《世界がゲーム仕様になりました》適正
しばらく本を見て回って気がついたことがいくつかある。
1つ目、魔法と魔の本は同じだ。例えば火を屬のスキルを発現させたい場合、魔法でも魔でも習得するための教材は同じ。
魔法が発現するか、魔が発現するかは適正の問題だろう。
2つ目、魔法と魔の本は手に取れるものと取れないものがある。
恐らくこれが適正なのだろう。
手に取ることのできる本は、決まって俺の興味をそそる容ばかりだ。
逆に手に取れない本はタイトルを見るだけで興味を失う。
3つ目、パッシブスキルは勉強や特定の作では発現しない。
こう思った理由は単純だ。パッシブスキルに関する本が一冊もない。
魔法や魔はもちろん武や、武道の流派まで細かく分類された本があるにもかかわらず、パッシブスキルの本はない。
まあ全部見て回った訳ではないので推測の域を出ないが。
「さて、これどうするかな」
々考えながら手に取れる本を手當たり次第手にした結果、本の山が出來てしまった。
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タイトルを見てある程度俺の適正を理解した後、優先度の高いものから順番に読んでいくことにしよう。
スキルを持っているだけあって、それに関連するものはすべて手に取れた。
そのため空手や道、合気道、林寺拳法など見知った名前から拳闘やら蹴撃、手刀なんてものまで多岐に渡る。
とりあえずその中から、蹴撃と合気道、を選んだ。
次に剣だが、片手剣と短剣しかスキルを持っていないので短剣用に暗殺とナイフの扱いについて書かれたものを數冊と片手剣スキルの本を選ぶ。
ちなみに片手剣の本は1冊しかなかった。
困ったのは魔だ。
回復に適正が多あるみたいだったのでそれは真っ先にキープした。
それ以外は現在持っているスキルの本をそれぞれ1冊ずつ。
今後覚えたいスキルが問題だった。
「どれもいまいちピンと來ないんだよな」
とはいえ山になってるからタイトルが見えない本も存在している。
まずは並べ直しを・・・
何の気なしに差しべた手が、あるタイトルの本にれた。
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「・・・闇屬」
やけに薄っぺらい本で、10ページあるかないか分からない。
本の山を崩さないよう慎重に抜き出して目を通す。
「闇は何にも染まらない。染めることはできる。故に闇とは全てである。闇とは唯一である。闇はのもとにある。故に闇は滅ばない。闇はをも染め上げる。故に闇はの上にある。闇は全てを飲み込み、全てを表し、全てを吐き出すものなり」
全9ページ。各ページに一言のみで構されていた。
ページをめくりながら読むと、途切れ途切れで分からなかったが、口に出すとちゃんと繋がっていることが分かる。
しかし意味がわからない。でもわかる。
「わからないけど、わかる。でも分からない」
確信があった。闇魔が発現した。確認の必要もない。
不思議に思いながら本を置き、また手をばす。
導かれるように2冊手に取った。
本の山が崩れるのなんてお構い無しに無造作に引き抜いたので大慘事になってしまったが、気にしたら負けだろう。
「風屬に氷屬か」
これなら"染まらない"だろう。いや、"染められない"だろう。
闇屬を手にれたおでどの屬を覚えるかという迷いが消えた。
実を言うと全ての屬になからず適正があったので山のように本が積み重なってしまっていたのだ。
屬が決まれば本の山とはお別れだ。
「後しいのは魔導銃だけど・・・まだ見つかってないか」
仕方ない。本の山を片付けながら、まだ見て回れていないところを見ていくか。
しばらく見て回ったが、火銃や機関銃など現実に存在するような武の本はあるが、魔導銃だけはどうしても見つからなかった。
しょうがないので諦めようかとも思ったが、ここで妥協するのは癪だしなんかそれはダメな気がしたのでシロナさんに聞きに行くことにする。
2人が見える位置に來たのだが、何となく話しかけづらい狀況っぽい。
白亜は真剣に聞いてるし、シロナさん何故かも俺の時より真剣に教えている。
シロナさんの態度に関しては若干思うところがないでも無いが、せっかく集中している白亜の邪魔をするのはダメだ。
あぁ、なんか疲れたな。
「・・・あ、あった」
本棚を支えにするように手を置いたのだが、手を置いた場所に魔導銃の本があった。
時々こういう普通ならあり得ない偶然があるけど、毎回マンガみたいだと思うな。
同時に何か得の知れない要素が働いているみたいで凄く嫌な気分だ。
「考えてもしょうがないな。大人しく何か読もう」
どれから読むかな。
やっぱり片手剣からだな。現狀1番使用しているスキルだし。
容は"こんな使い方ができるぞ"とか"こんな技があるぞ"といった表面的なものしかなかった。
早々に本を閉じ、読むのをやめる。
次に手に取ったのは合気道だ。
合気道は基本的に防や返しの技ばかりだ。
じゃあなぜ合気道を選んだか。
理由は簡単、を使うときは武を失ったときだから。
武を失う。あるいは丸腰である場合、大抵の敵はあちらから攻撃してくるだろう。ならばそれに対処出來るようになっておけば回避等のきで力を無駄に消費する事がない。
大の容を頭に叩き込んで、間髪れずに手を出す。
こちらも合気道と同様にけの技が多い。
しかし道のきを取りれているものもあり攻撃も可能だろう。
ただ、の基本は攻撃のけ流しらしいので合気道の返し技と相が良いのだろう。
最後は蹴撃だ。文字通り蹴り技の本だった。
基本は剣を持っている時でも使える技ばかりで助かった。
さて次は・・・風屬にするか。
本當ならもっと優先度の高いものもるのだが、言わぬ本から無言の圧力をじたので風屬にした。
今までの本は実際にを使わなければ分からないものだったので流し読みだったが、これはそうはいかなかった。
しかし読めば読むほどスッと頭にってきて、半分ほど読み進めたところで風魔が発現したのを確信できた。
しかし途中で読むのを止めるのは勿ない気がしたので、結局最後まで読んだ。
「これは面白いかもしれないな。魔は応用が利くからな」
今の俺の顔は、さぞかし悪い笑みを浮かべていることだろう。
そういえば結構時間が経った気がするけど白亜の方はどうなったかな?
本を読み続けて固まってしまったを解すようにかしながら2人の様子を見てみる。
どうやら區切りがついたようで、シロナさんは肩の力を抜いて力していた。
白亜は聞いたことを反芻して頭の中を整理してるようだ。
とりあえず聲かけてみるか。
「シロナさん、終わった?」
「ついさっき終わりましたー」
「疲れてるところ悪いんだけどさ、ここの本って持ち出して大丈夫?」
「ダメです」
「やっぱりか」
「種類は限られますが、複製するかデータとして端末に保存する事は可能です」
「分かった。じゃあ読もうと思ってる本持ってくるから判斷よろしく」
「あーい」
スイッチのオンオフの切り替えが唐突過ぎるな。
白亜は、と。うん、邪魔しちゃ悪いな。
本を読んでいた場所に戻っていつか読もうと思って殘しておいた本を含め手元に置いていた本を全部シロナさんのところに運んだ。
ざっと3往復くらいしたと思う。
「え、こんなにあるんですか・・・?」
「何か問題でもあったか?」
「あ、いえ、その、アクティブスキル関連のが多いのは分かるのですが、魔法関連の適正があり得ないんですけど?」
「なすぎるからか?」
「あ逆ですね」
「そうか。で、どれが複製できて、どれがデータ化できるんだ?」
「えーっとですねー」
10分ほどで判別が終わり、結果殘ったのは約30冊のうち複製できるものは10冊しかなかった。
的な割り當ては、まず屬から、闇、氷、風、炎。次にアクティブスキル関連から、拳撃、軍隊格闘。最後に魔法・魔関連から、回復、錬金、召喚、従魔。
この10冊だ。この中から拳撃を除く9冊を複製してもらった。
データ化できる本は魔導銃、付與魔の2冊。
2冊ともデータ化してもらった。
「ありがとう。疲れてるところ悪かったな」
「いえいえー、仕事ですので!」
「・・・・・・・」
「何ですか?何か言いたげですね」
「似合わないなって」
「な、失禮な!」
「はいはい。悪い悪い。白亜、頭の整理は終わったか?」
「・・・うん。大丈夫」
「本はどうする?」
「うぅ、基礎で一杯だから今回はやめとく」
「分かった。じゃあ行くか」
「うん!」
「それじゃシロナさん」
「「またな(ね)」」
「はい、いつでもお待ちしてますね!」
シロナさんと2度目の別れの挨拶をして、いつでもれるようになった図書館から外に出た。
そういえば、聞きたい事があったんだった。
まあ、いいか。
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