《努力を極めた最強はボッチだから転生して一から人生をやり直す》ふむ。試験結果はどうなったのだ?
「やっぱり、アイツ…左腕がいてねぇな」
第二試験を終えた後の休み時間。
教師に話を聞き終えてから、俺はすぐにイクス達の後を追い、からコッソリとイクス達の向を探る事にして數分。
俺は、アイツの弱點の一つに気が付いた。
いや、弱點と言えるかは微妙な點だが、アイツの左腕は全くいてない。
歩く際に腕を振る素振りはするが、肩から先が全くいていない。
それは、戦闘においては命取りとも言える狀態だ。
なのに、イクスのきは全くブレる気配はない。
ただ普通に嬢ちゃんと肩を並べて歩いているだけで、子供同士が仲良さげに歩いているように見えるのに、イクスだけは一挙手一投足の全てに隙がなかった。
隣の嬢ちゃんの方がまだまだ優しくじられる程だ。
もし、攻撃を仕掛けようと思っても安易に手を出せない雰囲気がビシビシ伝わってくる。
そんな事をすれば逆に返り討ちに遭うってのが、長年の勘で分かるんだよ。
そんなけの実力差がアイツと俺にはあって、戦ってもないのに思い知らされるっつーのは、やっぱり嫌な気分だな。
Advertisement
「にしても、よく食べるなぁ」
お前らの胃袋は底なしかっ!ってツッコミをれたくなる程に食べるている。
もしかして晝飯を食ってないのか?
今日の學食は無料で食べれる筈だったが?
それは兎も角、食べている最中でもイクスは全く隙がないな。
嬢ちゃんは隙だらけなのが、その差を知らしめている。
おそらく俺がコッソリと付けているのもイクスには既にバレているのだろう。だが、アイツは俺を無視しているようだし、このまま付けさせてもらおう。
それから十數分。
イクス達の行は至って終始普通だった。
子供らしく興味が惹かれた方へと歩いて行き、無くなる気配のない金を惜しまず使って買い食いをしていた。
特に、何かの特訓をしているようにも見えないし、最終試験の試験會場を探している素振りすらない。
ただ、メッチャ食ってる。
食ってない時が珍しい程に、常に何かを口にれている。
それでも、イクスの左腕は今の今まで一度もいていない。
にも関わらず、偶然アイツ等に絡んだ憐れな冒険者は片手間に投げ飛ばされて地に這い蹲らされているし、偶然飛んで來た石は叩き落とされているし、偶然暴れ出した馬を睨み付けただけで泡を吹かせて倒れさせた。
Advertisement
まぁ、全て仕掛けたのは俺だけど。
向こうも気が付いているみたいで、何度か繰り返したら『次やったら殺す』と伝えるような目で睨まれた。
睨まれただけでしチビったのは緒な?
いや、マジで。
死神の鎌が首にれたような悪寒がしたんだよ…。
それからは、ただ見ているだけだったけど、なんだか、凄いコンビだな。
何が凄いって、イクスは周りに無頓著すぎる。
んで、嬢ちゃんは、周囲に優しすぎんだ。
困っている人が居れば、イクスは無視する。けど、嬢ちゃんは助けに向かう訳よ。
大抵は嬢ちゃんが一人で何とかするんだが、それでもダメならイクスに助けを求める。んで、イクスはそれらを容易くあっという間に解決する。
それが、どんな事であってもな。
例えば、足をくじいた子が泣いていると、嬢ちゃんが真っ先に助けに向かう。それから、イクスに頼み、イクスは回復魔法でその子の傷を治す。
魔力が空な癖に魔法を使うって…。
それから、失くしに困っているオバちゃんが居て、嬢ちゃんは真っ先に助けに向かう。そして、容を聞いてからイクスに頼み、またもや一瞬で見つける。
まるで、失くしたがある場所を初めから知ってたかのようにな…。
もう、イクスって存在自が訳が分からなくなっちまったぜ。
ハッキリ言ってしまうと、理解するのを諦めた。
次元が違いすぎるんだ。
イクスにできない事はないんじゃないかって程に、なんでも出來て、なんだって學院に學しようと思ってるのか気になる程だ。
それでも観察を続けていると、いつの間にか追尾者が一人増えていた。
金髪縦ロールのだ。
學院では見掛けない髪型だし、學院の生徒ではないだろうな。
この時期に學院に來る私服姿の子供など學希者の他に居ないので、おそらく學希者の一人だな。
ソイツは、からイクス達を見ながら、そわそわと落ち著きなさそうにしている。
まるで、話し掛けたいが話しかけ辛いって言う狀態だな。
ちょっとばかし、手を貸してやるか。
「なぁ、嬢ちゃーー」
至って普通に。何も悪意などなく、呼び掛けながら肩に手を置こうとしただけだ。
なのに、気が付けば俺は空を見上げていた。
「あら、すみませんですわ。背後から近付くから、反的に投げてしまいましたわ」
……投げた?
いやいや、俺と嬢ちゃんの格差を考えろよ。
長なんて俺の半分程じゃねぇかよ。
でも、現に俺は地面に転がってるし…イクスがアホな冒険者を倒すのに使ってた技に似てるし…。
マジで訳が分からねぇ…。
「あ…ああ…」
でも、投げられたのに不思議と痛みもなく立つ事が出來た。
地面に叩き付けられたって言うじじゃなかったしな。おそらく、投げると同時に、地面に置いたのだろうな。
その方が凄い技量だと思うが。
「あら、貴方。何があったのかしら?ボロボロですわね。回復して差し上げますわ」
そう言うや否や、中級魔法の《ハイヒール》を使って俺を治してくれた。
外傷はなく、アイツにもある程度は治療してもらったし、普通は見ただけじゃ分からない筈なんだが…見ただけで傷まで見極めるなんて恐れるぜ。
イクスもあの嬢ちゃんもそうだが、コイツ等って、どんな鍛え方をしてんだ?
將來は間違いなく化けになるぞ…。
「で、私に何か用かしら?」
おっと、そうだったな。
「お前、イクスか嬢ちゃんの知り合いか?さっきからアイツ等に話し掛けようとしてたみたいだけど?」
「えっ、あ、その…知り合いと言うか…顔を合わせた事があるだけと言うか…ですわ…」
さっきまでの威勢はどこ行った。
つか、それは知り合いですら無いだろ。顔合わせた事があるだけで跡を付けるか、普通?
「それじゃ、なんだって尾行してたんだ?」
単なる疑問だ。
俺もしてるしな。
特にやましい事がなければ答えれるだろう。
そう思ってたんだが…。
「そ、それは……し、失禮しますわぁ!!」
突然挙不審になったかと思えば、兎の如く俺の前から逃げて行った。
「ちょっ!おいっ!」
とは言ったものの、余りにも速すぎて追い掛ける気すら覚えない。
あの歳で、そののこなし…。今年は化け揃いだな…。
教師をする立場である俺が言うのもおかしな話だが…もう、學院に通う必要なくね?
……って、なっ!?
イクス達を見失しなっちまったじゃねぇかよ!!
ーーー
試験を終えて3日が経った。
今日は、試験結果が発表される日であり、落第者と學者が判明する日である。
しばかり張していると言っても過言ではない。
なにせ、オレは第一試験をけ損ねているのだからな。心配でないはずがない。
だからこそ、心のケアは必要不可欠だ。
「いつ見てもしいな」
「そ、そうかなぁ?えへへ〜」
ふむ。サリアに言った訳ではないのだがな?
まぁ良い。
照れているサリアは放って置いて、オレは目の前に聳え立つ時計塔を見上げる。
前世でオレが丹込めて手掛けた最高にしい時計塔だ。特に飾りがあるわけではない。言ってしまえば無骨だ。
だが、それがまた良い。
秒針がく度に長針が僅かにき、時を刻む。
外には音が聞こえないようにしているが、中は大量の歯車が廻る音が響き渡り、それがまた心地良いのだ。
とは言え、これを作った経緯はーー。
「この時計塔は、ありとあらゆる知識を人々に教えてくれた偉大なるループ様が『時間は無限ではない。有限である』って人々に伝える為に建ててくれた由緒ある時計塔よ」
「ふむ。久しいなミーネ…と、リリル」
懐かしい聲が聞こえて振り返ってみれば、いつしか神殺しの塔…ではなく、神の塔がある”カルンカーレ”で世話になった二人が立っていた。
【気配察知】を弱めていたとは言え、オレに気配を気取らせないように背後に近付くとは…たった四年ばかりで長したな。
余程の努力を積んだのだろう。
良い心意気だ。
「ん。旦那様。結婚」
「ふむ。まだ早いな」
「早くない。15歳は大人」
「…そうなのか?」
オレが生きてきた時代では、20を超えてようやく大人と認められていたのだが?
「なんで私に振るのよ。…まぁ良いわ。リリルの言う通り、15歳から大人で間違いないわ。常識よ?」
文句を言う割には教えてくれるのだな。
それにしても、15歳から大人が常識なのか。やはり、時代が変われば常識も変わるのだな。
「ふむ。覚えておこう」
「結婚。婿り?嫁り?子供は何人?家は小さいのが良い」
リリルよ。前と比べて、隨分と押しが強くなったな…。
「む…むぅ…。ふむ…」
グイグイと來るその迫力に、このオレが一歩後退ってしまったぞ。
「ま、また今度だ」
「今度。いつ?いつ結婚?いつ子供作る?」
「………この學院を卒業出來ればな」
「分かった。約束。絶対」
「むっ…」
知恵を振り絞って出した答えで、逃げ場を失ってしまったぞ…。
なぜ、こうも結婚を迫るのだ…。オレなぞよりも良い人間は探せば山程居るだろうに。
「で、そこで凄い睨んでる子は誰なの?」
ミーネがオレの背後を指差して聞いてきたので、振り返ってみれば、サリアが「ムーッ」と頬を膨らませてオレを睨み付けていた。
なぜだ?
「ふむ。サリアよーー」
「イっくんはサリアのっ!」
リリルとミーネを紹介しようとした瞬間、サリアがオレの左腕にしがみついて、二人を睨み付け始めた。
「キシャーッ」と貓のような威嚇までしてる程だ。
しかし、一つ聞きたい。
「…?」
いつからオレは『』になったのだ?
「違う。旦那様は、私の」
反対側の腕にリリルがしがみついてきた。
「ふむ。とはーー」
「イっくんはサリアのっ!」
「私の旦那様」
ふむ。なぜオレを挾んで睨み合うのだ?
二人の視線がオレの前でぶつかり合い、火花を散らしている幻覚が見えるぞ。
サリアには良き友になると思っていたのだが、顔を合わせただけでこれとは…々予想外だったな。
「貴方、筋金りの鈍ね」
「ふむ。そんな事はないと思うぞ?」
痛みの方であれば、左腕は何もじないが問題はない。
沙汰の方であれば、経験はないが、誰が誰を好きだと言うぐらいは把握出來ているつもりだ。
現に、サリアは未だにオレの兄へと心を寄せているのだ。
「どの口が言うのよ…」
ふむ。ミーネに呆れられてしまったぞ。
なぜだ?
余計に分からぬ。
[書籍化]最低ランクの冒険者、勇者少女を育てる 〜俺って數合わせのおっさんじゃなかったか?〜【舊題】おい勇者、さっさと俺を解雇しろ!
ホビージャパン様より書籍化することになりました。 書籍化作業にあたりタイトルを変更することになりました。 3月1日にhj文庫より発売されます。 —————— 「俺は冒険者なんてさっさと辭めたいんだ。最初の約束どおり、俺は辭めるぞ」 「そんなこと言わないでください。後少し……後少しだけで良いですから、お願いします! 私たちを捨てないでください!」 「人聞きの悪いこと言ってんじゃねえよ! 俺は辭めるからな!」 「……でも実際のところ、チームリーダーの許可がないと抜けられませんよね? 絶対に許可なんてしませんから」 「くそっ! さっさと俺を解雇しろ! このクソ勇者!」 今より少し先の未來。エネルギー資源の枯渇をどうにかしようとある実験をしていた國があった。 だがその実験は失敗し、だがある意味では成功した。當初の目的どおり新たなエネルギーを見つけることに成功したのだ──望んだ形ではなかったが。 実験の失敗の結果、地球は異世界と繋がった。 異世界と繋がったことで魔力というエネルギーと出會うことができたが、代わりにその異世界と繋がった場所からモンスターと呼ばれる化け物達が地球側へと侵攻し始めた。 それを食い止めるべく魔力を扱う才に目覚めた冒険者。主人公はそんな冒険者の一人であるが、冒険者の中でも最低位の才能しかないと判斷された者の一人だった。 そんな主人公が、冒険者を育てるための學校に通う少女達と同じチームを組むこととなり、嫌々ながらも協力していく。そんな物語。
8 59Skill・Chain Online 《スキル・チェイン オンライン》
Skill Chain Online(スキルチェイン・オンライン)『世界初のVRMMORPG遂に登場』 2123年、FD(フルダイブ)を可能にするVRギアが開発されてからニ年。 物語の様な世界に期待し、いつか來ると思い続けてきた日本のゲーマー達は、そのニュースを見た瞬間に震撼した。 主人公・テルもその一人だった。 さらにそこから、ゲリラで開催された僅か千人であるβテストの募集を、瞬殺されながらもなんとかその資格を勝ち取ったテルは、早速テスターとしてゲームに參加し、すぐにその魅力にはまってしまう。 體験したSCOの世界はあまりにも、今までの『殘念ソフト』と言われていたVRゲームと比べて、全てにおいて一線を害していたのだ。 來る日も來る日もβテスターとしてSCOの世界にログインする。 SCOの正式オープンを向かえていよいよゲームが始まるその日。SCO専用の付屬部品を頭のVRギアに取り付けて仮想世界へとログインした。 ログインしてすぐ、始まりの街で言い渡されるデスゲーム開始の合図。 SCOを購入する際についてきた付屬部品は解除不可能の小型爆弾だったのだ。 『ルールは簡単! このゲームをクリアすること!』 初回販売を手に入れた、主人公を含む約千人のβテスターと約九千人の非βテスター約一萬人のゲーマー達は、その日、デスゲームに囚われたのだった。
8 51T.T.S.
2166年。世界初のタイムマシン《TLJ-4300SH》の開発された。 だが、テロ組織“薔薇乃棘(エスピナス・デ・ロサス)”がこれを悪用し、対抗するICPOは“Time Trouble Shooters(通稱T.T.S.)”の立ち上げを宣言した。 T.T.S.內のチーム“ストレートフラッシュ”のNo.2い(かなはじめ)源とNo.3正岡絵美は、薔薇乃棘(エスピナス・デ・ロサス)の手引きで時間跳躍した違法時間跳躍者(クロックスミス)確保の為に時空を超えて奔走する。
8 168山育ちの冒険者 この都會(まち)が快適なので旅には出ません
エルキャスト王國北部、その山中で狩人を生業としている少年、ステル。 十五歳のある日、彼は母から旅立ちを命じられる。 「この家を出て、冒険者となるのです」 息子の人生のため、まだ見ぬ世界で人生経験を積んでほしいとのことだった。 母の態度に真剣なものを感じたステルは、生まれ育った山からの旅立ちを決意する。 その胸に、未知なる體験への不安と希望を抱いて。 行く先はアコーラ市。人口五十萬人を超える、この國一番の大都會。 そこでステルを待っていたのは進歩した文明による快適な生活だった。 基本まったり、たまにシリアス。 山から出て來た少年(見た目は少女)が冒険者となって無雙する。 これは、そんな冒険譚。 ※おかげさまで書籍化が決まりました。MBブックス様から2019年2月25日です。2巻は4月25日の予定です。 ※當作品はメートル法を採用しています。 ※當作品は地球由來の言葉が出てきます。
8 169気付いたら赤ん坊になって異世界に転生していた主人公。そこで彼は、この世のものとは思えないほど美しい少女と出會う。既に主人公のことが大好きな彼女から魔術やこの世界のことを學び、大量のチートを駆使して、異世界を舞臺に無雙する! ついでに化け物に襲われていたお姫様を助けたり、ケモミミ奴隷幼女を買ったりして著々とハーレムを築いていく。そんなお話です。 ※この作品は『小説家になろう』様でも掲載しています。
8 59チート過ぎる主人公は自由に生きる
夢見る主人公は突然クラスで異世界へ召喚された。戦爭?そんなの無視無視。俺は自由に生きていくぜ。(途中口調が変わります) 初めてなのでよろしくお願いします。 本編の感想は受け付けてません。 閑話の方の感想が少し欲しいです。 絵は描けません。
8 96