《間違えて召喚された俺は、ただのチーターだった》勇者

アリアside

「ユウトさんーユウトさんー」

私は、今森の中にいます

なぜかって?それは私が間違えて召喚してしまった人を探すためです

「ユウトさんーいたら返事してくださいー」

カサカサ

草が揺れる音が聞こえる

「ユウトさん?」

「ガウ」

現れたのは銀狼シルバーウルフだった

「ギャーーー」

アリアは、ものすごい勢いでその場から逃げ出した

「ふぅもう追って來ないようですね」

カサカサ

また草が揺れる音がした

「ユウトさん?」

「ガウ」

「ギャーーー」

アリアは、このあと10回ほど同じことを繰り返した

「はぁはぁユウトさんーどこにいますかぁ」

さっさっ

土を蹴る音が聞こえる

「ユウトさん!」

「なんだアリアか」

「なんだじゃないですよ!」

アリアは、文句をいいながらここまで來たいきさつを話した

その剎那背後から聲が

「汝らに問う」

その怪が放つのは、まさしく《殺意》

聲を出そうとしても出すことが出來ない

気がつくとアリアは、固まっていた

「はっここは」

「もどってきたのか」

裕人が剣を向けている方を見ると殺意に溢れた怪の姿が見える

アリアは、震えながら怪に話しかける

「あ、貴方は何者ですか」

「我の名は、フェンリル  人間には、神獣フェンリル

などと言われておるがな」

「フェンリル..あ、あり得ません!

た、たとえフェンリルだとして何でこんなところにいるんですか!」

「言ったであろう我は、勇者を殺すためにここへ來たのだ」

「ゆ、ゆ、勇者!?」

アリアには、聞き覚えがある単語が耳に

「わ、私は、勇者なんてし、知りませんよ!?」

その言葉に裕人は、呆れている

「だいたいまだ勇者の存在は、明かされていないのですから知っている訳がありません!」

(フッフッフ、ハッキリと言うことができましたよ

どうですかユウトさん!)

アリアがそう思っていると頭に衝撃が伝う

「痛いですよ!なんなんですか!」

「お前のせいで完全にバレたんだよ」

「何をですか!」

「俺達が勇者の事を知っている事をだよ!」

「あっ」

アリアは、自分の発言に気がつき慌てる

「茶番は、もうよいか?」

(このままだと確実に殺される!なら!)

アリアは、覚悟を決める

「アースブレイク!」

「!?」

裕人が何かを言っているが気にせず魔法を唱える

「ウォータースピア!ファイアトルネード!」

アリアは、し橫を向くと裕人も戦っている事に気がつく

「...」

「!?」

もといフェンリルが何かを裕人に言った剎那

フェンリルが爪で裕人を切り裂く

「ユウトさん!」

アリアは、すぐに裕人のもとへ駆けつける

「ユウトさん!ユウトさん!」

返事がない

「ユウトさん!死なないで!」

裕人のに包まれ消えてなくなった

「やはり異世界の勇者だったか」

異世界の人間が死ぬとの粒子となって消えて行く

それは、もともとこの世界にいない人間がいたという

事実をなくし辻褄を會わせるということとして伝えられている

「違う ..」

「なに?」

「ユウトさんは...ユウトさんは勇者なんかじゃありません!」

「では、なんだというのだ」

「ユウトさんは、私が間違えて召喚してしまった ただの一般人です!」

「異世界の人間というだけで我々からしたら恐怖なのだよ」

「!?」

アリアは、フェンリルが爪を振りかざすのが見えた

「ほぅ 今のを避けるとはな」

「はぁはぁ」

「だがこれで終いにしてやるよ!」

アリアは、死を覚悟した

(ごめんなさいユウトさん..)

フェンリルが再度爪を振りかざす

「《反リフレクション》」

フェンリルの攻撃は、跳ね返された

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