《努力を極めた最強はボッチだから転生して一から人生をやり直す》ふむ。ちょっとした模擬戦だ

『うむ。何を戯れ合っている。それだけ元気が有り余っているのであれば、貴様等二人でイクスに立ち向かえ』

そんなループの余計な言葉によって、運場へと場所を移す事となった。

「いい機會だ。上下関係ってのを教えてやる」

「フンッ。君が上だとは到底思えないけど、まぁ、僕はの頃から戦闘訓練してるから?僕が本気を出せば一瞬で終わっちゃうだろうね」

そして、オレの目の前には不敵な笑みを浮かべるウルクと爽やかさを演出するハミレインが居る。

雙方共に得意な武を用意されており、ウルクは長以上もある大剣を。ハミレインはレイピアを所持している。

刃は潰していないようだ。

「うむ。いつでも始めるが良い」

開始の合図もないのだな。

とは言え、殺し合いは開始の合図も何もないのだ。唐突に始まる。なので、これが普通だとも取れるだろうな。

取り敢えず、先手は譲ろう。出方を伺わせてもらおうではないか。

「なら、行か「ちょっと待ってくれ」ちっ」

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ウルクが大剣を肩に擔ぎ、攻撃に移ろうとした所で、ハミレインが停止の聲を掛けた。

「イクスと言ったかな?君は武を使わないのか?」

「ふむ。必要であれば使うが、今は必要ない」

「それは…僕を侮っているのかな?僕は強いよ?それに、僕にとっては足手纏いなだけだけど、ウルク君も居るんだ。君に勝ち目はないと思うけど?」

ふむ。此奴、一言多いな。

無駄に自信過剰な所もあるようだ。

仲間のウルクを苛立たせてどうするつもりなのだろうな。

まぁ、良い。質問に答えようではないか。

「オレは余り武を使用しない。特に、格下相手に武を使う必要が見當たらない」

「ハッ。そうかい、分かったよ。君が僕を侮ってるって事がねっ!」

言い終えるや否や、ハミレインはレイピアを突き出して攻撃を仕掛けてきた。

その背後に隠れるかのようにウルクも居るようだな。

だが、遅い。

それに、攻撃も単調すぎる。

オレの腹を狙っただろうレイピアの突きは、ハミレイン自が言っていた通り訓練を積んだのだろう型が出來ている。しかし、この程度で自信を持てるとは思えない。

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何か隠し玉があると考えても良さそうだ。

ここは警戒して避けておくか。

しばかりズラす事でハミレインの攻撃を避ければ、次に襲い來るのはウルクの大振りな斬撃。

だが、これも遅い。

ただ剣を振り回しているだけに過ぎない稚な剣技だ。いや、剣技とも言えない。

自分なりの特訓はしたのだろうが、これでは特訓の意味を全くしていないな。

しかし、本気を出しているようには見えない。

オレを侮っているからか、力を溫存しているみたいだな。

ふむ。良いだろう。

では本気を出させてやるとしよう。

「武技『鉄腕シュタール』」

「んなっ!?」

素手で大剣の刃をけ止めてやると、ウルクは驚愕に目を見開いた。

……何も仕掛けて來ないな。

今のオレは片手で大剣をけ止めている為、無防備だ。しかも、もう片方の腕はかないと來た。

要するに、今のオレは隙だらけなのだ。

なので、何が來ても対応できるようにしていたのだが、ウルクは表を驚愕に染めたまま、微だにしない。

ハミレインも、後方で攻撃が避けられた事に驚いてきが鈍くなっている。

…もしや、オレを油斷させる為の演技か?

初めに弱い自分を見せつけておいて、オレが油斷した瞬間に叩く寸法か?

それならば、納得がいくな。

だとすれば、オレが取る行は一つ。想定不可な行を取る事だ。

大剣を手前に引き寄せつつ、ウルクを飛び越える形で宙返りをする。

「ガァッ!?」

まさか、大剣から手を離さないとは思わなかったな。

オレが再び地に足を付けるとほぼ同時に、大剣を握り締めて離さなかったウルクが地面に叩きつけられていた。

宙返りに巻き込まれた勢いも相まって、々強めに地面に衝突したようだ。

取り敢えず、この大剣を必要ないので、適當に投げ捨てておく。

「ハァァッ!」

背後からハミレインの奇襲だ。

いや、奇襲と言えるのか?

き出した時點からオレに察知されているのだから、奇襲とは言えないだろう。

おそらく、わざときにムラを出してオレを翻弄する腹案なのだろうな。

良いだろう。

そう來るのならば、オレも同じ事をするまでだ。

「妙技『影模様』」

しばかり高等な技で、今のオレだと劣化になってしまうが使えなくはない。

劣化版なので強者には余り意味をさないとは思うが、オレ自の姿をブレさせ、視認させにくくする技だ。

そして、ハミレインは易々と、簡単すぎる程に騙された。

真っ直ぐに突き出されたレイピアがオレの右脇を潛り抜ける。だが、何か仕掛けてくる筈だ。これで終わりなわけがない。

なので、その前に先手を打たせてもらおう。

すかさず、脇を締めて両足を前に投げ出す形でハミレインの下を潛り抜ける。

「うぐぁっ」

レイピアは細く突きの攻撃に優れた武だ。簡単に折れず、く。

そのさを利用すれば、相手をわす事も出來る優れた武である。

しかし、ハミレインの場合はレイピアの撓(しな)りが仇となった。

レイピアから手を離せば良いものの、手を離そうとしないので、仰け反ったレイピアに引っ張られて地面に叩きつけられたようだ。

なぜ、二人共武から手を離さないのかオレには理解が出來ない。

まぁ、良い。

まだ戦いは終わっていないので、疑問は後回しだ。

地面に伏したままであると言う事は、オレに攻撃を仕掛ける隙を伺っていると考えて良いだろう。

その前に倒してしまった方が良いだろう。二人にトドメの一撃を喰らわす為に、次に繰り出す技の構えを取る。

なに、殺しはしない。きができぬぐらいにするだけだ。

「デルタ流、奧義『破壊の鉄槌デストロイ』」

この技は、一見すれば地面を毆ろうとしている様に見えるが、全ての作に意味がある。一切の無駄を省き、目標を破壊する為だけに編み出した技だ。

今のオレでは完璧に行使するには力不足だがな。

その場で腰を據え、前屈みになりながらユルリと片腕を持ち上げる。

強く踏ん張ると地が蜘蛛の巣狀にヒビ割れ、腕を振り上げた拍子に大気が悲鳴をあげる。

周囲への被害は甚大なものになるだろうが、そこはループが何とかしてくれるだろう。

そう思いながら、何もない地面へと腕を振り下ろす。

「うむ。そこまでである」

ーードォォォォンッ!

「キャッ」

「うわっ!」

「ぐぅ…」

「おわっ!?」

ループの行使した防魔法によって、オレの攻撃は地面に當たる直前に遮られてしまったようだ。

しかし、クラスメイト達は地に伏せった。

ループの魔法で遮られたと言えど、微弱な衝撃波は來るものだ。そして、後から襲い掛かってくる拳圧もな。

元々、この技は、後から襲い來る重圧を伴った拳圧によって地を裂き、敵を奈落の底へと叩き落とす技なのだが、ループのおで地をしばかり陥沒させただけとなってしまった。

もし、オレの技が地に接していれば、ちょっとしたを空ける事ぐらいは出來た筈だ。

まぁ、この技はオレがループとして生きていた以前に作った技だ。知っていてもおかしくはない。

だからこそ、止めたのだろう。

正直、かなり悔しいがな。

ループの張った防魔法にヒビすられられぬとは、まだまだ努力が足りない証拠だと実させらる。

「な、なんて力だよ…」

「本當に強いの」

「熱い!熱いぞぉ!!」

「デルタ流?どこかで読んだ覚えが…ある?」

一人ばかり変な事を言っているが、クラスメイト達は心していたり驚いていたりと、無知無能を演出してるかのような様々な反応を見せた。

「あ…思い出した。”神殺しデルタ”。”破壊の墮天使デルタ”。伽噺の悪役」

テラクシィルと言ったな。

お前は何を言ってるのだ?

オレが悪役だと?

その頃のオレは悪巧みなどしていなかった筈だ。逆に、悪魔と戦い、人々を助けたりと、人の為にいていた筈なのだがな…。

「うむ。我も知っている。神を殺し、神を喰らった者であるな」

ふむ。ループよ。お前まで一緒になって何を言っている?

確かに、オレは”デルタ”として生きている時に神を喰らった覚えがある。だが、決して悪役などではなかった筈だ。

いや、の見方によっては悪役になり得るのか?

「デルタの技は後にも先にも使える者は我とデルタのみ。そして、それに連なる者・・・・だけである。…もしや、貴様は…」

ふむ。ここで暴されてはたまったものではないな。

「気の所為だ。オレは本に載っていた事を真似したに過ぎない」

「うむ。そうか。我の考えすぎであるか。そうか、そうかであるか」

まだループはオレの分だと気が付いていないみたいだな。

満足そうに頷くループの反応からして、そうだろう。

ループが単純思考の持ち主で助かったぞ。

…ふむ。オレのことだな…。

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