《世界がゲーム仕様になりました》神攻撃とは
風呂から上がってリビングに戻ると、白亜がいなくなっていた。
家の中で白亜が行きそうな場所は1箇所しか思い當たらなかったので、案した部屋に行く。
予想通り白亜は居たが、泣きながら何かを読んでいるみたいだ。
「白亜、風呂空いた。何読んでんの?」
「・・・ごめん。妹さんの書読んでた」
「別に気にしなくて良いよ。どうせさっき容は教えたんだ、読んだか読んでないかなんて誤差の範囲だ」
「で、でも・・・」
「良いから風呂行って來い。お湯が冷めるぞ?」
「あ、うん。・・・分かった」
渋々と行ったじではあるが、風呂に向かった白亜を見送り俺も妹の殘した書に目を向ける。
改めて読んでみるが、何度読んでも泣きそうになる。
そして、何度読んでもあいつの事が書かれていない。
クソ野郎の事は腐るほど書いてあるのにだ。
「まるで、あいつを庇ってるみたいじゃないか・・・」
何度も考えて、一度も答えが出なかった思考の沼に落ちかけたので慌てて意識をそこから切り離す。
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しばらく書とにらめっこして機の上に書を置いて軽く機を叩いてから部屋を出た。
「白亜のやつ、たぶん気にしてるだろうから何とかしないとな」
ゴトッ
「・・・?気のせいか」
どこかで音がした気がしたが、しっかりと聞こえた訳じゃないから気のせいだろ。
これ以上ここに居てもしょうがないし、大人しくリビングに戻るか。
リビングに戻ってルーン文字と魔言語の勉強をしていたら白亜が戻ってきた。
白亜の方に目を向けて、見事なまでにフリーズした。
「へ、変かな?あ、でも普段著だから変かも!あ、あの、恥ずかしいからあんまり見ないで・・・」
最後の方は聲が小さくてちゃんと聞き取れなかった事にしよう。
上下セットなのだろうもこもこのパーカーに同じくもこもこのショートパンツ。
それだけでも破壊力抜群だ。それを風呂上がりで赤面してる白亜が著てるとか本気で反則だろ。
「・・・反則だ」
「何が?」
「白亜。その格好、他の人の前でするなよ」
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「な、何で?」
「反則的に可いから。他の人には見せられない。見せたくもない」
だって危ないから。われてると思って襲うやついるよ?絶対。
本當に、無防備というか何というか。
「え!?わ、分かった。黒鉄君にしか見せない。・・・この格好するときは黒鉄君と2人きりの時だけにする」
「そこまで言ったつもり無いんだけど・・・まあ良いか。そうしてくれ」
何も言わずにコクンと頷くだけだったが、大丈夫か?
心なしかさっきより顔赤いし、頷いたまま顔上げないし。
「大丈夫か?のぼせた?顔赤いぞ」
「だ、大丈夫!大丈夫だから!のぼせてないよ!・・・顔赤いのは黒鉄君のせいだよ〜!」
「最後、なんて?」
「き、気にしないで。それより、テーブルの上のそれ何?」
「うーん、魔の教科書みたいなもんかな」
「え、私そんなの貰ってないよ?」
「そりゃあ魔系のスキル持ってないと貰えないだろ」
「スキル持ってるよ?」
「え!?・・・そういえば俺、白亜のステータスちゃんと知らないんだ」
「そういえばお互い言ってないし見せてないね。見る?」
「お前が良いなら見せてしい」
「良いよ。その代わり黒鉄君のも見せてね」
お互いの端末を換してステータスを見る。
うわ、やっぱりチートじゃん。
白亜 結 魔力量8000
パッシブスキル
・魔法威力上昇・魔力上昇・魔力回復速度上昇・回復量上昇・魔力作
アクティブスキル
・杖・片手剣
魔法・魔
・回復魔法・魔法・強化魔・防魔・付與魔
サポート特化型のスキル構だな。頑張れば1人でもやっていけるけど。
しかしまあ、本當に魔スキル持ってたな。
しかも強化は被ってるし。他2つもかなり重要だし。
「こりゃ白亜の魔作る方が優先だな」
「黒鉄君。魔法使えないんだ」
「笑えるだろ?」
「魔法使えないのになんで四谷君並みにけてるの?」
「魔力作で擬似的に強化出來るのは知ってるだろ?」
「?知らないよ?」
「・・・分かった。全部教える」
端末を返してチュートリアルでシロナさんから教わった事を全部話した。
その際に魔の本をもらった事や魔力作について學んだ事なども一緒に。
話が終わった後は魔力作の実踐。魔力作のスキルを持っている白亜は、すぐにコツを覚えて擬似強化が使えるようになった。
その後、既に読み終わった魔の基礎が書いてある本を譲ってしばらく俺の復習も兼ねて白亜に軽く教える。
「っと、ヤバイ夢中になり過ぎた。そろそろ寢よう」
「うわぁ本當だ。ごめんね、遅くまで付き合わせちゃって」
「いや、俺も容の復習できたし楽しかったから」
「そう言って貰えると助かる。その、この流れで言うのもあれだし言いにくいんだけど・・・また一緒にやっていい?」
「え?いいに決まってるだろ。むしろこっちからお願いしたいくらいだ」
斷る理由が全くない。意見出しあえるし白亜の魔作るの優先するつもりだし。
一緒にやるのは都合が良い。
それより・・・なんか良い匂いした。シャンプーやらボディソープやらは同じものの筈なんだけど。
なんやかんや考えてるうちに部屋の前に到著。
「じゃあまた明日な。おやすみ」
「うん!おやすみなさい」
布団にる前に、かなり中途半端になっていたルーン文字の勉強の続きをする。
ルーン文字にはそれぞれ意味があって組み合わせればより強力な魔になる、か。
問題はルーン文字が書けない事なんだよな。
もちろんペンを使えば書けるんだが、戦闘中はそうはいかない。
魔力を使って空中、又は地面に書く必要がある。
空中に書けるようになるのが理想なのだが、これが難しい。指に魔力を集中させてそれを自分の前に発させながら書き終えるまで殘す。
この殘すのが難しい。魔力を発させる事までは出來るのだが殘らない。
「この課題は早めに克服したいな。せめてあと數秒殘れば何とかなるんだけど」
魔力の込め方かな?量は?
込め方は変えられないか。量は増やせるけどが強くなるだけで殘る訳じゃない。
じゃあ、質かな?それこそどうやって変えるんだって話だな。
今まで魔力の作はイメージでやってきたんだ。的なイメージが決まれば殘るはずなんだ。
とはいえこんな寢る前に的なイメージが出來るはずもなく、諦めて布団にるため立ち上がった。
コンコンッ
「黒鉄君、起きてる?」
「起きてる。どうした?って良いよ」
白亜とはさっき部屋の前で別れたばかりなんだが、何か言い忘れていたのだろうか。
ってきた白亜を見てそういうのじゃないなと思い直した。
泣いてるな。そんで、ちょっと怒りかけてる。
「ごめん。もう寢ようって言ってたのに」
「大丈夫。どうせ考え事して寢れなかったから。で、どうした?何で泣いてんの?」
「このノートの事、なんでみんなにも、私にも言わなかったの?」
差し出されたノートは酷く古びた様子で力加減を間違えたら簡単に破けそうなくらいくたびれていた。
そして、ノートの題名は『我が子へ』に二重線が引かれており、『お兄ちゃんへ』に変わっていた。
優香の字だ。じゃあこの『我が子へ』ってのは、父さんの字?
いずれにせよ、俺はこのノートの存在を知らない。
「こんなノート、俺は知らない。でも、この字は優香の字だ。何で・・・。どこにあったんだ?」
「・・・本當に知らないの?」
「知らない」
「書が置いてあった機の中にあったよ。書を仕舞おうと思って開けた引き出しにってた」
「そう、そうか。その様子だと、読んだみたいだな」
「あ、うん。ごめん。黒鉄君は知ってて隠してると思って、勝手にムカついて勢いに任せて読んじゃった」
何その理由。可いかよ。
容は泣いてるのを見る限りヤバそうだよな。でも明日に回すのは気持ち的に無理だ。
その割に冷靜だな。テンパってるだけか?白亜が泣いてるの見て落ち著いたか?
まあとりあえず
「ノート貸して、読むから」
さて、気合いれて読むか。
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