《発展途上の異世界に、銃を持って行ったら。》50話

今回は神の獨り言みたいなじなので、し……いや、かなり短めです。

さすがだ。

この短期間で、『ゾディアック』を5人も討ち取るなんて……私の想像以上だ。

それに、『冥刀みょうとう』……あれを抜くとは、予想外だった。

彼が過去に傷付いている事は、知っている。

だから……彼は『冥刀』を取らないと、抜かないと思っていた。

「……なかなかどうして、面白い展開に進んでいくんだろうね」

『雙子座』と戦った後の百鬼君……とても苦しそうだった。

は理解している。『冥刀それ』が、一番使いやすい武だという事を。

頭は理解している。『冥刀それ』が、れたくない武だという事を。

と頭が、同一の理解をしていない……故ゆえに起こる拒絶反応……か」

白い空間に浮かぶモニターのような……それに映る、1人の年。

地面にうずくまり、嗚咽を繰り返す年……金髪のと、紫髪のが近くに寄り、そのを優しくでていた。

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「……彼なら……『魔導銃』本來の力を、正しく使えるかもね」

『魔導銃』本來の力……隠していた。彼が悪人だったら、その力を確実に『世界滅亡』に導くだろうから。

『壱式』から『伍式』の5つの形態と同等……もしくは、それ以上の力を持つ形態。

『陸式』『漆式』『捌式』『玖式』……あ、『漆式』はそうでもないか。

「『陸式 火炎放フレイムスロー』『漆式 信號銃フレアガン』『捌式 線銃レーザーガン』……そして、破壊と滅亡をもたらす『玖式 対裝甲車両破壊弾ロケットランチャー』……」

彼に授けた『能力』……『無限魔力』。

能力と『魔導銃』……この2つは、使い方次第で世界を簡単に滅ぼすことができる力だ。

「彼の能力で、『玖式』を発すれば……何もかも、こそぎ死んじゃうからね」

だから黙っていた。

彼が悪人だったら、と考えれば……當然の行為だ。

もっとも、私が1人1人丁寧に調べて、そこから異世界に送る人を選べば、こういう事に悩まなくてよかったんだろうけど。

選で適當に選んだから、悪人かどうかわからなかったのだ。

「隠していると言えば……冥刀も、か」

彼らが『冥刀 殃禍おうか』と呼ぶあの刀……あれは、『剣ヶ崎つるぎがさき 天空そら』に渡した神だ。

剣ヶ崎君にあげたのは……神と、『魔法』の適と、能力の底上げ、この3つだ。

「……『冥刀』を抜くには、『魔法』が使えないといけないからね」

に必要な力を授ける……百鬼君にもしてあげた事だ。

剣ヶ崎君が『冥刀』を使うために『魔法』の適を。

百鬼君が『魔導銃』を使うために『無限魔力』の能力を。

「……まあ、隠しているって言うより、みんなが勘違いしてるだけなんだけど」

黒い鞘、黒い刀、黒い花弁の鍔……なぜ、あんなに禍々しい刀へと姿を変えたのか。

「『明刀みょうとう 桜花おうか』……霊を宿す、神聖な刀……だったんだけどね」

白い鞘、白い刀、桜の花弁の鍔……あれだけしかった刀が、今はあんなに禍々しい姿に……

「……『神の霊 エレメンタル』」

あの刀に宿る、最強と呼ばれる霊。

神最強』は……人を選ぶ。

正義に溢れ、他人を助けるためになら自分が傷つくことを恐れない剣ヶ崎君。

彼を見た『神』は……『明刀』から『冥刀』へと姿を変えてしまった。

それが……私には、理解できなかった。

「……まあいいや。彼には世界を救ってもらうんだし……過去を乗り越えてもらわないとね」

神の権限……それを以もってすれば、彼を一時的に元の世界に返す事ができる。

彼を元の世界に返して……過去を乗り越えてもらう。

「『明刀』と『魔導銃』……両方を使っても、魔王に勝てるかわからないんだからね」

最兇の存在、魔王。

異世界では強すぎる『明刀』と『魔導銃』、そしてその2つをる百鬼君の『魔法』と『無限魔力』……それらを全力で使って、ようやく魔王と渡り合うくらいだろう。

「……刀を一振りするだけで、刀を握るだけで拒絶反応が出るなんて……ね」

拒絶反応が原因で、魔王に勝てなかった……そんな事、あってはならない。

だから、過去を乗り越えてもらう……全力で戦えるように、全力で刀を振るう事ができるようにするために。

「それじゃ……暇を見て、地球に送ろうかな」

手を前に出す事でモニターの映像を消し―――

『ヘルアーシャ!何してるの?!』

「『クロナサーナ』……どうかしたの?」

『時間見なさいよ!突撃時刻よ!』

『クロナサーナは相変わらず時間に厳しいですね~。もうしゆったりしましょうよ~。そうすれば~、いつもと違う景が―――』

『黙りなさい『マカルドーラ』!』

耳元で聞こえるキンキンとした聲……『四大神』の1人、クロナサーナだ。

「突撃時刻って言っても……まだ30分以上前だよ?気が早いんじゃないかな?」

『なーに言ってんのよ!むしろ遅すぎるくらいだっての!ねえ、あなたもそう思うわよね?『アルヴァーナ』?』

『わ、私は……うん。ちょ、ちょっと遅いかなー、なんて……言って……みたり……』

オドオドと、ハッキリしないような意見を述べるのは……これも『四大神』の1人、アルヴァーナだ。

『まあ~、早く終わらせてゆっくりしたいのも事実ですし~?私は早めに行っても良いですよ~?』

ゆったり、ゆっくり、マイペースに喋るい聲の主は……マカルドーラ、『四大神』の1人。

『だってさ!ほら、さっさと行くわよ!今日こそ『魔界』の兵舎をぶっ潰してやるんだから!』

『気が早いですね~。でも~、そういう所は~、嫌いじゃないですよ~』

『ぶっ、ぶっ潰す……なんて……そんな、暴力的な……』

聞き慣れた3種の聲を聞きながら、出撃準備を始める。

……百鬼君も頑張ってる事だし、私も頑張るとしようかな。

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