《死神と呼ばれた殺し屋は異世界に》第29話 後悔しないために

怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、

怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い。

の脳にはすでにその言葉しかなかった。恐怖、もう何もじたくない、もう何も考えたくない。1人でありたい。

そのが溢れ、目を瞑った。何も見たくなかった。拒絶されることが嫌になった彼は、拒絶されないよう1人をんだ。

しかし、そのせいで彼はぶつかった。それにより目を開ける。

「ひっ!」

そこには、彼が會いたくなかった、人間という存在がいた。

「おいおい、こいつ可いな。」

「奴隷商人に売ったら結構儲かるんじゃね?」

「その前に遊んでおこうぜ。」

怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い。

恐怖のあまり顔を歪める。もう誰にも気づかれたくないのに、逃げないと。立ち上がり逃げようとするが、足がもつれひねってしまう。

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もうダメ、そう思い目を瞑った。すると、私の頬を風がでる。目を開けると、

「アルジェント、大丈夫か?」

そこには私が突き飛ばしたはずのあの人がいた。

~~~

叡知ウィズダム、アルジェントの居場所は分かるか?

『彼と同じサイズの足跡、同じ歩幅を見分け、彼の通ったルートを推測します。』

了解。すると、俺の視界に緑のルートが現れた。これが推測されたルートか。行くべきルートが分かったからか、さらにスピードを上げる。

すると、男3人とアルジェントを見つけた。アルジェントは怯えている。しかも、よく見ると足をひねっている。

スピードを上げ、抱えるようにアルジェントを掬い上げる。

「な、何なんだ!お前。」

すると、いきなり襲いかかってきた、短気すぎるだろ。でも襲いかかってくるなら、

敵と見てもいいよな。

「形狀フォルム・銃ガン・創造クリエイト」

拳銃を造り、この3人を撃つ。でも、殺すのはまずいからな、足を撃つとしよう。6つの足全てに一発ずつ撃ち込む。

さて、これでいい。逃げるとするか。

「アルジェント、立てるか?」

すると、首を橫に振る。俺はアルジェントを背負うことにする。さて、叡知ウィズダム、近くの宿まで案してくれ。

『分かりました。』

さて、これでやっと落ち著ける。

◆◇◆

された宿は、木で建てられた趣がある宿だった。

ると、従業員らしいがカウンターに立っている。

「すみません、二人部屋って開いてますか?」

「ええ、何日泊まりますか?」

「とりあえず一日で。」

「では銀貨20枚です。」

俺は金貨1枚をカウンターに出す。

「では銀貨80枚のお釣りです。」

今の所持金が金貨7枚と銀貨98枚か、79800ギル。しばらくはギルドで稼ぐしかないか。

俺は鍵をけ取り、部屋へと向かう。鍵を閉めたら、アルジェントをベッドの上に寢かせる。いつの間にか寢てしまったみたいだ。

持っていた服をテーブルに置いて俺は椅子に腰かける。にしても、結構稼いだものの金の心配はないほうがいいよな。はぁ~どっかにドラゴンでも現れないかな?

いや、その前にランクを上げるか、そうでもしないとドラゴンが現れても任せてなんてくれないよな。とりあえず、明日はギルドで先輩冒険者にランクをどう上げればいいか教えてもらうか。

「ん~」

そして、アルジェントの目が覚めた。

「……何で助けたの?」

俺を見ると俯きそう言った。

「俺は守りたかった。君のことをいつの間にか守りたいと思うようになった。…………とても自分勝手だ。でも、君を守らせてほしい。」

「……………。」

ポタッ

すると、一粒の涙がベッドの上に落ちた。泣いている、どうして?すると、さらに涙が落ちていく。

「………守りたい、なんて……言われたこと、な、無い、のに……。」

「ごめん、迷、だよな。」

「迷、じゃない。むしろ……嬉しい。あのとき、突き放したのに……助け………てくれて……ごめんなさい……離れないから……突き放さないから……私の側にいてくれますか?」

「……ああ、もちろんだ。」

俺はアルジェントが泣き止むまで抱きしめた。

~~~

「大丈夫か。」

「大丈夫。ありがとう。」

「……あのとき何があったんだ?」

すると、アルジェントの顔がし暗くなった。

「私の耳を見られて、エルフとばれたの、咄嗟に耳を隠しても遅かった。そして、あの人が騒ぎ出した。」

「えっと、エルフと人間って仲悪いのか?」

「それどころか、全種族仲悪い。1000年以上前から。」

「ってことは。」

「そう聖戦。」

聖戦……。王城で読んだ本で読んだことがある。1000年前に起こったと言われている、種族間での戦爭。自分達の種族が1番だという理由のために行われた、下らない、俺からしてみれば下らない戦爭だ。

結局、全種族に多大な被害を出したというのに決著はつかず、互いに平和條約を結び終わらせた戦爭。

だが予想はしていたが平和條約など名前だけ、やはり格差だったり差別だったりそういうものはあるんだな。

しかし、聖戦が起こる前は1つの大陸で全種族が仲良くしていたらしいのに、何で自分達の種族が1番なんてことが起きたんだ?

その後、それぞれの種族は分かれ、その後1つの大陸は分かれ6つの大陸になった。

……結局、報われない戦爭などする意味あるのだろうか。

必要な犠牲という言葉がある。その言葉は間違っていない。犠牲が必要な狀態は普通に存在する。それに対して何かを言うことは俺にとっては間違いだ。

しかし、聖戦は必要な犠牲など生んでいない。必要な犠牲というものは、犠牲を払う価値があってこそその言葉がり立つのだ。

生き殘ったものも犠牲となったものも、何も得られない。何も報われない。悪戯に死者を出したこの聖戦を殺人劇と呼ばずになんと呼べばいいのだろう。

戦爭なんて地獄だ、必要以上に死者を出し、完結した結果が報われるようなものとは限らない。

………それを俺が言うのか?

いや、それより。アルジェントをどうするか。

「耳を見られたらエルフと分かるよな。」

「そう。」

「なら、」

俺はテーブルの上から服を探す。その中から一著の服を見つけた。白のフード付きのパーカー、あのとき咄嗟に拾った服だ。

「これを著てみればどうだ?」

すると、アルジェントはそれを羽織った。

「で、」

フードを頭の上に被せる。

「これで耳は見えなくなった。」

「ありがとう。」

すると、今まで見たなかで一番の笑顔を見せた。

「私、拒絶されることが當たり前だった。ユウも、いつか私を拒絶するかもと思った。とても心配で、怖かった。ごめんなさい。疑って。」

「謝らなくてもいい。だから、俺を信じてくれ。俺が必ず守るから。」

「……はい。」

俺は、この世界に來てから何度も心が痛くなった。それはその人達を守りたいと思っていたからだったんだ。でもそれができなくて、悔しくて。

だから、後悔しないために、守りたいものは守るんだ。

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