《世界がゲーム仕様になりました》無自覚

時間が止まったようにじるほどの靜寂に包まれ、徐々に空気が凍っていく。

しかし俺が口を開くわけにもいかない。今何か言おうとしたら変なことしか言えない気がする。それはダメだ。

「・・・黒鉄君?また夢の容でも思い出したの?」

そう來たか。

いや確かにそう考えるのも無理ないよな。夢の容思い出して突然抱きついたのはたったの數時間前なんだから。

「いいや、違う」

「じゃあ、なに?」

「さあ?理由は分かんないけど、お前と一緒に居たいだけ」

「・・・何それ。じゃあ何で私は後ろから抱きしめられてるの?」

「引き止めるため?いや、そうしたくなったから、かな」

「・・・・・・・なんか、ズルい」

「白亜さん?お前にだけは言われたくないからね?」

「な、なんで!?」

「そんな事より、抵抗しないってことは側に居てくれるんだな?」

うん、俺暴走してるな。

人間には理と本能があって、俺は普段理に従ったいている。

しかし今は本能に全てを任せているための見事に普段しない事を連発している。

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そろそろいつも通り理的にかないとダメな気がしてきたぞ。

「え?うん。當たり前だよ」

「・・・そういうとこだぞ」

「ふぇ?何が?」

「お前のズルいとこ。まあ良いけどさ」

とりあえず離れようかと思って力を緩めたら、何故か反転してこっちを向いた。

そしてそのまま俺の背中に手を回してきた。

「・・・・・え?」「え?」

「いや、何やってんの?」

「え?何って・・・見ての通りだよ?」

「あのさ、恥ずかしいなら無理しなくていいからな?そもそも俺は離れようとしてたんだけど」

よく見れば耳が赤い。顔は見えないが顔も赤いのは何となく分かる。

ほんとズルい。

「い、今は顔見られたくないから・・・!」

「真っ赤だから?」

「な!?何で分かるの・・・」

「見れば分かるって」

だって隠せてないし。

「うぅ〜〜」

唸るな、くすぐったい。でも可いから絶対言わない。我慢だ。

「えいっ」

「え?ーーは?どわっ!・・・おい」

現在の狀況を一言で。抱き合ったままベッドの上で寢そべってます。

変な言い方をすれば、押し倒された。

「えへへ、仕返し」

「俺、何もやってないと思うんだけど?」

むしろやられてた方なんだけど。

「さっき、からかったから」

「そんなつもりは無かったよ。それから、さっきより今の方が普通は恥ずかしいと思うんだけど」

「・・・うん、恥ずかしい」

「なら離れれば良いだろ?」

「離れないでって言ったのは黒鉄君だよ?」

「ゼロ距離とは言ってねえよ」

「むぅ、私がこうしてたいだけだもん。ダメ?」

「ダメじゃないけど、それはずるい」

「言わせる方が悪いよ」

「言わせてない」

「察して」

「無茶言うな」

そこからしばらく、沈黙が続いた。

そして気付けば、白亜の力が段々抜けて來ている。

「白亜?このまま寢る気か?」

「・・・うん。黒鉄君、あったかいから。もう、眠いし。良いかなって」

「いやいや、ダメだろ。せめて離してくれ」

「や。どっか・・・行っちゃう」

「行かねえよ」

「離れ、ないで」

・・・なんか、立場逆転してね?引き止めたの俺だよね?何がどうなればこうなるんだよ。

ていうか俺の話聞いてなくね?聞こえてなくね?

「白亜?・・・白亜さん?・・・・・マジか」

寢てしまった。もちろん勢は変わってない。

ただまあ幸いなのは完全に寢たから力が抜けているという事だ。

起こさないよう慎重にを起こし、ベッドから降りて布団を掛ける。

よし、これで行こう。まずはを起こ・・・せませんでした。

ちゃんと寢てるよな?うん、寢てる。てことは無意識か。

を起こそうと離れた途端力がって強制的に元の狀態に戻された。

何度か試したが結果は同じ。

これは諦めるしかないかな。何か々まずい気もするけどそこはもう考えない。

俺はあの男とは違う。萬が一にも寢込みを襲ったりなんて、しない。

・・・暖かいな。居心地も悪くない。らかい。

何か、安心する。

ここで俺の意識は夢の世界へとわれた。

〜-〜-〜-〜-〜-〜-〜-〜-〜-〜-〜-〜-〜-〜-〜-

「んぅ・・・?・・・っ!?」

え、え!?えええぇぇぇ!!?な、なんで?何で私黒鉄君と同じベッドで寢てるの!?

お、落ち著け。落ち著いて私。順番に思い出そう。

確かノート読んじゃって、勝手に怒って黒鉄君の部屋にって・・・々話しして、離れないでって言われたんだ。

それから・・・ああぁぁ・・・。思い出した。私がベッドに・・・。

ていうか近いと思ったら私が抱きついてるのか!

離れないとと思う。けど離れたく無いとも思う。

むぅ・・・やっぱり寢てるとちょっと可いんだよね、黒鉄君って。

そういえば初めて黒鉄君を見たのも寢顔だったなぁ。確か黒鉄君のクラスの友達に教科書借りに行った時に窓の縁にもたれかかって寢てるの見かけて、なんか今みたいにちょっと可いと思って・・・。

そうだ、起きてる時の姿も見たくなったんだ。教室の前通るたびに目で追ってたっけ。いつも寢てたけど。

あ、でも1度だけちゃんと起きてるの見たな〜。寢てる時と違って、かっこよかった。でも今思えば、あの時は悲しそうな顔だった。

それから何となく気になって、気付けば探すようになって、同じマンションに住んでるの知った時はテンション上がったっけ。

出來るだけ遭遇するように出発したりして何度も遭遇したけど、やっぱり気付いてくれてなかったみたい。そもそも、私のこと知らなかったみたいだし。

まあ私も名前知らなかったんだけどね。

この2日で黒鉄君の事をたくさん知った。私じゃとても耐えられない。ううん、黒鉄君も耐えてるように見えて全然だった。

最初は辛い過去があったのにすごいな、強いなって思ったけど、黒鉄君は誰にも言えなかっただけでずっと抱え込んでた。

だから、離れないでって言ってくれたのが嬉しかった。

1人で抱えて、1人で決めて行する人だと思ってたから頼ってくれたのが嬉しかった。

出會って2日の私が言うのもあれだけど、黒鉄君らしくない行とか雰囲気とか言が私だけに見せてくれてるものだと思うと嬉しかった。

私って、獨占強いのかな?うーん、ちょっと違うな。

まあ、良いや。

「もうしだけ、このまま・・・」

顔を黒鉄君のに埋めて、背中に回したままの腕に力をれながら再び眠りについた。

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