《世界がゲーム仕様になりました》それぞれの苦悩
外に出てししたら、ゴブリンが3見えた。
まず南雲と上月には俺たちがどう戦ってるのかを見てもらうことにして、白亜たちの近くで待機してもらった。
で、肝心の戦闘はと言うと、俺が開幕早々魔導銃で牽制して雅人が突っ込む。その後に俺も続いて後ろに回り込み1倒す。
ほぼ同時に雅人も1倒し、殘り1は加耶が魔法で焼き払った。
戦利品の回収を雅人に任せて、一足先にみんなの所に戻った。
「まあ、ざっくりこんなじでいつもやってる」
「何つーか、おれたちには無理な戦法だったな」
「だよな。せめてあともう1人居ないとり立たないよな。て訳で、次は雅人と加耶の2人だけで戦って貰おうと思うんだけど、どうだ?」
「私もそれが良いと思うわ。まあ、雅人次第だけどね」
「んー?呼んだか?」
「おう、呼んだ呼んだ」
大まかに説明と提案をしてみると、快諾してもらえた。
まあ危なかったら補助にはるとも言ってるので大丈夫だろう。
問題はどこまで白亜が手を出さずに済むのか、だな。
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早速次の戦闘で試してみた結果、2人だとぐだぐだになってしまった。
いつもの3倍近くの時間が掛かったのは流石に驚いた。
想定より連攜ができなかったので、急遽反省會兼作戦會議を開いて大まかにどうくかを話し合わせた。
作戦會議後の戦闘は、最初の想定に近いじになったので放っておいてもすぐにコツを摑むだろう。
「てな訳で、しの間単獨行をしようと思います」
「ダメです」
「します」
「ダ・メ・で・す!怒るよ?」
「待て、理由はちゃんとある。このままだと俺だけ暇だろ?だからある程度1人でも戦える様になれば今後が楽だし、素材とかも手にるから一石二鳥じゃん」
「でも危ないよね?」
「無茶する気はねーよ。ちゃんと相手は選ぶよ。無理そうなら逃げるから」
「・・・分かった。でも怪我して帰って來たら許さないからね」
おおっと、思ったよりすんなり承諾して貰えたな。
いやでも待て。怪我するなって、それこそ無茶だろ。
「か、かすり傷程度は勘弁して下さい」
「ダメ。って言いたいけど、流石に無理だよね。うん、かすり傷なら許すから、大怪我はしないでね?」
「分かった。善処する」
「善処?」
「大怪我はしません!絶対!」
「ん、よろしい。いってらっしゃい」
「いってきます・・・」
何故だろう。一昨日の一件以來、白亜がちょっと厳しくなった気がするんだが・・・。
ま、まあいざとなれば強引に押し通せば何とかなるから別に良いか。良いよね?うん、良い。大丈夫。
・・・多分。
「何つーか、大変そうだな」
「八雲よ、々やらかすとどうなるか分かっただろ?」
「おー。反面教師にさせて貰うわ」
「そうしてくれ」
そうして貰わなきゃ俺の立つ瀬がない。
全く、どうしてこうなったんだか。俺はただ良かれと思ってだな・・・。
やめだ。何度同じこと考えれば気がすむんだよ。
もう決めた。いや、開き直ってこれからもやらかしまくる事にしよう。
もちろん意識的にではない。結果的にそうなるだろうというだけだ。
「ゴブリン2。やれるな」
1人になってすぐにゴブリンを発見した。甘く考えてる訳ではないが、アレくらいならいけるはずだ。
片手剣を鞘から抜き、新たに覚えていたアーツの構えを取る。
恐らく一昨日のトップスピードでゴブリンに突っ込んだのがきっかけで覚えたのであろう突進技『ソニックラッシュ』を使って1処理する。
続く2目もこの前の要領で片付け、無事に終了した。
「ちゃんとアーツで突っ込んだからかな?後のきが安定したな」
いや、ちょっと待て。この世界がゲーム仕様になってから1週間も経ってない。々5日だ。なんでこの短期間でゴブリン2を余裕で倒せる様になるんだよ?
俺はこの世界になった直後、1人じゃ生きて行けないと思った。でも今ならどうだ?
どう考えても生きていける。
なぜだ?能力が上がった?確かに魔力作で上がってる。じゃあそれが無ければ?
「・・・やってみるか」
ゴブリンを探して歩き回って數分後、単のゴブリンを発見した。
先程と同じように『ソニックラッシュ』で奇襲を仕掛けるが、首を刎ね飛ばすまではいかなかった。
そもそも狙いが狂って腕を斬っている。とはいえその腕も皮一枚が辛うじて繋がってる程度だ。
覚が違う。剣が重い。
ここ數日じていなかった重みをじて困したところをゴブリンが見逃すはずもなく、リーチは無いが手數の多いナイフで攻め立ててくる。
「くっ!この!」
剣を両手で握って応戦する。何とかやり合えるが、このままだといずれ斬られる。
一か八かナイフを力ずくで弾いて、今度こそ首を斬る。が、力が足りず刎ね飛ばすまではいかなかった。
それでも深く斬りつけた事に変わりは無かったらしく、間合いを取ってしばらくすると事切れた。
「噓だろ・・・?いや、これが現実か?」
ゴブリン相手にアーツ有りでこれだけ苦労するような実力なんて、認めたくないもんだな。
強化なしでも戦えるように鍛えないとな。・・・そんな余裕あるかな?
まあいい、後で考える。とりあえず今日は強化ありでやる事にしよう。
その後の戦闘は快だった。ちゃんとした強化じゃ無いはずの魔力作での強化がどれ程のものなのか実できたのが大きかったのだろう。
結果的にゴブリン7、コボルト3、スライム1、ワーウルフ2を倒した。
それなりの數戦闘をこなして、自分の実力がどの程度かざっくりと把握したところでみんなの所に戻る事にした。
手が空いてそうな白亜に端末で居場所を聞いて、出來るだけ戦闘を避けて合流した。
ふと既視のある覚に襲われて、何となくステータスを確認したら隠スキルが発現していた。
短剣スキルの時も思ったが、スキルの取得が簡単過ぎないか?普通もうし苦労するもんだろ。
あー、いや。この世界での普通ってのを知らねーや・・・。
「あ、おかえり!」
「ただいま。どうだ?」
「うーん、あまり良いとは言えないかな」
つまり全然ってことか。
実際、戦ってるところを見てもぎこちなく、歯車が絶妙に噛み合ってないじがする。
何というか、こうしなきゃいけないと思っていてるじだな。もしマニュアルみたいのがあれば、それの通りにいてるイメージだ。
まあ結果だけみると倒せているので慣れの問題だと思ってるのかな?
「うーん、中々さが取れないな。やっぱり初日は無理そうか?」
「あぁ、悪いな雅人。せっかく教えてくれてるのに」
「いや、初日はそんなもんだろ。オレ達も似たようなもんだったしな」
加耶と上月も似たような會話と共にああしようこうしようと意見を言い合っているが、何となくそれではダメな気がする。
というわけでちょっと口出ししようと思います。
「ちょっと良いか?」
「悠、戻ってたのか」
「し前にな。で、大丈夫か?」
「大丈夫。つか助かる。オレ達じゃもう手詰まりで」
全員困り顔で頷くので本當に手詰まりだったらしい。
まあ南雲と上月には出來る限り自分達で答えを出してしいので軽くアドバイスするだけに留めるかな。
「そっか。じゃあとりあえず、お前ら2人を見本に戦わせるのが目的じゃないからな?」
「「どゆこと?」」
「あくまでも南雲と上月が2人で戦えるようになるのが目的だ。お前らの戦闘スタイルを真似させるのが目的じゃない。そう言ったんだ」
「・・・なるほどな。サンキュー、黒鉄」
どうやら南雲は気付いてくれたらしい。教える側の2人が気付いてないので、後で戦ってる間にでもちゃんと説明するとしよう。
「おう。ほら、ゴブリン1。行ってこい」
「よっしゃ!早苗、ちょっと」
「ん、なに?」
さて、どうなるかな。
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