「訓練？しないね。」

「なんでだい？」

理由は簡単だ。全ステータスが10しかないからだ。どうせ足手まといになるくらいなら、知識をにつけるべきだろう。でもそれを正直に言うのは癪だ。黙ってステータスを見せる。

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ステータスが低すぎる勇者がいることは聞いていた。しかし、普通の人より弱いとは。しかしLv.Maxのスキルを取っているとは。レベルは最大10だが7もあれば達人と言われる。私もLv.9のスキルしか持ってない。

しかもエクストラスキルの使い手は初めて見た。

「じゃあ取引しよう。」

「取引？」

「私と手合わせしたら知りたい報を提供しよう。」

「？狙いは何だ？」

「狙いなんてないよ。」

実力が知りたい。Lv.Maxスキル持ちなんて初めてだし興味がある。とはいえそんなことをいう理由はない。適當に言っておく。

「まぁいいや。騎士団団長なら下手な本より信用できる。」

「嬉しいね。」

素直に褒め言葉はけ取っておこう。

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とはいえ職業がないからどの武がいいか分からない。なら、好きな武にしよう。俺は剣を握った。

「おい、無能が訓練すんのか？」

「ははっお前に剣なんて似合わねぇ！」

「無能らしくさっさとこっから立ち去れよ。」

罵詈雑言を浴びせられながら俺は団長の前へ行く。悔しいと言えば悔しいでもこんなことを言われることなどもう分かっていた。

「言い返さないのかい？」

「それほどの実力はないので。」

「そうかじゃあ始めようか。」

の丈ほどある大剣を持ったスヴェート団長は重さをじさせないスピードで迫ってきた。俺は一本の剣で耐えようとするがかなり重い攻撃だ。こっちの剣が折れてしまいそうだ。俺は後ろに思いっきり飛び退き、相手の剣を観察する。

右上から左下に、次は回転してまた斬る。剣を後ろに回して持ち手を持ちかえる。そして、薙ぎはらう。

単純な攻撃パターンだがスピードとリーチにより隙がない。

すると、一気に大剣が襲うように迫ってきた。剣で守ろうとしたが、かなり重い攻撃に剣が折れるのは考えずとも分かった。

「ふう終了だね。」

「ええ、まぁ報が貰えればいいですけど。」

「そうか。何聞きたい。」

「じゃあ……」

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ふう、今日はいっぱい聞けたな。歴史だったり地理だったり魔法だったり。まぁちょっと訓練になったが、剣は12回しか當てられなかった。何かし屈辱的だ。っといつの間にか部屋を過ぎたみたいだ。

戻ろうとすると聲が聞こえてきた。

「本當にやらないといけませんか？」

アンキッラさんの聲だ。確かここは王の間のはずだ。

聲はなんとなく震えているように聞こえた。

「もちろんだ。無能にわざわざ支援などする意味はない。」

「で、ですが彼も確かに被害者。」

「私に意見する気か？」

最後の一言が重くじる。鉛玉でもつけられたようだ。俺をどうにかしろってことだろう。分かっていた俺は役立たずってことは。

俺は今までで一番重い足取りで部屋に戻った。