《Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜》初心者ダンジョン攻略が溫すぎるのですが?

西の魔王の住むダンジョンを目指す道中に、定休の魔のいるダンジョンがあるということなので、俺とシルティスの二人で潛ることになった。

その間、ヤン兄とコウジは馬車で留守番だ。

「まぁ、待ってなさい。一日で終わらせてくるから」

「流石にどんなに強くても最下層まで一日は無理だろ。モンスターなんて勝手にダンジョンが生み出しやがるし、一度攻略されたダンジョンは、ボス部屋に通常モンスターたちも湧くようになるから長期戦になる」

「ご主人ならその程度、1人で數時間で終わりそうなものよね……」

「そうだね、その通りだってリースとセイルも言ってるよ」

「あれ、今この場に馬いないよね?」

今はダンジョン日かずきすぎて魔に襲われるといけないので、し離れたところにある街道に待機してもらっているはずなのだけど……幻聴でも聞こえてるのかしら、怖いわー。

「空気伝いに會話はできるからね」

「あ、はい、そうですか。わー、すごーい!」

「よく、わー、すごーい! って言ってるけど、それ何?」

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「ヲタクじゃない君は一生知らなくてもいいことさ」

たちをしているのは俺の同胞であるヲタクたちだけでいいです。ヲタクが彼たちを獨占します。俺は2次元彼たちしかせない。

わー、きもーい! 僕はイキリヲタクなお友達なんだぜ! きもーい! ヲタクは一生貞でも許される代わりに、一生罵られるんだぜ! なくとも俺の知りうる限りではそうなってる。偏見で結構、捻くれ者でも結構。実験が元であるので異論の存在は認めても自分の中でそれを咀嚼することは無い。

「じゃ、行ってくるわ」

「ゴートの坊やも気をつけなさいよ? あなた弱いんだから」

「殘念だけど、俺コウジよりは強いからな?」

「「うそっ!?」」

……最近シルティスとよく気が合うなぁ。

そんなこんなで俺たちは馬車を離れていく。俺の右手には出発前にコウジに貰った魔よけの松明が握られていた。

◇◇◇

王國により指定されている、國の第5級ダンジョン、ナルセスの窟。

王國誕生以前からあったこの星の中樞に通じる窟が、魔力をけてダンジョン化したもの、らしい。ちなみに第5級ダンジョンというのは一番下のレベルで上位のものは1級ダンジョンと言われるらしい。

ナルセスの窟は、今ではダンジョン化した影響で星の中樞から切り離されていて、全53層のフロアからなる大型ダンジョンという區分で危険區域になっている。そして今、そんな危険區域のダンジョンの第一層にいる訳ですが。

「さぁて、どうしたもんかなぁ……」

雑魚を倒しすぎてレベルが上がると、また死に戻らなくては行けなくなる。いや、蘇りか、あれは。

「シルティス、何かいい案無い?」

「そんなの再起の魔法をかけておけばいいんじゃないの?」

「あれは僧系の人達じゃないと使えないでしょうが」

「ご主人なら使えてもおかしくないと思うのだけど」

「スキルの地力はあっても、俺自が魔法を使えないからな。スキルによる、自分が魔法を使えるっていう思い込みで何とかしたくらいだし」

「それを使えばいいんじゃないの?」

いや、簡単に言ってくれるけどさ。あれは個人的にものすごく危険なスキルだと思ってるから急時以外は使いたくないんだよね……

「『オーバーライト』は暗な俺には強力過ぎるスキルだったんだよ」

「まぁ、暗なご主人では使いこなせないのなら、私がこれから有意義に使うわ」

「あ、そうか、あれは數値化できるものじゃないからそのままの現象が起こるのか」

それで俺の使いこなせないスキルをシルティスが使いこなせるのなら、俺としてはかなり好都合だ。シルティスを隷屬させたのは案外あたりだったかもしれない。

「まぁ、いいわ。今の會話の間に雑魚はみんな殲滅したから次に行きましょ!」

まるで遠足に行く小學生のように、スキップして先を進んでいく。さぁ、コスプレ大好きな3次元好きなペドフィリア俺には理解不能な趣向の皆さん。紫ロングのロリのスキップシーンです、シャッターチャンスですよ。いや、まぁペドフィリアまで行ったら犯罪まっしぐらな気がしないでもないから言いすぎたかもしれないね、ロリコンくらいにとどめておくよ。今更だけど。

しかし、ロリがいますよと言っただけでどこかから『ドプフォww』とか『フォヌゥゥ!』みたいな聲が聞こえてきそうなものだが、生憎ここは地球のダンジョン秋葉原ではなく、異世界のダンジョン魔窟。響くのは自分たちの足音と、したの階層から響くうめき聲だけなので気分が晴れることは全くない。

「なんかだんだん攻略めんどくさくなってきたな……シルティス、ちょっと実験したいことがあるんだが」

「どうしたの、ご主人」

「『オーバーライト』で俺がどんな魔法でも使えるって思い込んでみてくれないか?」

「うん? 分かったわ」

シルティスの能力で俺に異変が起きた場合、ノーリスクで俺は『オーバーライト』を使用しているのと同じことになる。シルティスのことも考えると多用はできないが、それでも手段のひとつとして考えておいてもいいだろう。

「『オーバーライト』」

シルティスがそう唱えて、俺が魔法を使える狀態を強くイメージさせる。

「お、きたきた」

ベースキャンプで炎を使った時と同じ覚、いや、それ以上の何かがが俺のに流れ込んでくる。

「殲滅魔法『滅槍』」

俺がそう唱えると、俺の背後に巨大な槍が出現し、ダンジョンの地面を貫いてどんどん地下へと潛っていく。この槍は、どう空間にいる敵対生を全て排除する魔法だ。昔、とある作品に登場したラノベ作家の嫁がそんな話書いてた。3次元の市場には出回らなかったので設定のみの再現となったが、なるほど面白い使い道もあるもんだ。

槍の効果が切れたのか、槍が一番下までもう著いてしまったのか、『グギャアッ!』というび聲が聞こえたあとに滅槍は消えてしまった。

そのまま空いた大を使って降りれるところまで降りたが、階層は35層。やはり窟全を同じ空間として捉えるのは無理があったようだ。

35層も認識してくれただけでありがたい。

「スキル解除……はァ、これめちゃくちゃ疲れるわ、ご主人……」

俺のあとを降りてきたシルティスがスキル解除の言葉を放った。肩で息をするようにしてこちらを忌々しげに見つめるその姿は、もうふてた小學児そのもの。70オーバーの威厳なんてこれっぽっちもないちっこいだ。

「うーん、これがサキュバスねぇ……」

「魔王になった時に、いらないものは全部捨てたのよ……」

「え? 長も?」

「黙らっしゃい」

いつものように他ない會話の応酬をし、次の36層へと下る階段を見つける。

『キシュォェェェエ……』

すると突然気味の悪い鳴き聲が響き渡り、窟の不気味さを駆り立てる。

目の前で蠢く、巨大な蟻のような魔を、『狀況対応』で真似てあった鍛冶師の能力で作った剣で一指し、地面に剝製のように打ち付けた。

「ステータス、オープン」

『スケイルアント 

Lv38

以下個人報により匿』

ありの魔のステータスは今まで俺があってきた魔の中では中間くらいのレベルだった。

モンスターに個人報とかあるのだろうかと思ったが、ヤン兄やコウジの時もそうだったので、基本的に他人のステータスはすべてを確認することは出來ないしようなのだろう。

さて、36層の平均がこれくらいだとすると、レベルアップで限界値になるのが早そうだな……

「シルティス、ここいらでちょっと死んどくか寢ておくか」

「ちょっと待って何かがおかしくない?」

シルティスが慌てて事前に俺に教えられていたスキルを使う準備をし始めた。

「んじゃ、ちょっとひと眠りだ」

コウジに貰った魔よけの松明を自分たちの周りに立て置いて、ひと眠りする。

窟にって30分。改新的な早さで36層まで降った俺は、このペースなら1日でこの窟を出られるという狀況に、ダンジョンの要領のいい攻略方法を頭に叩き込むという當初の目的が思いの外早く葉いそうだとを踴らせていた。

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