《異世界は現実だ!》過去②で事件なのだ!
第六章
第138話、過去②で事件なのだ!
 
〜婚約一ヶ月前〜
私はあの出來事があってから毎晩泣くようになりました。それはメイドも分かっていたようで、いつも心配してくれました。お父様やお母様には言えず、彼ともその後何度か會っていました。何回か二人の時がありましたが、その時にはあの夜のような事をやられていました。
そしてあの日、朝起きるとベッドの前にお母様が座られていました。私が起きたのを見て、急に泣き始めました。
「ごめんね、気づいてあげられなくて…」
「え?」
私はメイドの方を見ると俯いていて目を合わせません。 
「どうしたの?お母様?急に謝られても…
…!!!」
「本當は嫌だったんでしょ?結婚。」
その後、私はお母様から話を聞きました。昨日の夜私が寢る前に泣いてるのを見つけ、私が寢た後メイドに聞いたところ彼と私のあの夜のことやその後のことも話をしたようです。また彼が魔法を使えて迷をかけないように黙っていたことも。
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その話を聞いたお母様はお父様にこの事を話し警備兵の何名かと朝、婚約打ち切りの話をしに行ってまだ帰ってきていないことを。
「怖かったわね〜。ごめんね〜……」
そのことばをお母様は泣きながら繰り返し、私の頭をでてくれました。その時の私は不安という気持ちは隠れ、ただ泣いていました。
その夜、お父様は帰ってくるやいなやすぐに私に近寄り結婚破棄できたことを報告されました。それに加え彼が魔法を使えることも発覚し、牢屋にれられた事を知りました。
私はその時ホッとして彼の脅迫は忘れていました。
〜婚約破棄三週間後〜
結婚破棄がされてなければ丁度結婚一週間前の日。あの日不思議な事件が相次ぎました。
有力貴族の家に次々と小火ぼや騒ぎが相次ぎました。それは私の家も例外ではなく、丁度お晝過ぎ近くの倉庫から火が出て水霊によって消されました。
その時は何も思いませんでした。しかしそれがただの小火騒ぎではないというのが分かったのはそれから一週間後、つまり私が彼と結婚する予定日でした。
その日の夕食終わり。家族全員で広間で會話をしていると、外で小さな破裂音が聞こえたのです。
「今のは何事だ?」
「今、下に行って確認しに行くところなんですが。」
警備兵は外に出て行きました。そしてその後すぐ、悲鳴が聞こえたのです。
"ぎゃーーー!!!"
その聲は紛れもなく先程下に行った警備兵のものでした。そして次の瞬間。
"ドガォン!!!"
大きな破裂音の後、視界は瞬く間に火の海になりました。お父様やお母様の悲鳴が聞こえ、それから助けに來た警備兵達の聲が聞こえて來ました。
そしてもう一つ聲がしました。聞いたことのある聲でした。その聲はこちらに向かって來て次の発の瞬間、火の間に一人の男の姿が見えました。
その男は紛れもなく、監されているはずの私の婚約者でした。
「ミーナちゃん!お迎えに參りましたよ!どこですか〜ん!?」
そして家は火の海になる中、彼は結界を纏いこちらに近づいてきます。不敵な笑みを浮かべて。そして私の元に來て、火の中私のを舐め回します。お父様も気づいていましたが落ちて來た瓦礫に下敷きにされきが取れません。お母様はどこにいるのかもう見ることはできませんでした。
私の悲鳴と彼の汚らしい聲しか私の耳にはってきませんでした。
しかし次の瞬間、火は氷と化し彼は私から引き戦闘態勢に移りました。
「誰だ!俺とミーナちゃんの結婚儀式を邪魔するのは!?」
「はい?あなたこそなんですか?家に勝手にり込んでこんな狀況にして……旦那様や奧様を手にかけ、ミーナ様に酷いことをして!最低な人ですね。復讐ですか?男貴族はそうやって何の罪もないをそんな風にしていいんですか!?……結婚儀式?あなたにそんな資格もう……ありませんよ!!!!!」
「貴様は何者だ!!!」
「私はタン・アースタル家、使用人、ミーナ様の教育係のスレム・タール・ガルグ・ミスタルトです!!この下衆男!もうけないようにしてあげますわ!!!」
「スレムちゃん、君は我が家の使用人に過ぎない!だから力は使わなくても……。」
「いいえ、旦那様。私はタン・アースタル家に一生使え、一緒に楽しみ、苦しみ、悲しみ、喜び合うと決意しています。だから死ぬ時もこの家で死なせて下さい。私がこいつをそちらに行かせないようにするので、旦那様、ミーナ様のこと頼みます……私はこの家に仕えられてとても幸せでした。」
"氷の壁アイスウォール"
スレム、そう私は彼の名前を本名をその時始めて聞きました。彼がタール・ガルド・ミスタルト家であることに。そして彼は最後笑いました。まるで私に『生きて下さい』と言っているかのように。
その後お父様は足を怪我してしまっていてくことができませんでした。そして翌日、彼が消えたことを知りました。あるメッセージを殘して。
"深手を負った。今は會えない。また會いに行く。お前の使用人と一緒に。どこへ逃げても追いかける。大好きなミーナちゃんへ。"
その後私はまた家に來て荒らされるのは嫌ということで自國を出て逃げる事にしました。
彼は必ず追ってくる。
だから都市を転々としながら、他の人に迷をかけないように生きているのです。
その後、一度自國に帰った時噂として流れて來たのが各都市で霊族と一人のによる荒らし行為が発生している、とのことでした。それは確実にスレムと彼だということです。
私がこの國を飛び出した時に合わせて私の行った方角の町で事件が相次いでいることもわかりました。
「必ずどこかで皆さんに迷をかけてしまう。それでも私を迎えれてくれますか?」
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