上げる
こはる「あ、ああ、あぁぁぁぁ・・・
麗奈「ひっ」
琥太郎「・・・」
 あぁ、ついに見てしまった、見させてしまった。こんなに小さな子供に、まだいその心に
こはる「おかあ、さん?ねぇ、お母さん?ねぇ、起きてよ?一人にしないでよ!置いてかないって、寂しくさせないって言ったじゃん!噓つき!ねぇ、ねぇ、ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇーーーー」
 ーーその景は昔の自分を見ているようだった
 いや、まさしくその通りなのだろう。親父はきっとこんな風に俺を見ていたのだろうか
 今ならわかる、この子にどうさせるべきか、親父が俺の背中を押したように、今度は俺がこはるちゃんの背中を押す番だ。同じ験をしたからこそできる事を
琥太郎「こはるちゃん」
こはる「ねぇねぇねぇねぇねぇーーー
琥太郎「こはるッ!!!!」
こはる「ッ!?」
 勇気を振り絞れ。親父みたく上手く言葉は掛けられないだろう。もしかしたら伝わらないかもしれない。だけど、今言わなければ、今ここで言わなければ、この子の心が壊れてしまう
琥太郎「よく聞け」 
 親父、俺に勇気をくれーーー
琥太郎「お前の母親は死んだ」
こはる「!!」
麗奈「琥太郎」
琥太郎「黙っててくれないか」
 そう言って麗奈を睨みつける
麗奈「ひっ」
 すまない、麗奈。だけど今は邪魔をしないでくれ
琥太郎「もう一度言う、お前の母親は死んだ」
こはる「違うもん!」
琥太郎「いいや、違わない。お前の母親はsーー「違うもん!」
こはる「お母さんは!お母さんは、死んでなんかないもん!怪我してるだけだもん!まだ大丈夫だもん!だからお兄ちゃんが助けてくrーー「現実を見ろ!!」
こはる「ッ・・・」
 こんな小さな子供に何を言ってるんだろうか、俺は
だって6歳だぞ?まだ友達と遊んだり親に甘えたりする年齢だ。そんな子供に"現実を見ろ"なんて言っても分かるわけがない
 それに、今の口調もそうだ。ずっと年上の人間からこんなキツイいい方をされてるんだ、相當な負擔がこの子には今かかってるだろう
 だが、今克服させないといけない、今一歩踏み出させないといけない
 俺が両親の死という過去から立ち直れているのはもちろん周囲の人たちの助けもあるだろう。だが一番大きいのは親父があの日、俺を無理矢理にでも現実と向き合わせたからだと思う
 向き合わせる事でしっかりと死を実させ導く事でないと立ち直れないと思う。だから、例え嫌われてでも俺は心を鬼にしてこの子に現実を教える
琥太郎「お前の母親は死んだ、これは変えようのない事実だ。だがそれはお前の為なんだ」
こはる「え?」
琥太郎「俺はお前に噓を付いていた。さっきは本當はお前の母親の死を探していたんだ。その時お前の母親はどんな勢で死んでいたと思う?」
琥太郎「ーー誰かを庇うように死んでいたさ。庇うように、蹲るようにして死んでた、背中に大きな傷を負ってな」
麗奈「!」
 どうやら麗奈は気付いたらしい
琥太郎「これがどういう事か分かるか?ーーーお前の母親はお前を庇って死んだんだ」
こはる「!!」
琥太郎「"私のせいで"なんて思うなよ」
こはる「え、な、何で!お母さん、は!こはるを庇ったからしんじゃったんだよ?こはるがいなければ、こはるが・・・」
琥太郎「勘違いするなッ!!お前は母親に守られたんだ!お前の母親は、自分の命よりお前を守ることを選んだんだ!それを"私がいなければ"だと?巫山戯るな!お前は母親の分まで、生きなければいけない!母親が守ってくれた命だぞ!お前は母親に張って生きろ!」
こはる「!!!」
 困してるだろうな、當然だ。いきなり一人になって、母親が死んで、しかも自分を守る為に死んだと聞かされた。困して當然だろう。今の俺に出來るのは、この子に寄り添ってあげる事だけだ
琥太郎「いいか、今、ここで、母親に別れを告げて來い。"今までありがとう"って"守ってくれてありがとう"って伝えて來い。いいな?」
こはる「・・・うん」
 其処にはもう、泣き噦る子供はいなかった。今いるのは、母親の死を乗り越えようとする一人の勇気あるの姿が其処にあった
こはる「お母さん・・・今までありがとう、守ってくれてありがとう、お母さんのこと大好きだよ。バイバイ、お母さん」
琥太郎「よく出來ました」
 上手く伝えれただろうか、伝わってるといいな
そう思ってこはるの頭をでる
こはる「ありがとう、お兄ちゃん」
琥太郎「え?」
こはる「お兄ちゃんのおでこはる、勇気がでたよ、ありがとう」ニコッ
 あぁ、よかった。また笑顔がみられて
ーーその時、唐突に麗奈がこはるを抱きしめた。
麗奈「」ギュッ
こはる「っ!?///」
麗奈「大丈夫。私達が、一緒だよ?」ナデナデ
麗奈「安心、して?」ギュッ
 驚いた、まさか麗奈からこはるを抱きしめるなんて。てっきり子供嫌いだと思っていたんだが・・・
 それに麗奈の顔がとても優しげだ。いつかのパフェを食べた時とは違う、聖母のような慈に満ちた微笑を浮かべ、こはるちゃんを抱きしめている
こはる「うん!ありがとう、れいなお姉ちゃん!」
麗奈「ん」
 これからこはるは苦労することになるだろう。もし、そうなったらこの子を支えてあげよう。俺を支えてくれた人達のようにーーー
【書籍化】隻眼・隻腕・隻腳の魔術師~森の小屋に籠っていたら早2000年。気づけば魔神と呼ばれていた。僕はただ魔術の探求をしたいだけなのに~
---------- 書籍化決定!第1巻【10月8日(土)】発売! TOブックス公式HP他にて予約受付中です。 詳しくは作者マイページから『活動報告』をご確認下さい。 ---------- 【あらすじ】 剣術や弓術が重要視されるシルベ村に住む主人公エインズは、ただ一人魔法の可能性に心を惹かれていた。しかしシルベ村には魔法に関する豊富な知識や文化がなく、「こんな魔法があったらいいのに」と想像する毎日だった。 そんな中、シルベ村を襲撃される。その時に初めて見た敵の『魔法』は、自らの上に崩れ落ちる瓦礫の中でエインズを魅了し、心を奪った。焼野原にされたシルベ村から、隣のタス村の住民にただ一人の生き殘りとして救い出された。瓦礫から引き上げられたエインズは右腕に左腳を失い、加えて右目も失明してしまっていた。しかし身體欠陥を持ったエインズの興味関心は魔法だけだった。 タス村で2年過ごした時、村である事件が起き魔獣が跋扈する森に入ることとなった。そんな森の中でエインズの知らない魔術的要素を多く含んだ小屋を見つける。事件を無事解決し、小屋で魔術の探求を初めて2000年。魔術の探求に行き詰まり、外の世界に觸れるため森を出ると、魔神として崇められる存在になっていた。そんなことに気づかずエインズは自分の好きなままに外の世界で魔術の探求に勤しむのであった。 2021.12.22現在 月間総合ランキング2位 2021.12.24現在 月間総合ランキング1位
8 111【書籍化】幼馴染彼女のモラハラがひどいんで絶縁宣言してやった
【コミカライズ決定しました!】 一個下の幼馴染で彼女の花火は、とにかくモラハラがひどい。 毎日えげつない言葉で俺を貶し、尊厳を奪い、精神的に追い詰めてきた。 身も心もボロボロにされた俺は、ついに彼女との絶縁を宣言する。 「颯馬先輩、ほーんと使えないですよねえ。それで私の彼氏とかありえないんですけどぉ」 「わかった。じゃあもう別れよう」 「ひあっ……?」 俺の人生を我が物顔で支配していた花火もいなくなったし、これからは自由気ままに生きよう。 そう決意した途端、何もかも上手くいくようになり、気づけば俺は周囲の生徒から賞賛を浴びて、學園一の人気者になっていた。 しかも、花火とは真逆で、めちゃくちゃ性格のいい隣の席の美少女から、「ずっと好きだった」と告白されてしまった。 って花火さん、なんかボロボロみたいだけど、どうした? ※日間ランキング1位(総合)、日間・週間・月間・四半期ランキング1位(現実世界戀愛ジャンル)になれました 応援いただきありがとうございます!
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