《死神と呼ばれた殺し屋は異世界に》第13話 狂戦士
「いいか、手加減するんじゃねえぞ。」
「ああ。」
須賀原の武はメリケンか。どちらも近接武、つまり必然的にリーチやスピードでより多く攻撃できるかが問題となる。
しかし、リーチはメリケンと短剣で特に差はない。つまりスピードでの手數が問題だ。
「では開始!」
すると、須賀原は大聲を放つ。
「スキル発・狂戦士バーサーカー!」
危険を本能でじる。速く処理しなければ大変なことになると。懐から短剣を取りだし素早く距離を詰めるが、途中で風圧に邪魔される。
どうやら須賀原の周りに強い風が吹いている。よく見ると須賀原が立つ大地はひびがっている。すると、さらに強い風が俺を吹き飛ばそうとする。須賀原のはし赤黒く、蒸気を噴き上げている。
一歩踏み込む。來る!と思った瞬間地面にひびがるほど蹴りあげ、俺の前に來る。これが一歩で進む距離か!?短剣で斬ろうとすると、拳で短剣を毆られ、破壊された。
そして、俺を毆ろうとする。繰り出した右手の拳を左手で捌き、腹パンを繰り出す。しかしい。そして、須賀原は後ろに退く。
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おそらくさっきのスキルは、ステータスの大幅強化といったどころか。そして、短剣を破壊された俺は、
武創造のスキルで造るとその隙を突かれるだろう。
拳で戦う。
構え距離を詰める。須賀原も同じことを考えていたのか距離を詰める。俺は拳を開き、須賀原の両腕を摑む。外側に開いたあと、地面を蹴りあげ顎を蹴る。
顔が上に向き、俺はその隙を突き右ストレートの腹パンを繰り出す。
「グッ!」
き聲をあげながら、吹き飛ばされる。よく見ると、口からを流している。さっきの攻撃で口の中でも切ったのだろう。
この調子で追撃をくらわそうとまた距離を詰める。
すると、気づかぬうちに俺のすぐ橫には拳が迫っていた。
気づいたときには顔を毆られ吹き飛ばされる。腕を地につけ勢を立て直す。かなり痛い。メリケンで拳の威力が上がっている。前を向きまた距離を詰める。今度は拳が前から來る。俺も合わせるように拳を繰り出す。
拳同士がぶつかる。痛い。拳からはどのくらい吹き出しただろうか。だが、気にしてる狀況ではない。左手の拳も繰り出す。すると、腹を毆られる。き聲が元までくるが、ぐっとこらえる。
あとはもう退かない。ラッシュで押し切る。右手の拳を繰り出したら、拳を退くと同時に左手の拳を繰り出す。しかし、須賀原も同じことを考えていたようだ。須賀原もラッシュを繰り出す。
當てると避けると捌くと當たる。この繰り返し。
やはり、攻撃は當てているが、須賀原の拳が重く痛い。近接同士だからこその戦闘だな。攻撃を當てやすいが同時に攻撃が當たりやすい。
「グハッ」
須賀原の腹パンが見事にクリティカルヒットする。
これ以上は押し切る前にこっちが潰れる可能がある。アッパーを繰り出し足で須賀原の腹を蹴る。
吹き飛んだ須賀原のに近づきさらに、攻撃を與えようとする。
しかし、須賀原も攻撃しようとする。だが防いだらチャンスはない。これはどちらが耐えられるか。俺の右ストレートのパンチが須賀原の頬に當たる。と、同時に俺の脇腹にパンチが當たった。それと同時に気を失う。
◆◇◆
目が覚めたとき、目の前には見知らぬ白い天井があった。どこだここ?そう思うと隣から聲が聞こえた。
「起きたか、佑。」
隣はカーテンで仕切られてるが、聲で分かる。須賀原だ。
「ここはどこだ?」
「醫務室だとよ。どうやら俺達同時に倒れたらしくてな。まさか、勝負の結果が引き分けとはな。」
引き分け、だったのか。勝ちたかったのかと聞かれれば勝ちたいとは思った。だから正直悔しさのはある。
「……おい、佑。」
「なんだ?」
「これで終わりと思うなよ。」
「は?」
「俺達は、絶対にもう一度勝負して決著をつける!
約束だからな!」
「……ああ。」
そうだな。このまま終わってもすっきりしない。絶対に決著はつける。
「……なぁ。」
「なんだ?」
「なんで俺に絡むんだ?いつも。」
「……最初はただのむかつきのだったんだ。」
「雪華と仲良かったから?」
「……それもだな。あと態度だったり々。」
散々な言われようだな。
「けど、お前なんか隠してそうでよ、それを知りたいって思った気持ちもあるな。」
隠しているか。
「う~ん、でも上手く言えねぇな。」
「いや、分かったから良い。」
コンコン
ドアをノックする音が聞こえる。
「大丈夫か?二人とも。」
「ミステリア団長。」
「大丈夫ならこんなところにいねぇよ。」
「その減らず口は元気そうだな。」
「で、何の用ですか?」
「いや、ただの連絡だ。」
「連絡?」
「ああ、1ヶ月後、近くの迷宮攻略に行くからな。」
ああ、迷宮ね。異世界でよくあるパターンか。
「連絡は以上だ。しっかり直せよ。」
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