《事故死したので異世界行ってきます》第32話 魔王軍③
カルダド軍が撤退したため、俺の目の前には大きな大地が広がっていた。
その大地のし奧には何萬という數の魔王軍がこちらへ向かって來ている。
「さて……久しぶりにやってみようか、エリフィス、ガンドラ」
(うむ)
(あぁ)
ガンドラに膨大な量の火と闇の魔力を流し込み、エリフィスにも闇屬の魔力を大量に流し込んだ。
すると例の如く、ガンドラからは赤黒い雷をビリビリと音を立てながら発しており、エリフィスはドス黒いオーラを放っている。
「千面嬢、貴様に貸している魔導書を返してもらおうか」
エリフィスの切っ先を遠くにいる俺の姿をした千面嬢に向けながらそう言った。
千面嬢は俺と同じようにガンドラから赤黒い雷を発してエリフィスからはドス黒いオーラを漂わせている、どうやらこれが返事のようだ。
俺は大地をグッと踏みしめて勢いよく走り出す、千面嬢もそれに応えるように魔王軍を置き去りにして走りこんでくる。
俺と千面嬢の一歩一歩が大地に亀裂をれ、そこに禍々しい稲妻を走らせる。
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ガキンッッ!!
俺と千面嬢のエリフィスがぶつかり合う。
「なるほどな…… お前能力はただ容姿を真似するだけじゃなく、その者の能力も再現出來るということか」
「その通りだ、流石だな大賢人さんよ」
「自分と話しているようなじがして気持ちが悪い、口を開かないでくれ」
「フン、つれないなぁ!」
押し倒すように剣にグッと力を込める。
千面嬢の制が若干崩れる、その隙をついて距離を取り魔法を詠唱する、同じタイミングで千面嬢も詠唱を始めた。
「「罍罍の祖霊よ、我が魔力の元に威厳を示せ、古代魔法【罍象王キング・エレファント】」」
その詠唱共に、お互いの立っている大地が盛り上がり、地中から象の巨像が出て來て俺と千面嬢は共にその巨像の頭部に立って睨み合っている。
「「進め偉大なる罍罍の祖霊よ我が敵を薙ぎ払え」」
二頭の巨像は大きな鳴き聲をあげながら正面に向かって突進し始めた。
二頭の巨像の額の表面からパラパラと土が舞い落ちる。
「エリフィス、あれ切れるか?」
(愚問じゃな、當然じゃ)
腰に攜えたエリフィスを抜き構えると、同じように千面嬢も構えを取る。
お互いのエリフィスからは禍々しい黒いオーラがにじみ出ている。
グォン
両者の剣がわった時、金屬同士がぶつかることによって生まれる特有の高音が鳴り響く訳でもなく、鈍同士で毆り合った時に鳴る鈍い音でもない。
強いて言うなら空間が揺れる音、事実俺と千面嬢の間には衝撃波が生まれ、それにより二頭の巨像は上半が吹き飛んだ。
「暗き雷よ、我が敵を穿て古代魔法【黑雷暗】」
空中で尚且つ鍔迫り合いをしている狀況の中、俺は千面嬢に向けて魔法を放った。
黒い稲妻は千面嬢にあたる僅か手前で消え去った。
「おいおい、忘れたのかよ、コイツには魔法は効かないぞ?」
「チッ……」
どうやら特も何もかもコピーされてしまっているようだ。
「おらよっ!!」
千面嬢はエリフィスを大振りで振り下ろす、俺はそれをエリフィスでけ止める。
ギゥォン
また、時空が歪む音がする、そして例の如く衝撃波が生まれる。
俺は衝撃波により地面に足をつかせられる、足元の地面はグッと沈んで、そこら中に亀裂がった。
「うっ……自分と戦うってのは嫌なもんだなぁ……ん?アイツはなんで俺のステータスとか何もかもを真似できるんだ?……はっ! 試してみる価値はあるか……」
俺は亀裂のった地面をグッと踏みしめ跳び上がり、千面嬢の顔面を右手で押さえ込むように力強く摑んだ。
その瞬間、みるみるうちにガンドラとエリフィスは消えて行き容姿も二翼の黒い翼を生やしたの魔族へと変わって行った。
「おぉっ」
絶対魔法耐を持ち全ての魔法を無に還すと言われているガンドラ。
もし、千面嬢が何かしらの魔法で俺の姿に化けているのであればガンドラでれてやれば無効化できるのではないかと言う思が功し俺は今心している!
「くっ……」
本當の姿に戻った千面城の顔は、黒紫で無だった。
日本の妖怪で言うところののっぺらぼうの様なじである。
翼をパタパタと羽ばたかせながら逃げようとする千面嬢。
【飛翔フライ】を使い後を追いかける。
「逃がす訳ねぇだろ?」
「……」
一瞬で追いつかれた為、千面嬢は驚いた様子を見せた、もっとも顔が無いのだから表からは読み取れないが。
俺は千面嬢の顔面を摑み地面に投げつける。
ドォッンッ!!
豪快な音を立て地面を砕いた。
俺の姿になっていない狀態の千面嬢にはし威力が高かったようで首が向いてはいけない方向を向いている。
「……、、。…」
聲にならない聲を上げる千面嬢、その首元に慈悲の一太刀を浴びせる。
大量のが飛び散る音とともに魔王軍の進軍は止まりカルダド王國は戦爭に勝利した。
暇人001です!
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