第ニ章

第26話、回避して逃がすのだ！

僕は街の人よりも速く走り出し、ゴブリンを三召喚した。ゴブリン達に戦わせる。

「では従させていただく！覚悟！」

その言葉の後、強魔族は僕の見えないスピードで前に出ていたゴブリン三を跡形もなく消しとばす。僕も何が起きたかわからない。だが地面に亀裂がっているのを確認すると何が起きたのかすぐにわかった。鞭を振ったのだ。鞭を振ってゴブリン三を消しとばした。僕はし後ろに引き、村の人々も後退する。

「いやいや召喚士がいたとはねぇ〜。でもゴブリン程度で私が倒せると？舐められてるんだね〜。」

そういうとシチホダは鞭を振り上げ僕の方向に向かって地面を叩いた。僕は間一髪逃げ切り、後ろを見ると村の人もギリギリ間に合ったようだった。

「ふむふむ。なるほど。前の村よりは楽しめそうじゃないか！私の初撃を全員避けた。死亡者ゼロだね〜」

かなり楽しんでいるご様子だ。ニタニタしながら話してくる。僕は攻撃を仕掛ける。

「ファイヤーボム」

僕が放った火の玉がシチホダの目の前で音を立て発する。村の人々は歓聲をあげる。しかし…

「うんうん。なるほどね〜。わらわにダメージを負わせるとはそこの下等生、なかなかやるわね〜。」

煙が消えた後蛇は姿を現した。全く効いてなさそうに笑みを浮かべている。その姿を見た村の人々は何人か逃げ出す人もいるようだった。シチホダは追いかけない。その理由はー

「逃げても無駄よ〜。ここにいる顔は全部記憶しておいたから〜。地獄の果てまで追い続けてあげる！」

要約するとどこへ逃げても自分が死なない限り捕まるか死ぬと言うことだろう。無理ゲー確定だ。

次はシチホダがく。何か飛んで來たと思い避ける。避けた先にも何かが飛んでくる。その何かがついた地面は溶けていた。

「もしかしてこれって。毒か？」

「その通り！毒よ！當たればすぐに死ねるわ！」

四回連続で毒が飛んで來たがギリギリのところでかわす。

「いいわね。あなた。今までここに來てから一番いいきをしてる下等生よ！決めた！あなたは百パーセント生かしてわらわの人実験道にしてあげるわ！だから抵抗せずにその場でひれ伏せ！」

「お褒めに預かり栄です。シチホダ様。ですが抵抗しないなど不可能です。僕には守るべきものがありますし、まず人実験などされたくありません。勝たせていただきます！」

「あらそうですの。まあ必死にもがいて捕まえた時の下等生の顔もなかなかいいものですからね。そうしましょう。村の方々、特別にあなた方は今逃げれば許してあげますわ。まあ土地はいただきますけど。あなた方などもういらなくなりました。この人間だけで充分ですもの。」 

その言葉を聞いて僕は言う。

「逃げてください。ワンストさん。さすがにあれは何人でかかって倒せる相手じゃない。」

「いやしかし……俺たちは、いや俺たちの村だ！ここは！俺たちが唯一帰ってこれる土地なんだ！だから俺たちで守りぬかなければいけないんだ！」

「僕が勝てば土地はそのまま誰も被害は出ることはない。そうではないですか？」

「でも君に大きな負擔をかけるわけには……」

「……足手まといなんですよ！」

「え！？」

「僕は今ワンストさんがおっしゃっている村の存亡をかけたこの戦いに巻き込まれて大きな負擔を抱えているのです！そして今この狀況、つまり村の皆さんがいるこの狀況。これは村の人を守らなければいけないという負擔もかかっているのですよ！僕が村の人を見ながら戦わなければいけないのはこれ以上できません。だから村の人達はもう逃げてください！僕が戦いやすいようにこの場から立ち去ってくれ！早く！早く！！」

「……」

「……ああわかった。そういうことなら。」

街の人々は逃げていく。村の外へどんどん。……ふう。言い方はもっとなんかあったのではないかと考えてしまう。足手まといなはずない。一緒に戦ってくれると言われて心強かった。だけどそれで充分だ。これで完全に一対一の戦い。やるかやられるか。どちらかしかない。

僕は毒にし強い、ファイヤーエレメンタルをニ召喚する。ここからが本番だ。