《Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜》ついに初心者ダンジョンのボスがお目見えですか?

明らかに53層に降りるためだけに作られたと思われる51層の隠し部屋の階段を降りて、ボス攻略に向かって気合をれる。

なんせ俺たちの目標は一応だが魔王討伐だ。こんなところで長時間道草をくっているわけには行かない。嫁たちに俺がいなくて寂しい夜を過ごさせてしまうのはいちばんいけないことだからな!

このダンジョンに來たのだって、ダンジョン攻略になれておくのと、ダンジョンの魔の平均的な強さを知っておきたかったからという、明確な理由があってのことだ。明確な理由……明確な……明確……この理由って明確? やっぱ本拠地毆った方が早そう。

まぁ、とりあえずこの世界ではギャルゲのように分岐選択前にセーブして何度も繰り返す、ということが出來ないので、ただひたすらに近いところ、近いものをみて學んで、後は実戦で対処していくしかない。とはコウジのけ売りだ。

「ご主人、さっきの事忘れてないからね?」

服が全て蟻魔の唾で溶かされてしまったシルティス。あなた魔族なのに魔に襲われるんですね。まぁそんなことは今更か。ちなみに服はシルティスが自分で、鉱石を線維化して『狀況対応』を使って作ったらしく、白地に赤や黃の花が咲くワンピースを著ている。そんじょそこらの防よりよっぽど防力高いんじゃねぇの?

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「いやぁ、俺のいた世界に沢山いた『大きな汚友達』たちがとっても喜びそうだったぞ」

「まって、それやばい人たちの事じゃない? 私腐った奴らには近づきたくないわ」

さすが察しがいいこと。大きな汚友達危ない大人達のことをいち早く察したようだ。その察しの良さはし捨て置かないと、ロリな見た目に遭わなくて人気でないかも。あ、ロリババアっていう需要があったわ。

悪寒でもじたのか、そのをブルっとゆるわせるシルティス。

「……生理的にむり」

やめてあげてください、これ以上彼らにダメージを與えないでっ! あっ、僕の心臓にもダメージが! 心停止しちゃうぅぅぅぅー!

「そんなこといいからさっさとボス倒そうよ、ご主人。早く帰りたいんだったらこんなとこでチンタラしてないで早くバルトラを倒しに行かないと」

あぁ、そうだった。本當ならこんなところによってる時間はないんだった。何度も自分でそう言ってるはずなのになぁ。

「お、おう、じゃあ、行くか」

目の前にある大きな両開きの扉を押し開け、そのままゆっくりと中へと進んでいく。中は薄暗く、奧までが良く見渡せない。

「念の為、こいつも著ておくか」

紐でくくって肩に吊り下げていた風鎧も早速実戦投するとしよう。

著方がよくわからなかったのでし焦ったが、さすが異世界。れると鎧が勝手にき、飛び回って自で俺のに裝著された……すげぇな。どこのアーマータイ〇だ。

鎧の裝著がすべて終わると、ステータスが開いて文字が浮かび上がってきた。

『【風鎧グリファス】の裝著を認識。対象者のステータスを3倍、脳に強制的に風魔法の全データをインプットします。魔法能力は魔力消費鎧裝著時の2倍になる代わりに、未裝著時でも使用可能となります』

はい、チートか。馬鹿みたいな魔力量があるから大した消費量にはならんよ、2倍でも。これ別にもう著てなくてもいいじゃないか。

そんな雑なことを考えていると、勢いよく風魔法の報が頭の中に流れ込んでくる。ほうほう、風魔法、案外種類多いな。

ただ、消費量が最大の魔法でも、俺の魔力の500分の1も使わない。おいシルティス、お前どんな魔法使ってあんなことになった?

「おい、シルティス? お前どんな魔法使ってあんなに魔力消費した?」

「え、ただの闇魔法だけど……たしかにあれは魔力消費多いらしいから。まぁ、私は闇魔法しか使えないから文句言っても無駄よ?」

「ふーん……魔王なのにか。なんかちょっと幻滅」

「そんなのと知らないわよっ!? 私は武闘派だったの! 魔なんて嗜み程度なんだから! ていうか、私戦力扱いされてるけど、実際は魔王たちを倒すための報を提供するために來てるんだからね?」

「じゃあ、これからは報だけじゃなくて戦力も立派に提供してください」

「この主ってホント、クソだよねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

……こいつ言いたかっだけだろ。てかなんで知ってるんだよそのネタ。現世ネタだぞおい。さらに言えばお前のキャラじゃそんなセリフ普通湧いてこないだろ。お前との爭い口喧嘩はちゃんとツッコミっていう産を生み出してるよ。

『……我を狩りに來たのではないのか?』

「そうだった」

自分から話をかけてきた長3メートルくらいの巨大スケルトンを、『黃羽(オウバ)』を橫薙ぎして消し炭にする。

「……あ、ボス戦終わった……」

あまりのあっけなさに一人あっけに取られる俺。

「まぁ、ご主人の実力だったらこうなるわよね。あ、転移魔方陣ある。この式だと1層まで続いてるわね」

ボスは呆気なく消えるし、敵は一回攻撃が全攻撃で一撃必殺だから勝手に消えるし、唯一のダンジョン要素で道覚えてきたのに転移魔方陣ってなんなんですか? このダンジョン作ったやつ、馬鹿なの? アホなの? 死ぬの?

……魔王と戦う時もこんなじなんだろうか。せめて、當たった瞬間にぜるとか塵になるとかはやめてもらいたい……俺頑張ったが薄れる。

ただ剣を振って數人消して元の世界に帰るだけ……つまんな。いや、決して驕り高ぶってるつもりではないのだけれど。

……楽しむために來たわけじゃないけど、正直クソつまんな。このダンジョンクソだわ。俺の中には何も殘らなかったわ。あ、強いて言うならシルティスに持たせてる鉱石たちと俺の著てる『風鎧』だけが今回のメリットだろうか。

なんだよ、じゃあボス倒す必要もなかったし、いちいちこんなじで倒しながら下っていかなくても良かったな。毆って床ぶち抜けばよかった。

「ご主人の無駄な考察は、元から使う必要がなかったわけね。最初からフロアの床をぶち抜いて進めば」

さっきの仕返しが出來てにやけ顔のシルティスのコメカミをグリグリと拳でいじりながら、転移魔方陣を起して1層に戻る。

……実はこの魔方陣乗ったら真のラスボスが目の前に!? とか期待したのだけど、全くそんなことは無かった。このダンジョンって、クソだよねぇぇぇ!

ことごとく俺の期待を裏切るこの世界に腹が立つ。

「……早く聖域自室に戻りたい……」

退屈な思いを抱えながら、そのためには早く魔王をボコらなければいけないのだと自分に言い聞かせて、そっと窟を出ることにする。

俺の攻撃力で頭をグリグリといじられたシルティスは目が回ってしまったようで、後から窟の壁を伝ってゆっくりと這い出てきたのだった。

ちなみに転移中に床をすり抜けて上階へと登っていくのが視認できたのでダンジョンの壁を紅羽と黃羽でガンガン切り裂きたので、恐らくかなり長い間蟻共はわかないだろうと思われます。

すまんな、腹いせだ。悪気しかなかった。

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