《努力を極めた最強はボッチだから転生して一から人生をやり直す》ふむ。特訓最後だ。

メタル・トータス。

刃を生やした鋼の甲羅を持ち、人間大程であったアイアン・トータスの何倍もの巨をした大型魔

大きさで言えばドラゴンと良い勝負だが、強さで言えばアイアン・トータス10と同時に戦うのと同等程度だ。

とは言え、メタル・トータスの甲羅のさは尋常ではなく、並みの武では傷すら付けられない。

それこそ、オレの教えた技を使わない限り、タクルスに勝てる見込みがない全くない相手だ。

まぁ、今は無様に裏返ってしまってモゾモゾと手足をばたつかせているがな。

亀の弱點みたいなものだ。甲羅はく、頑丈だが、裏返ってしまってはきが取れない。

それだけでなく、メタル・トータスには甲羅に刃があり、それらが地面に突き刺さってしまっているのだ。

どれだけ足掻いても起き上がれないわけだ。

これはタクルスが使った初撃の技が見事に決まった結果であるが、出來たのはそこまでだった。

魔法で強化した木剣でリバイア流を使ったとしても、威力が弱すぎてメタル・トータスには効果がなく、かと言って、デルタ流を使おうにも攻撃されなければ使えない。

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謂わば、ドツボにハマったのだ。

「見てるだけじゃなくて何か言ってくれよ!どうすれば良いんだよっ!コレっ!!」

そう怒鳴らずとも教えてやるつもりだ。

これは、次の階層に進んだ時に教えようと思っていた事だったが、まぁ、まさか倒せないとは思わなかったのでな。

なに、し予定が早まっただけだ。

タクルスの側へと歩み寄り、目の前でジタバタとするメタル・トータスの足にれる。

「良く見ておけ。リバイア流奧義『打抜き』」

ーーズンッ。

初めにメタル・トータスの足がオレの手形の形に凹む。そしてーー。

ーーパンッ!

破裂した。

足の側から弾を発させたかのような破裂の仕方だ。

「キィィィィィィ!!」

甲高いメタル・トータスの鳴き聲がボス部屋に木霊する。

「な、なんつー技だよ…」

「リバイア流無手が奧義ーー波。己が気力を扱い、敵を側から砕する絶技だ」

「えげつねぇな。…って言うか、リバイア流は剣だけじゃねぇのか?」

「リバイア流は全部で六つ。剣。無手の他、杖。忍。瞬。弓がある」

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「んじゃ、デルタ流は?」

「無手。地。天。朧。の五つだ」

「訳分かんねぇ名前ばっかだな」

「そうか?的をてるとは思うが?」

「分かる訳ねぇだろ。なんだよ、オボロってのは」

「ふむ。敵を欺く為の技だ」

「余計に分からん」

ふむ。それは殘念だ。

しかし、まぁ、戦士タイプであるタクルスには合わない武だな。

「雑談は以上にして、そろそろやってみろ。戦士ならば闘気ぐらいは知ってるだろ」

「あ、ああ。分かった」

気力と闘気は別だが、闘気を使う際には必ず気力も働いている。その事に気が付き、気力のみで行使できるようになれば上々だ。

タクルスは甲羅に手をれ「うーーんっ」と唸る。

まぁ、まだまだ無理だと思ったので教えなかったのだがな。

「ふむ。お前達は、闘気をどんな風に使うのだ?」

「あ?そりゃあ【強化】を使えば、勝手に出るもんだろ?」

「そうか。そこからか…」

まさか、そんな所から理解してないとは思っていなかったな。

「なんだ?どっか間違ってたか?」

「ふむ。本的に違う。闘気とはスキルを使う際に必要とされるのだ。強化はスキルではない」

「…どう言う事だ?」

「その話は後にする。兎に角、お前達が強化をスキルとして使うのならば、【強化】を敵に與えるイメージで毆れ」

「…?何が言いたいのかサッパリ分からねぇが、分かった」

甲羅から手を離し、グッと構える。

「【強化】」

スキルの強化を発させると、全から濃い闘気がれ出した。

やはり使い方が違う。

これでは、力を無駄に消費しているだけで、長期戦に陥れば力盡きてしまうだろう。

「おらっ!!」

そんな事を思っていると、タクルスが甲羅を力を込めて毆った。

メタル・トータスに闘気が流れ込んでいる所を見る限り、オレの言った事を行ったようだ。

ーービキッ。

そのおか、甲羅にヒビがった。

「痛ってぇぇぇぇ!!」

タクルスの手の骨にもヒビがり、悲鳴を上げる程の激痛に襲われたようだがな。

だから、スキルの強化はダメなのだ。

ーーー

生きてる…。

「生きてる…」

生きてるぞ…俺…。

「生きてるぞぉぉぉ!!」

「ふむ。何度も言わなくとも見たら分かる」

だなっ!

しは譽めてくれよ!

この”地の迷宮”に連れて來られてから、何日経ったかは和からねぇが、休憩と稱しての睡眠が計14回。おそらく、二週間ほどだ。

そして、ようやく俺は迷宮ボスを倒した。…倒せたんだ。

迷宮ボスは地龍と呼ばれるドラゴンだった。

言ってしまえば、國災級。一で國を滅ぼせる力を持った魔だ。

噂では聴いてたけど、マジで強かった。何度も死を覚悟させられたぐらいだ。

き一つで地震が起き、息を吐くだけで強風が吹き荒れる。まさに、最強の名に相応しい存在だった。

ランクB冒険者止まりの前までの俺だったら出會った瞬間に即死は間違いなかっただろうな。

なんせ、ボス部屋にった瞬間に巖石ブレスを放って來やがったからな。

でも、俺は勝てた。

イクスが俺に教えたリバイア流とデルタ流。全部は教えてくれなかったけど、それが無かったら、マジで死んでた。

まるで、この為だけに俺に武を教えたみたいに思えてくるな。

……で、結局の話、俺は何の為に迷宮を打破したんだ?

「ふむ。良くやったと言っておこう。約束通り、褒をやろう。だが、その前に一休みさせてやる。付いて來い」

「あ、ああ…」

あれ…?イクスが優しい…?

なんか怖い…。

まさか、この後にまだ何かあるのか!?

イクスの一休みって言う言葉が、他の言葉にしか聞こえないぞ!

ーーと、思っていた頃もありました。

迷宮ボスを倒した事で現れた小さな扉を潛り抜け、長く狹い通路を進んでいると、突然、イクスが途中で立ち止まり、壁にれると、謎の扉が現れた。

原理なんて訳分からん。

でも、その扉を潛った先には目を疑うような景が広がっていたんだ。

まるで天井のない箱庭にいるような覚に陥った。

ポカポカと辺りを照らす太。四方を囲む壁から止め処なく流れ落ちる滝。澄んだ湖の中央にある小島。

その小島には、円形の機や木の枝にロープを引っ掛けて作ったベットなどが設置されており、所々に謎の箱が置かれている。

小島には、湖の上に浮く板を伝って行けるようになっているようだ。

なんて言うか…疑って、すみませんでした!

まさか、本當に休憩させてもらえるなんて思いもよらなかった。それも、こんな夢にまで見た最高に気持ち良い場所で!

イクスは軽い足取りで一足先に小島に降り立ち、謎の箱を開けて中から高級酒のような酒瓶を取り出して機に置き、更にコップを取り出したりと、何かの準備をし始めた。

俺も行くか。

プカプカと湖の上に浮く足場を恐る恐る進みながら、小島へと辿り著いた。

その頃には、既に機の上には贅沢な料理と飲みが用意されていた。

…いつ作ったんだ?

「さぁ、食え。細やかだが祝いだ。好きなだけ食って飲むと良い」

「これ食ったら、また戦いとか…ないよな?」

さすがにこれ以上は無理だ。

「ふむ。戦いとは人生だ。その點で言えば、お前は常に戦場にを置いている」

「すまん。変な事言ったな」

コイツと居るとオレがズレた事言ってんのかと疑ってしまう。

「遠慮なぞするな。食いたいを言えば、ここであれば何でも出してやる」

「ここでも…?いや、何でもない」

何だか詳しく訊かない方が良いと思ったので、頭を軽く振って疑問を振り払ってから、椅子に座って料理に手を付ける。

……うまっ!?

「うまっ!?」

何だこれ!?

ただののように見える食べを食った筈なのに、スゲー旨い!

なんだ、この!?噛んだ瞬間に旨味が凝されたが溢れ出たぞ。それに、脂なく、胃もたれする事もない。これなら、幾らでも食べれるぞ…。

試しに、近くにあったスープを口にれる。

貴族共が食う飯を一度食った事があるけど、そんなと比べれねぇぐらいに旨いな!

サッパリとした味付けなのに、口の中に含んだ瞬間、バッと弾けるようにスープの味が口に広がった。

なにより、一口食べるごとに全の痛みが引いてくる。疲れも取れてるような気がする。いや、気がするんじゃなくて、マジで疲れが吹き飛ぶ。

どういう仕組みなんだ…?

まぁ、細かい事は訊かない方が良いよな。

なんせ、追求しすぎると明らかに噓と分かるような事を言ったり、顔を歪めて固まっちまったりするからな。

答えれねぇ事があるんだろ。

なので、俺は食事に熱中する。

…あ、この黒い飲み旨いな。飲んだ瞬間にシュワァッと來る所は発泡酒に似てるが、凄く甘く、酔いが來ない。

もう一杯貰おう。

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