《世界がゲーム仕様になりました》どうしてこうなった
白亜たちの元にたどり著いた途端、俺はその場から走り去りたくなった。
そんな事をしたら、今度こそ白亜が怒るだろうと思い直したが、ギリギリだった。
なぜそんな事になってるかって?
助けた4人のうち後衛の3人は、例のパーティにれてくれとしつこかった3人組だった。
これ以上の理由は要らない。
「治療、終わったのか?」
「うん。しばらく安靜にしてたら、この子もすぐに目を覚ますと思う」
「そうか・・・し休んで行こう。戦利品の整理がしたい」
「「分かった」」
「戦利品の確認ならさっき・・・いや、何でもない。途中だったな」
今日の雅人は察しが良くて助かる。
戦利品の整理。噓じゃないが、時間を取ってまでやらなきゃいけない事でもない。
どうせ換金する時には全部出すだけだからな。
じゃあなぜ、わざわざこんな時間を取ったのか。
答えは簡単。白亜を休ませるため。
回復魔法は魔力の消費が激しいらしく、現時點ではあまり連発出來るものではないそうだ。
それを今回は重傷の子を見た目上は完治させるほど使った訳だから、疲れが現れていた上に魔力もごっそり持っていかれていた。
そんな狀態の白亜を連れて歩くのは危険だ。それならいっそ多でも人の多い場所で回復に努める方が良いと考えたのだ。
しかし、元々なかった事もあり戦利品の整理はすぐに終わってしまった。
うーん、どうするか。
「んぅ・・・ぇ?・・・っ!?」バッ!
あ、起きた。隨分慌ててるのは、戦闘中だった事を思い出したからか?
「あ!目、覚めた?大丈夫?痛いところとかない?」
「・・・えっと・・・?」
まあ、そうなるわな。
目が覚めた途端に質問攻め。しかも気を失ってた間の事だから容が理解できるわけもない。
「白亜、ストップ。まだ混してるから」
「え、あ、そっか!ご、ごめんね!」
「あ、いえ。・・・えっと、それで、その・・・えっと」
・・・煮え切らないな。
にしても、あの3人組はこの子を無視か。
どういう扱いをけているのか、酷い方向に想像が膨らむな。
「まず狀況の確認だ。ゴブリンの集団と戦ってた君らを、俺たちが助けた。ここまでは?」
「えっと、何となく、覚えてます」
「"俺たち"じゃ無くて雅人君がでしょ」ボソッ
最後の呟きは3人組の1人からのものだ。ムカつくな。
「その何となくが、どこまで覚えてるか分からないけど、戦闘中に意識が朦朧としていた君をそこの3人のとこまで運んで、ゴブリンの集団は倒した。君の傷はさっき君に質問攻めをしたウチのヒーラーの白亜が治療した。大まかな流れはこんなじ」
「はい、はい。ありがとう、ございます。おかげで狀況が理解できました。それで、その、助けていただいて、ありがとうございます」
「お禮は俺じゃ無くて白亜に言ってやれ」
それからしばらくは、お禮を言い続ける前衛の子と、白亜との間で様々なやり取りが行われた。
そして、そのやり取りをぼんやり眺めていたのが、俺の運の盡きだった。
「貴様、黒鉄!そこで何をしている!!」
「げっ、今朝の」
何であいつ、こんなとこにいるんだよ。面倒事の予しかしないから嫌なんだけど?
「答えになっていない!そこでこのおれのパーティメンバーと何をやっているのかと聞いているのだ!!」
「ゴブリンの集団と戦っていたのを援護した。そんで今は休憩中」
「そんな噓を信じると思うな!・・・そうか、貴様このおれのパーティメンバーを脅していたな?そうはさせるか!」
「パーティメンバー・・・」
雅人、言いたいことは分かるが、言わなくていい。
「脅してない脅してない。心配しなくても俺はもう出発するから。もう黙ってくれ。疲れる」
「む、貴様。パーティを抜けたのでは無かったのか!?何故彼等がここにいる!?」
「だから、話を聞けよ」
どうしてこうなった。
- 連載中95 章
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8 93 - 連載中150 章
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8 172 - 連載中399 章
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