《死神と呼ばれた殺し屋は異世界に》第31話 Cランク昇格試験
チュンチュン……
小鳥の聲が聞こえる。目を覚ますと、が俺の顔を差していた。椅子に座って寢ていたのか。……腕を頭の下に置いていたからか腕が痛い。
「起きろ、アルジェント。」
ベッドへ行き、アルジェントのを揺らす。起きたのは揺らし始めてから7秒後だった。
「…ユウ……おはよう。」
「速く起き上がれ、今日もギルドで金稼ぐからな。」
「ん、もうちょっと寢かせてください。」
「分かったご飯抜きな。」
「起きますからそれだけは~!」
ああ、師匠を起こすときもこうやって起こしたな。懐かしい。しかも返答まで同じだし。まぁ、朝は食べたほうがいいし、起きなかったとしても本當にご飯抜きにするつもりは無いけどな。
……まあ師匠のときは起きなかったときご飯代置いてよく散歩行ってたけどな。そして、帰ってくるたびに泣きながら謝ってきて、こんなときくらいしか泣かないからついからかったりしたな。
そう懐かしいことを回想しながらドアを開け、二人で部屋から出た。
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「この近くに味しいご飯が食べられる場所あります?」
「それなら、2件左にあるレストランが朝早くからやっていて味しいと評判ですよ。」
「ありがとう。」
俺達は一度チェックアウトして、この宿から出た。にしてもこの時間から開いてるか、いや開いてないだろうな。時間が早いからあまり期待せず見るだけ見ようとすると。
「もう開いてるのか。」
「開いてるならりましょう。」
レストランは白い建で、この世界の文字で「デリツィーゾ」と書かれた看板を掲げていた。その店のドアを開ける。
すると、中から元の世界のコックの格好をした白い髭を蓄えた紳士風のお爺さんが出てきた。
「いらっしゃいませ。2名様でよろしいですか。」
コックの格好って異世界でも同じなのね、でも分かりやすくていいや。
「ええ、2名です。」
「それでは、ごゆっくりどうぞ。」
俺達は丸テーブルの席に座り、メニューを見る。……殘念ながら米はないか。仕方ない。ピザはあるのか、じゃあそれを頼もう。
「アルジェント、これを半分にして食べるか?」
「食べます!」
目を輝かせながら食い気味に言う。その姿に驚き、をたじろいだ。
「お決まりですか?」
気づいたときにはさっきのコックが隣にいた。忍者かよ………そう思いながら注文をした。
「………分かりました、それでは々お待ち下さい。」
そして、コックは調理場のようなところへっていった。そして、俺はアルジェントに1つ聞く。
「……アルジェント。」
「何ですか?」
「お前さ、し口調変わってない?」
何か、し言葉使いが丁寧というか、です・ます調になっているような気がするのは俺の気のせいだろうか。
「本來はこういう口調なんです。気にしないでください。」
気にしないでと言われてもな~。まぁいいや。出されたお冷やを口まで運び、飲みながらピザを待っていた。
◆◇◆
「おまたせしました。こちらマルゲリータピザでございます。」
……この世界にもマルゲリータってあるんだな。……マルゲリータってイタリアのマルゲリータ王妃が由來なんじゃなかったっけ。
「……この料理、誰が考えたんですか?」
「こちら、前勇者が伝えた料理でございます。」
……やっぱり、勇者は俺達の前にも召喚されたんだな。……そうなるとまだ誰も魔王を倒してないのか?気づけば、コックはもういなかった。
「アルジェント、魔王ってまだ倒されてないのか?」
「魔王はまだ倒されてないですね。そもそも魔王と戦えたのも初代勇者しかいませんし。」
「なるほどな。」
俺はピザカッターを使い半分に切り分けた。アルジェントは切り分けたピザを摑み、食べ始めた。その笑顔を見て、幸せそうな顔をするなぁと思った。
◆◇◆
俺達は會計を済ませて、ギルドの前の扉についた。ここまで聞こえるほど聲が聞こえる。宴會でもやってるのだろうか。
俺はドアを開け、中にるとその瞬間一気に靜かになった。おい!さっきまでの宴會ムードはどうした!何があった!
……まぁいいや、クエストボードを見るとするか。しかし、見に行ったものの上手く稼げそうなクエストは見當たらない。すると、
「ヤガミ ユウ様、アルジェント・クレアーレ様、ギルドマスターがお呼びです。」
付嬢が話しかけてきた。ギルドマスター?俺何かしただろうか、……とりあえず行ってみるか。
◆◇◆
付嬢についていくと、やがてし豪華な扉についた。
「ギルドマスター、Eランク冒険者ヤガミ ユウ様、アルジェント・クレアーレ様を連れてきました。」
「うん、ってくれ。」
はきはきとした聲が部屋の中から聞こえた。ドアが開き、部屋の中には二つのソファーがあった。上座には青髪の腰らかそうな青年が座っていた。
「どうぞ、二人とも座ってくれ。」
俺達はお言葉に甘え、座ることにした。
「で、何の用でしょう?」
「単刀直に言わせてもらう。君達にCランク昇格試験をけてもらいたい。」
「……アルジェント、どうする?」
「私はどっちでもいいです。」
「……俺達にとっては願ったり葉ったりだ。ただ1つ聞きたい。どうして俺達に昇格試験をけさせてくれるんだ?」
「君達は、オークキングを倒したのだろう、あいつはBランク相當の魔だ。しかし、一となると実績が足りない、だから一歩レベルを下げてCランクにしたい。」
「なるほど分かった。けよう。」
「ありがとう。これがそのクエストだ。」
俺はギルドマスターから1枚の紙をけ取った。
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クエスト・狩猟【コカトリス1の討伐及び水源の浄化】
コカトリスが現れ、水源から毒を流している。倒して水源を浄化してほしい。
・報酬金5000ギル
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報酬金がEランクのクエストとは桁違いだな。銀貨50枚か、とりあえず稼ぐとするか。
「1つ聞きたい、水源の浄化はどうすればいい?」
「これを使ってくれ。」
すると、1つの袋を投げ渡された。中を見ると白いコインのようなものがっていた。
「これを水にれれば同時に魔法が発し、浄化される。」
「分かった。」
「あと、コカトリスは毒を持っている。【狀態異常解除ポーション】を持っていけ。」
「分かった。ありがとう。」
そして、俺達は部屋から出た。
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「ヤガミ ユウか、面白い奴だ。」
1人になった部屋でギルドマスターはそう呟いた。
◆◇◆
戻ってきたが、相変わらず靜か。お通夜ムードだ。俺達は付のカウンターに行きクエストを注する。
そして、ギルドのドアを開け外へと出る。
あとは【狀態異常解除ポーション】だな。道屋に向かった。
「はーい、何をお買い上げになりますか?」
道屋のドアを開けるとベルの音と赤の可いの子が出迎えた。……言っておくが俺はロリコンではない。確かに可いと思うことはあるが、的対象としては絶対に見ない。
「【狀態異常解除ポーション】を10本頼む。」
「分かりましたー。」
すると、小さな手で【狀態異常解除ポーション】を抱えた彼が現れた。
「銀貨5枚になりまーす。」
「ほい、銀貨5枚、アルジェント、持っといてくれ。」
「分かりました。」
心地よいベルの音とともに俺達は外へと出た。
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