《事故死したので異世界行ってきます》第43話 躍進③
「黒き闘神が現れたとの報がりました」
「ほぅ……遂に全ての闘神が揃ったということか」
「左様でございます」
「して、黒き闘神は今どこにいるのだ?」
「それが――」
「なんと、闘神が國を治めているとはな」
「どうされますか?」
「六闘神を使い黒き闘神を我が手中に収めよ」
「意」
不穏な影がユウスケの知らぬ場所で蠢いていた。
カルダド王國,國王室ーー
「大臣、教員募集の結果はどうでしたか?」
「こちらが応募者のリストになります」
「いつも仕事が早くて助かります」
実は、學者の人數を見て流石に厳しいのでは無いかと思い大臣に教員募集をかけるよう頼んでおいたのだ。
國立階級一貫學校 教員募集結果
合計応募者數 6名
武教員 4名
武教員応募者個名
リリシューラ 男
ドーラン 男
ミゼラ 
オーディア 男
魔教員 2名
魔教員応募者個名
ラリフィア 
アヴェンタ 男
思ったより集まらないな、それにしても別まで書き留めてある。大臣はかなり幾帳面なタイプなのかな?
「6人ですか……」
「はい、もう一度募集をかけますか?」
「いえ、とりあえずこれで行けるとこまで行って見ましょう。限界が來たらまた募集するという形でお願いします」
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「意。お1つ聞きたいことがあるのですが良いですか?」
「なんでしょう?」
大臣から質問なんて珍しいな……一なんだろう?
「武頭の仕事を任せれているリベリアルという方は一何者なのでしょうか?」
「あぁ、彼は俺の昔からの馴染みなんですよ。そして何より腕が立ちます」
「左様でございましたか。につけていると言いあの圧倒的なオーラ、私はまるで覇王を目にしているような気分でしたよ」
につけているもの……アイツやりやがったな?國では絶対にエンドラとガンドラは裝備するなと言ったはずなのにな……
「ははは。覇王だなんていつの時代の人ですか、やめてくださいよ」
「そうですよね…… リベリアルと言う方の名前はリベリアルだけですか?」
「と言いますと?」
「リベリアル・ヴァン・ヴィルヴォルブとか言う名前ではないですか?」
「違いますよ、ただのリベリアルですよ」
「そうですか…… それにしても國王様はこの頃魔裝は前からそうでしたが魔剣すら攜えていない模様ですがどうかされたのですか?」
「あぁ……実はですね、腕が立つと言ったリベリアル君なんですけど彼は俺と互角かそれ以上の実力を持っているんです」
「なんと、ユウスケ殿よりもお強い方が居るとは…… しかし、それが何か関係あるのですか?」
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「魔裝、魔剣は強者を好みます」
「それはつまり…… リベリアルと言うお方に差し上げたと言う事ですか!?」
スゲェな大臣、さっきの言葉だけでそこまで理解してくれるのか。
「えぇ。いつか言おうと思っていたのですが中々言う機會が無くこんなタイミングになってしまい申し訳無いです」
「國王様が謝る事などありません! しかし……そうなると闘神の位をどうするかですね……」
「リベリアル君に継いで貰おうと思っているのですが良いですかね?」
「良いんですか?闘神の位ですよ?國王と並ぶ権力を振るうことの許された位を譲渡してしまっていいのですか?」
あぁ、そういやあの時貰った紙にそんなこと書かれていたな。
「良いですよ。1つ聞きたいのですがいいですか?」
「良いんですか…… なんでしょうか?」
「闘神の位を失った場合、の紋章はどうなるんでしょうか?」
「次の闘神へと引き継がれ、それと共にスキル【闘神】も引き継がれます」
て、ことは消えるってことだよな?やったー!!ついに謎の紋章から解き放たれるのか……
「わかりました」
「はい。それでは、リベリアル殿に引き継ぐと言う形で式を執り行ってよろしいですか?」
「よろしくお願いします」
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「日時等はいつ頃がよろしいでしょうか?」
「いつでも良いですが出來れば早めにお願いします」
「意」
「あと、応募してくれた人達の面接をしたいので応募者達を玉座の間に召集してくれませんか?」
「既に、お呼びしております」
「そ、そうですか……流石ですね」
「いえいえ、大臣として當然の仕事をしたまでです」
優秀とかそういうレベルの話なのか?なんだか思が筒抜けのようで怖いんだけど……
大臣と話しこんでしまった所為でだいぶ待たせてしまっている気がするさっさと移しよう。
玉座の間ーー
中にるや否や玉座からし離れた場所に2人のと4人の男が立膝をついて玉座に向かってこうべを垂れていた。
うわぁ……こんな場所で面接とか俺だったら絶対嫌だわ、面接する側でも相當プレッシャーじるもん。
俺はそんな事を考えながら玉座にゆっくりと腰をかけた。
「お待たせして申し訳ありません。それじゃあ、右から順に自分の名前と特技と志理由を教えて下さい」
俺がそう言ってから何秒だっただろう?5秒、10秒?普通なら即座に答えられる質問容だったはずだが……
もしかすると聞こえていないのかもしれない……いやいや、それは無い。立膝をついて下を向いていた彼ら彼らは俺が言葉を発した直後から現在に至るまで、互いに目配せをしているのだから聞こえてはいるのだろう。
「ゴホン……皆様方側から見られて最も右に居られるリリシューラ様からお願いできますか?」
數刻の靜寂を破ったのは面接に同行してくれた大臣だった。その言葉を聞くなり応募者たちはどこか安堵の表を見せ俺から見て左側にいた白髪に水の目をした推定20代前半の男子が立ち上がり口を開く。
「私の名前はリリシューラと申します、このカルダド王國で冒険者を勤めており、SSランクを保持しております。私の特技は剣技と武技であります、剣技に関してはこのカルダド王國において3本指にはる技量だと誇示しております!そして、私が教員という新たな職業を選んだ理由は國王であるユウスケ様の人柄に惹かれ、些細な力しかありませんが貴方様のお力になれればと思い志願いたしました」
この時ようやく俺は気づく、何故6人が慌てふためいているような様を見せていたのか。それは俺が言った『右から順に』という不明確一言が原因だったのだ。
「まず、先にこの場に集まって下さった6人に謝罪を申し上げさせていただきます。右から順になどと不明確な発言をしてしまった事、それにより揺させてしまったこと、本當に申し訳なく思います」
俺は玉座という似つかわしく無い席から立ち上がり彼ら彼と同じ高さの位置まで足を運び頭を下げて謝罪した。
すると、彼方此方から涙ぐむ聲が俺の鼓を揺らした。何事かと思い下げていた頭を上げる。
「どうされたんですか……?」
そこには、涙を隠す男や泣き崩れる、目の前にいたリリシューラの頬には輝かしいほど綺麗な涙が溢れていた。
リリシューラはにっこりと笑いながらこう答えた。
「我々は貴方のそういう型破りなところに惹かれたんですよ」
「え?」
そう呟き大臣の方へと首を向ける。すると大臣はコクリと頷いた。
「いやいや!ミルコさん、頷かれても困りますよ!型破りってどういうことですか!?」
「はぁ……全く貴方という人は本當に型破りなお人です。第一に王が民に頭を下げるなどあり得ない事なのですよ」
「え、そうなんですか?」
「えぇ。そうですよね、皆さん?」
すると、大臣の問いかけに6人は呼吸ぴったりに頭を縦に振って応えた。
「我々は貴方のそう言う所に惹かれたんです。どうか我々の力をユウスケ様の為に使わさせて下さい」
リリシューラは立膝をついて懇願した。
「「「「「何卒!!!」」」」」
リリシューラが立膝をついたのをみて他の五人も改めて姿勢を正し、こうべを垂れながら玉座の間の隅々まで響き渡るほどの大きな聲でそう言った。
「皆さん、頭をあげてください。そしてこれから未者の俺をどうかよろしくお願いいたします」
俺のその言葉に、両手を挙げて喜ぶ者、頭を下げて謝を伝える者、さらには泣いて喜んでくれる者まで居た。
「全員面接合格という事でよろしいですか?」
大臣が俺に確認を取る。
「もちろんです。それでは大臣、後は頼みます」
「意」
俺はその返事を聞くなり玉座の間を後にした。
彼等は大臣から今後の予定表を配られどのような仕事をするかなどを事細かく説明された後解散となった。
學校,本館ーー
「全く、あの大臣は優秀すぎるよな……この建が僅か數週間で建てられたとは思えない」
俺は1週間後に始まる學校生活、いや校長生活を過ごす上でまず1番初めにしなければ行けない事をしに単で學校まで足を運んだ。本當であれば一國の王が護衛も付けずに行などあり得ない、例えそれが國で最も強い存在であってもだ。つまり、今俺は完全にプライベートで訪れているのだ。
そして、実の所この學校はし國から離れている。沢山の人が居ても自由にけるスペースを確保する為に広大な土地が必要となった。その土地に選ばれたのは俺がかつて《神の裁きジャッジメント》で山々を抉り取った場所だった。
奇跡的に抉り取った場所はどこも同じ高さを保っていてまるで整地された土地のようだった。
そして、今そこにはとても大きな木造の建造が多く建ち並んでいる。
敷地の中には、本館,二號館,三號館,育館,第二育館の計5つの校舎が有りどれも日本にあるの比では無い大きさで作られている。正直第二育館を除き他の校舎は、王宮よりも全然大きいくらいだ。そんな大きな建を建設する際に鉄などの素材を使っていては費用がバカにならない、と言うか全部鉄で作ろうものなら國にある全ての鉄を使っても足りないだろう。しかし、木ならそこら中に生えている為今回の建築にはほぼ全て木で作られている。経費削減と時間短である。驚くべきことにこのカルダド王國には日本と同じように大工と言われる職人が居て彼等は類い稀なスキルを持っておりそのスキルを使えば木造建築士をも凌ぐ畫期的すぎて良い意味で訳のわからない技を使うのだ。
そして彼等もまた建築をする為だけに編み出した魔法を使う。その結果尋常ではないほどのスピードで超巨大建造が5つ完したのだ。
「うぅん……いいねこの木特有の香り、日本で嗅いだ匂いと同じ匂いがこの校舎中に漂って、ゴホッゴホッ」
なんだこのむせかえる空気は……
思わず校から飛び出す。
「外に出るとなんともないな…… ん?」
服を見てみると大量の木屑が付著していた、あのむせ返りの原因は木屑だったのだ。
俺は息を止めて再び校へとり息が続く限り窓を開けまた校外に飛び出した。
「はぁ……はぁ……」
「ゆ、ユウくん何してるの?」
「へぇっ!? あぁ、リリカか……どうしてこんな所に?」
思わず変な聲出ちゃったじゃんか!さっきまで息止めてたから心拍數がただでさえ上がってるのに今ので余計に上がったわ!
でもまぁ……校舎の前で肩で息している國王が居たらそりゃ『何してんの』ってなるよな。
「育館しか見たことがなかったから他の校舎も見たいなって思って!」
「そうなのか!だったら一緒に見て回らないか?」
「うん!」
「あー、でもその前にこの校舎の中に【暴風】を打ち込んでくれないか?」
「え?良いけど……壊れたりしない?」
「大丈夫、大丈夫」
「わかった、じゃあ打つね!風魔法【暴風】」
リリカが放った【暴風】は木屑を天高く吹き上げた。
「おー! これで大丈夫かな。ありがとー!!」
「すっごい木屑が見えたけどもしかしてまだ完してないの?」
「いや、多分掃除をしてなかっただけだと思う。 助かったよ!」
「そうなの、いえいえ!」
「じゃあ早速本館から見て回ろうか!」
「うん!」
このあと數時間かけて全ての校舎の全ての部屋を1つずつ周り、第一育館と本館を除く全ての校舎の木屑を掃除して帰宅した。
次回更新予定日は3/22です
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これからも是非よらしくお願いします!
以下、新キャラ紹介
リリシューラ 
カルダド王國出
長186cm 重78kg
SSランク級冒険者
所屬ユニット【ランシエル】
役職 リーダー
ステータス
Level:582
HP 78500/78500
MP 34680/34680
攻 6890
守 5870
知 3490
速 4890
運 3000
スキル
【剣技の心得】常時発型/剣技の習得速度が上がり消費MPがし下がる。
【剣卓の騎士】常時発型/剣技の威力が50%上昇する。
剣技
【ジラフグリュート】
消費MP150/氷屬の剣撃
【スティリアラート】
消費MP500/氷屬の斬撃を衝撃波狀にして放つ
【ブリュンフェルト】
消費MP850/理防不可の一撃を放つ
武技
【二連撃】
消費MP50/威力100%の追撃をする。
魔法
【アイス】
消費MP10/氷屬の狹範囲ダメージ(小)
【アイスィクル】
消費MP100/氷屬の中範囲ダメージ(中)
【アイスィナル】
消費MP250/氷屬の広範囲ダメージ(中)
【アイスィゲル】
消費MP500/氷屬の広範囲ダメージ(大)
【フロストレバレチィア】
消費MP250/氷屬の狹範囲ダメージ(大)
特
氷耐Level 4/10
炎耐Level 2/10
剣撃耐Level 2/10
【書籍化】世界で唯一の魔法使いは、宮廷錬金術師として幸せになります ※本當の力は秘密です!
魔法がなくなったと思われている世界で、唯一、力を受け継いでいるスウィントン魔法伯家の令嬢・フィオナ。一年前、友人だったはずの男爵令嬢に嵌められて婚約破棄されたことをきっかけに引きこもっていたけれど、ひょんなことから王宮に勤めに出されることに。 そこでフィオナに興味を持ったのは王太子・レイナルドだった。「あれ、きみが使えるのって錬金術じゃなくて魔法…?」「い、いいいえ錬金術です!」「その聲、聞いたことがある気がするんだけど」「き、きききき気のせいです(聲も変えなきゃ……!)」 秘めた力を知られたくない令嬢と、彼女に興味津々な王太子殿下の、研究とお仕事と戀のお話。
8 127【書籍化】解雇された寫本係は、記憶したスクロールで魔術師を凌駕する ~ユニークスキル〈セーブアンドロード〉~【web版】
※書籍化決定しました!! 詳細は活動報告をご覧ください! ※1巻発売中です。2巻 9/25(土)に発売です。 ※第三章開始しました。 魔法は詠唱するか、スクロールと呼ばれる羊皮紙の巻物を使って発動するしかない。 ギルドにはスクロールを生産する寫本係がある。スティーヴンも寫本係の一人だ。 マップしか生産させてもらえない彼はいつかスクロール係になることを夢見て毎夜遅く、スクロールを盜み見てユニークスキル〈記録と読み取り〉を使い記憶していった。 5年マップを作らされた。 あるとき突然、貴族出身の新しいマップ係が現れ、スティーヴンは無能としてギルド『グーニー』を解雇される。 しかし、『グーニー』の人間は知らなかった。 スティーヴンのマップが異常なほど正確なことを。 それがどれだけ『グーニー』に影響を與えていたかということを。 さらに長年ユニークスキルで記憶してきたスクロールが目覚め、主人公と周囲の人々を救っていく。
8 171【書籍化】婚約者が明日、結婚するそうです。
王都から遠く離れた小さな村に住むラネは、五年前に出て行った婚約者のエイダ―が、聖女と結婚するという話を聞く。 もう諦めていたから、何とも思わない。 けれど王城から遣いがきて、彼は幼馴染たちを式に招待したいと言っているらしい。 婚約者と聖女との結婚式に參列なければならないなんて、と思ったが、王城からの招きを斷るわけにはいかない。 他の幼馴染たちと一緒に、ラネは王都に向かうことになった。 だが、暗い気持ちで出向いた王都である人と出會い、ラネの運命は大きく変わっていく。 ※書籍化が決定しました!
8 103最弱能力者の英雄譚 ~二丁拳銃使いのFランカー~
☆あらすじ☆ 世界では、能力者という者が存在している。そんな世界で、能力が無いと判斷され、落ちこぼれの烙印⦅Fランク⦆を押された少年タスク。彼は能力者を育成する學園において、実戦授業が受けることができない唯一の最底辺だった。しかしある日、伝説にして、最強にして、無能力者の極致である恩師、剣・ミサキにより、戦闘技術の才能を見込まれ、能力者學園で開催される、通稱ランク祭に出場することとなった。最底辺を生きるタスクは、その才能を開花させながら、自身の隠された能力⦅さいのう⦆に気づき、學園最強の戦士へと成り上がる。――なろうじゃなくてな、俺はなるんだよ!! 1章と2章はまったくの別物なのでご注意ください。
8 129幼女に転生した俺の保護者が女神な件。
何気ない退屈で平和な日常を過ごしていた主人公。しかしそんな日常もほんの一瞬で絶望へ変わってしまった。 大きな2度の地震で不幸にも死んでしまった主人公は、女神の元で異世界へ転生する事となった。自分の人生を決める重要なカードを引いた主人公は幼い女の子の姿に。その姿に惚れた女神は自分の仕事を忘れて主人公の保護者として一緒に異世界に転移してしまう。 幼女に転生した俺の保護者が女神な件。始まります。 /初心者作者による作品の為過度な期待はNG /誤字・構成ミス多め /16萬アクセス達成 /30000ユニーク達成 /毎日晝12:00更新!(多分) Twitter @Novel_croquis
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