《努力を極めた最強はボッチだから転生して一から人生をやり直す》ふむ。第二試験だな。

「二次試験を始めます。學希者は順番に並んで下さい。それ以外の方は、被害が及ぶ可能があるので離れていて下さい」

晝飯を済ませ、食後の休憩を取り、晝過ぎのチャイムが鳴り終えた後に始まった二次試験。

場所は、闘技場の東にある無駄に広い運場だ。外壁付近である東の區畫の殆どが運場に使用されているようで、かなりの広さがある。

を目視で探そうにも、遠くに豆粒でしか見えぬ程だ。

しかし、やはりと言うべきか、無能には辛い試験だな。

事前に仕れていた報通り、試験をける者が立つ位置から10m程離れた場所に、不規則に的が立てられている。

魔力が僅かに込められている事から、その的は強化されているのだろう。

そこから判斷するに、一つは確実に壊せるだろう。

後は、魔法に指向を持たせて、他の的も巻き込んで破壊するのだが…どうやって破壊するか…。

今ならば軽い魔法を一発は放てるだろうが…。

オレの順番が回ってくるまで々と対策を考えながら、試験をける者達を観察する。

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の者は、的の一つも破壊出來ずに終えている。出來たとしても、十発もの魔法を放って、ようやく的を一つ破壊するぐらいだ。

たまに、一発で的一つを破壊する者もいるが、それは10人に1人、居るか居ないか程だ。

そんな風に観察していると、遂にサリアが呼ばれた。

「次。ランディス出のサリアさん」

サリアの名が呼ばれると、周囲の者達がザワついた。

何やら「怪」やら「怪力」などと言われているようだ。

ふむ。何をしたのだ?

「はーい!」

だが、サリアは気にしてないようで、ばした手をブンブンと振りながら小走りで試験の元まで向かった。

「初めに説明した通り、魔法を放って良いのは十発までです。それで、あそこに設置されている的を出來るだけ多く破壊して下さい」

「うん?わかったー!」

試験が手短に説明をしたが、サリアが本當に理解しているかは微妙な所だな。

だが、行に移るのは相変わらず素早かった。

片手を的の中央辺りに向け、「うーーんっ」と力む。

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すると、的の中心地辺りに人一人分がれそうな真っ赤に煮え滾る炎の球が現れた。

炎の球はグングンとんで行き、遂には拳大程の大きさになる。

「《エクスプロード》っ!」

サリアが魔法名をぶと同時に、拳大程の炎の球は一瞬で極小までみーー発した。

的だけではなく周囲の地面も巻き込んでの大発。轟ッと大気を激しく揺らし、地震が起きたのかと勘違いしてしまう程の地揺れが起きる。

これは、オレが教えた中でも上位に與する程の威力と範囲を誇る炎魔法の一種。サリアが一番得意とする裂魔法だ。

ちなみに、《エクスプロージョン》と言う名の魔法があるが、《エクスプロード》はそれよりも上位の魔法だ。

砂煙などは大部分が風によって上空へと逃がされたが、それでも尚、モクモクと煙が舞い上がる。

これこそが、《エクスプロード》の真髄。

によって高濃度にまで溜め込まれた熱の圧力を一気に解放してやる事によって、超絶な発を起こす。

それだけではなく、周囲に空気の壁を作ってやる事によって発の威力を一定に留め、破壊力と殲滅力を劇的に高める。

もしも、この攻撃を耐え抜き、生き殘ったとしても、後に殘り続ける煙と化學反応で生まれた毒素によって息は続かず、仮に息をしても、毒素がを蝕み、數時間で死に至る。

そして、これはオレのオリジナル魔法だ。

誰もが呆然と、空いた口が閉じられなと言った狀態になっている。

一早く我に返ったのは試験であった。

ハッと我に返えると、ズレた眼鏡を元に直しながら風魔法を使って煙を散らした。

良い判斷である。

後に殘る筈であった毒素を逃すには、最善と言えるだろう。

そして、ようやくわとなる心地。

もはや的のあった形跡など何処にもなく、縦に深いクレーターが出來上がっていた。

まるで、深い落としだ。

的は全て綺麗さっぱり木っ端微塵に吹き飛び、跡形も殘っていない。

的があった場所は、と化している。

深さは大5mとしぐらいだろう。

非力な者が落ちれば上がってこれなさそうだ。

「ふむ。サリアよ。これでは後片付けが大変だろう。を埋めておくといい」

「うんっ!…《アースクリエイト》っ!」

暫し、どうやってを埋めようか悩んだようだが、土を生み出す事によってを埋めた。

し盛り上がっているが、踏み固めればーー。

「《グラビティ・ゾーン》っ!」

ふむ。生み出した土を無屬魔法によって上からの魔力の塊で押し固めたみたいだ。

良い考えだ。

だが、まだ甘い。範囲指定が上手く出來てないようで、関係のない周囲の土も一緒に地に減り込んでいる。

その場だけ一段下がってしまっているのではないか。

「噓でしょ…上級火魔法だけでなく、伽噺に出てくる神話の創魔法に重力魔法って…」

誰かの呟きが聴こえると同時に、ザワザワと周囲が騒がしくなった。

話を聞く限りだと、どうやらサリアが使った魔法が珍しかったらしい。

だが…し練習すれば使えるぐらいだと思うのだが?

オレのように無能ではない限り、簡単に行使できる魔法ばかりだ。

それと間違いの訂正だ。火魔法ではない。裂魔法だ。そして、生魔法ではなく土魔法。重力魔法ではなく無屬魔法だ。

似通っているが、本質は全く違うのでな。

まぁ、指摘してやるつもりはないが。

「こ、これ程とは…一次試験の結果を聴いて薄々と予測はしてましたが…魔法までとは…」

試験は鳩が豆鉄砲を食ったような表で唖然と目の前の景を見続けている。

これでは順が進まぬな。

「ふむ。的が無くなったのであればサリアの順は終わったのだろう?次を呼んではどうだ?」

「ハッ…そ、そうですね。それでは次の方…ランディス出のイクスさん」

「ふむ。オレだな」

どう言う順番なのか分からぬが、サリアの次がオレなのだな。

サリアと場所をれ替わるように、オレが前へと出ると、試験は慌てたような口振りでまくし立ててきた。

「す、し待ってて下さいね。すぐに的の準備をするので」

そう言って、試験し離れた場所で待機する者達へと指で指示を出し、僅か數分で的の設置を済ませた。

「初めに説明した通り、魔法を放って良いのは十発までです。それで、あそこに設置されている的を出來るだけ多く破壊して下さい。それでは、始めて下さい」

ふむ。今まで考えに考え抜いた案を行使する時が來たな。

「では、行くぞ」

手の平を的…ではなく、空へと向ける。

「《ファイアーボール》」

そして、僅かに回復した魔力を全て込めて、手の平に現れた火球を空へと撃ち放つ。

「どこに向かって打ってんだアイツ?バカだろ?」

「何だよ。偉そうに出てきた癖に、ただのファイアーボールかよ」

「前のサリアちゃんって娘と比べたら、見劣りしちゃうよね」

後方から々と良いように言われているが、特と見よ。これが《ファイアーボール》の真髄だ。

込めた魔力は、他の者達が撃っていた魔法の一割にも満たない。ただ脆弱な、それでいて、工夫を凝らした《ファイアーボール》だ。

指向を持たせる事によって威力は大幅に変化する事を思い知れ。

《ファイアーボール》は消えずに空へと永遠に飛んで行き、遂に見えなくなってしまった。

だが、ここからが本番だ。

「墮ちろ《ファイアー・インパクト》」

これは、魔法ではない。

《ファイアーボール》に仕掛けておいた、指向と言うものだ。

オレが手を振り翳せば、先程放った炎が球が周囲の大気を取り込み、轟々と、より火炎を大きくしながら勢いを増しつつ落下してくる。

そして、的…いや、し照準がズレたようで、地面に著弾した。それと同時に、大気が割れるかのような音を響かせて真っ赤なドームを作り上げた。

おそらくドームの中は灼熱の業火によって全てのが燃やし盡くされているだろう。

だが、後方に控える者達や、試験などには被害は及んでいない。

10m離れているオレに対しても被害はない。多、飛び石によって頬を切ったぐらいだ。

…熱もあるな。

しかし、あくまで、的だけを標的にしたので、じんわりとした熱しか漂って來ない。

魔法の効果が切れると同時にドームが消えると、そこに見えたのは、溶けてガラス狀となった地面と、一番端の的が一つ。

「ふむ。やはり、これは照準を付けにくいな」

高高度からの圧指定撃。

魔法が途中で切れぬように調節するのも大切だが、発の範囲を事前に決めておき、的がある範囲にだけ照準を絞るのが一番困難であり、重要だ。

自然の力によって威力が何倍にも膨れ上がる超火力を主とした魔法。

しかし、僅か數ミリでもズレてしまえば、今のように的が一つだけが殘ったりしてしまう。

殲滅は高いが、有用に欠ける応用魔法だ。

だがしかし…やはり、的が一つ殘ったのは心殘りだ。あと一発放てる魔力さえ殘っていれば、全て壊せたのだがな…。

…ふむ。今更言っても仕方ないか。

やりようはあるが、周囲の魔力を吸収したとしても、地を枯らし、大気を枯らし、人々を魔力不足に陥らせてしまうだけで、ただ混を巻き起こすのは目に見えているのでな。

「試験よ。オレにはもう魔力が殘っていないので、これで終わりだ」

「は、はい……聞きたい事が山程ありますので、また後で聴かせて下さいね」

困ったような苦笑いを浮かべて言われた。

ふむ。何を聴きたいのか分からぬ所だが、後で良いと言っているのであれば後にしよう。

地を化させたままでは先に進むのに時間が掛かるだろうし…ふむ、サリアの出番だな。

「ふむ。サリアよ。地を慣らしておいてくれ。オレは魔力切れだ」

「分かったー!」

サリアは返事すると同時に、裂魔法によって殘る的も一緒に消し飛ばしてから、先程同様に土を生み出し、押し固め、地を元通りにした。

慣れたのか、先程よりも上手くなっているようだ。

さすがだな。

周りの者は唖然としていたがな。

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