《努力を極めた最強はボッチだから転生して一から人生をやり直す》素振り

オレが魔を屠った後、々とあったが、全ては落著した。

それもこれも全て父の貢獻だそうだ。

大怪我を負ったにも関わらず、不安を抱える人々に危機が去った事を伝えたりと、街中を駆け巡ったらしい。

とは言え、あの後、森から新たな魔が現れる事はなかった。街人達も、”ガンズ・ウルフ”が倒れてから歓喜していた。

おそらく、森に潛んでいた魔王級の強さを持った魔が立ち去ったので、喜んでいたのだろうな。

それはさておき、父は無理のしすぎで寢込んでしまったが、全ては丸く収まった。

そう。問題なく終わった。

オレが放った魔法が『神の雷』などと嫌なネーミングを付けられたが、問題なく終わったのだ。

それから、數日が経った。

「イっくん!つぎ!つぎはどうやるのっ!?」

今日も、今日とて、サリアはオレの部屋に來ていた。

「ふむ。オレの流した魔力をじ取ってみるのだ」

サリアはオレの魔法に憧れを抱いたのか、それとも、影響をけたのかは分からないが、やけに熱心になって魔法の勉強をオレに教わりに來るようになった。

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初めの頃は、オレと遊ぶのを口実に兄マリアスと會うのが目的だった筈なのだが…ふむ。これが心変わりと言うものか。

オレの教える魔法が飽きられないようにしなければな。

「あっ!なにかある!これが、マリョク…?」

「ふむ。そう思うのならば、それで間違いないだろう。では、オレに魔力を流し返してみるといい」

「わかった!」

そう言って、サリアはオレの手を力強く握って、「うーーんっ!」と唸り始めた。

また力りきんでいるようだ。だが、ほんのり僅かな魔力がオレに流れ込んで來るのがじ取れた。

その方がやり易いのだろうか?

ふむ。一応、覚えておく事にしよう。

「ふむ。もう良いぞ。では、魔法を教えてやろう」

「やったー!」

歓喜してぴょんぴょんと部屋を飛び回るサリア。

ふむ。そこまで嬉しいのか。だが、サリアはし勘違いをしているようだな。

魔法とは座學なのだが…まぁ、良い。

「サリアよ。魔法とは何か知っているか?」

「うーん……わかんない!」

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ふむ。潔いな。

「魔法とは、事の事象を変化させる力の事だ」

「じしょう?」

ふむ。やはり子供には難しいか。

だが、その方が教え甲斐があると言うものだ。

「ふむ。出來事と言う意味だ。例えば、を落とせばどうなる?」

オレは近くに置いてある本を手に取る。

「おちるー!」

サリアの言う通り、オレの手から離れた本は床に落ちた。

「ならば、落ちる前に魔法を使えばどうなる?」

「わかんない!」

ふむ。即答だな。

だが、それが答えでもある。

オレは落ちた本を再度手に取る勢いに任せて宙へと放り投げる。

「こうなるのだ」

オレが宙で舞う本に指先を向けると、本は宙で止まった。

これこそが、魔法の原點。

魔力だけを使った魔法ーー《力》。

手で本を持つように、本に纏わせた魔力で本を持つだけの簡単なものだ。

指先を左右にかせば、本も指先に沿って一緒にかせることが出來る。

手が足りない時などに便利な魔法だ。

「すごーいっ!ういてる!ういてるよ!イっくん!」

キャッキャッとサリアは宙でき回る本を捕まえようと追いかけている。

ふむ。厳には、浮いてるわけではないのだがな…。

まぁ、サリアが楽しそうにしているから、指摘しないでおくか。

ある程度、本をかしてからサリアに捕まえさせて、話を続ける。

「魔法とは、こう言うものだ。既に決まっている結末を書き換えるのが、魔法だ」

「もっかい!もう一回やって!」

ふむ。聴いていないな。

「サリアよ。魔法を知りたかったのではないのか?」

「あっ…」

サリアが申し訳なさそうな表を浮かべてウルウルと潤ませた瞳で上目遣いしてオレの顔を覗き込んでくる。

ふむ。この瞳はズルいな。

「別に怒ってはいない。心配するな」

「うん…分かった!」

切り替えが早くて何よりだ。

「さて、話の続きだが…」

ふむ。どこから話したものか。

…そうだな…話をしても意味がないと分かったからには、実際に使わせて覚えさせるのが手っ取り早いだろうな。

本當ならば、魔法の原點を始めとし、魔法によっておきる現象や天的魔力構造まで教えたかったのだが…仕方ない。

「ふむ。サリアよ。魔法を使ってみたいか?」

「うん!サリアもマホウ使いたい!カッコいいのバーンッてイっくんみたいにやりたい!」

あれはし難しいぞ。

それに、魔力の消費も激しい。

サリアにオススメはできないが…。まぁ、使いたいと言うならば教えてやろう。

「ふむ。では、まずは魔力総量を増やす事からだな」

「はーい!」

〜〜〜

魔法の行使に必要な事がある。

第一に魔力だ。

魔力がなければ、道を介してしか魔法を発させる事ができない。

第二に力だ。

魔法を発させる際に掛かる負荷に耐え得るためのが必要だ。

より大きな魔法を使いたければ、より多くの強さが必要となる。

第三に神だ。

魔法とは、世界の理に介することに他ならない。その為、反でやってくる多大な報量に耐える事のできる強い神力が必要となる。

「ここまでは分かったか?」

「全部分かんない!」

「そうか…」

サリアの特訓を開始してから早三年。

災害級とやらの最弱魔から生きて帰れる程までしかサリアを長させられなかった。

三年もあれば、力と神力を無しにしても、災害級よりも強大な…そう、魔王と対等に戦える程まで強くなれると言うのに、そこまで屆かなかった。

なぜそこまで長しなかったと言う理由を挙げるならば、圧倒的にサリアの覚えが悪いのと、理解力に乏しい事が問題だからだ。

「ならば、実際に行って覚えるしかないか…」

しかし、オレのしてる特訓は、に後癥が殘る可能がある。萬が一と言う事もあるので、そう簡単には教えれる事ではない。

「…そうだな。今日からは魔力だけではなく、力と神力も鍛える事にしよう」

「はーい!」

ふむ。相変わらず元気な返事だ。

「そうと決まれば早速行だ。父と兄が晝まで稽古しているので、それに混ぜてもらおうとしよう」

「分かったー!」

そう言って、サリアはスタタタタッと走って行ってしまった。

が早いのは良い事だが、まだ説明が終わっていないのに先走るのは悪い事だ。

まぁ、いつもの事だがな。

取り敢えず、遅れてオレも部屋を退出して、サリアの後を追うように庭へと向かう。

「おぉ!そうか!なら、イクスもここに來るんだな!」

庭の扉を開こうと思ったら、父の大きな聲が聞こえてきた。

の傷は完全に癒えてないのに、元気な父だ。

「うん!稽古に混ぜてもらうって言ってたよ!」

「それは良い心がけだ!共に汗を流そうじゃないか!ハッハッハッ!」

ふむ。豪快な笑いだな。

兎に角、オレが庭に行かなければ何も始まらない。

「おぉ!ようやく來たか!イクス!!」

庭にると同時に、オレの存在にいち早く気が付いた父が聲を掛けてきた。

「ふむ。父よ。サリアと共に稽古に混ぜてもらえないか?」

「おう!その言葉を待ってたぜ!」

本當に元気だな。父よ。

そして、兄よ。

どうして座っている。

素振りしてたのではないのか?

「ん?どこ見てるんだ、イクス」

父がオレの視線に気が付いて振り返って兄マリアスを見る。

だが、その時には既に兄は素振りを再開させていた。

どうやら、父の目を盜んで休んでいたようだ。

「ふむ。なんでもない」

「そうか!そうか!」

ガッハッハッと豪快な笑いをする父。

怪我は大丈夫なのかと心配に思えてくる。

なんだったら、魔法で治してやらない事もないが、オレが魔法を使う事はサリアを除けば誰も知らない事だ。

黙っておいた方が得策か…。

前回の兄のようになったら面倒だしな。

それから、オレ達は父と兄に混ざって素振りをしていた。……のだが、父はオレのきを何度もチラチラと見て首を傾げるばかり。

兄は半分見惚れてると言っても過言ではない程に凝視してくる始末だ。

どうしてだ?

オレの素振りがおかしかったのか?

ふむ。何も言われないから続けても構わないだろう。

一時間。みっちりと素振りをして、サリアがバテ始めた頃に小休憩にると、遂に痺れを切らした父が尋ねてきた。

「イクス。その、お前、剣を振った事ってあったか…?」

ふむ。

あるにはあるが、前世の話だ。

今世では一度も剣をったことがない。

などとは混を避ける為には言わない方が良いのだろうな。

「ないぞ」

「………」

む?なぜそこで困った顔を浮かべるのだ。

言いたい事があれば、ハッキリと言えば良い。言わなければ分からぬではないか。

「父さんが言いたい事はね、イクスの素振りが余りにも綺麗すぎるって事だよ。もう4年も素振りを続けてる僕が言うんだから、間違いないよ」

ふむ。4年か。

「兄よ」

「なんだい?」

「歳は幾つだ?」

「え…14歳だけど…」

ふむ。兄まで困らせてしまったか。

それは済まない事をした。

それにしても、4年もの月日を素振りだけに注ぐとは…これいかに。

と対峙し、死と隣り合わせの時を過ごした方が強くなれると言うのに…。もしや、強くなるのが目的ではないのか?

では、何の為の素振りだ?

やはり、力作りなのか?

だが、やはり…。

「…ィ…ス。イクス。イクス!」

「ふむ。なんだ?」

済まない。考え事をしていて聞いてなかった。

「僕の歳は兎も角、イクス。父さんも怒らないって言ってるし、正直に答えてね。…イクスはさ、どこかで剣を習ったとか、った事あるの?」

「む。心外だな。ないと言ったではないか」

今世では、一度足りとも剣にれてはいないぞ。真実だ。

「ならどうし…」

兄が何かを察したようだ。

おおよそ、オレがいつも言ってる言い訳を思い出したのだろう。

まぁ、今回もそれを使うがな。

「ふむ。本で読んだのだ」

「はぁ…」

兄よ。溜息は吐くものではないぞ。

オレの時代では、溜息は不幸の象徴とまで言われていたのだからな。

「イっくん、凄いの?」

「あぁ…ああ!イクスは凄い奴だ!天才だ!本で読んだだけなのに達人の域を超えてやがる!ホントに凄い奴だっ!チクショウ!!」

父よ。自暴自棄になるのは良いが、大の大人が泣くものではないぞ。

何がそんなに悔しかったんだ?

ふむ。分からんな。

しかし、これぐらいで達人とは…。達人の域はこれほどまでに近かったのか?

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