《死神と呼ばれた殺し屋は異世界に》第32話 コカトリスと毒

「さてと、ここが。」

「コカトリスの出る森。」

すでに気配察知のスキルは発させてある。しかし、今回は魔が群れを組んでいるようだ。たくさんの赤い丸が集まっていていた。

せめて何がどんな魔か分かればいいんだけどな。

『探したい魔を念じれば分かりますよ。』

いやまさか、そんなことないだろ。そう思いながらコカトリスの言葉を頭の中に浮かべ念じる。すると、マップの1つの丸が青くなった。これが、コカトリスの場所?

『はい、そうです。』

マジかよ。もっと速く知りたかったわ。さて、じゃあ最短距離で向かうとするか。

「アルジェント、行くぞ。」

「分かりました。」

そして、俺達は走り始めた。

◆◇◆

すると、前方に魔の群れを見つけた。隠で通りすぎるという手もあるが、レベルも上げられるだろうしここは迎撃を選ぶか。

「アルジェント、手を出さないでくれ。」

「分かりました。」

「形狀フォルム・短剣ダガー創造クリエイト」

途中で弾切れが怖いからな。近接武は攻撃をける確率が上がるが、弾切れとかの概念がないからな。見たじ20以上居そうだし。

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さらに近づくと、群れの正はゴブリンの群れということが分かった。ゴブリンは冒険者の武や防を剝ぎ取る習があるらしく、駆け出しの冒険者はゴブリンによく注意をするらしい。

「スキル発・隠

ゴブリンに姿を見られないようにして、群れに近づく。何もれないように、音を立てぬよう近づく。隠スキルは、自分かられたものに対してはそのものも対象となる。

しかし、れられた場合は隠スキル自が解除されてしまう。また、味方でも敵でも攻撃に當たった場合は解除される。また、大聲を出した場合も隠スキルが解除される。

誰にも見つからないというメリットの代わりにれられた場合、または攻撃が當たった場合、または大聲を出した場合、解除されてしまうデメリットも存在する。

こうして考えるとデメリットが30分の隠に釣り合ってるのか分からんな。

そして、十分近づき後ろからゴブリンの首を斬る。鮮が切り口から吹き出し、他のゴブリン達はパニックになり、綺麗に整った陣形がいとも容易く崩れた。

俺はその中でさらに何か斬る。すると、パニックは大きくなり、死から離れていく。しかし、ゴブリンはが小さいため、足も短く速く走れない。

余裕で距離を詰め斬り殺していった。やがて、先程まで整った陣形で行していたゴブリン達が居た場所がだまりとなった。

「ふう。アルジェント、ゴブリンの魔石剝ぎ取るの手伝ってくれ。」

「分かりました。」

俺達はしばらくゴブリンの魔石回収をすることになった。時間を犠牲にしたが、その代わり金も経験値も稼げてラッキーだと思った。

◆◇◆

……目的の青い丸の近くまできた。コカトリスはその場からいてなかった。おそらくそこを住み処としているのだろう。

しかも、そこは水源の近くであった。わざわざ水源を探さなくてもよくなったのはいいな。さて、コカトリスは毒を使うんだったな。

なら気づかれないようにまた隠スキルで倒すか。なんか姿を隠して倒すのって暗殺者になった気分だな。

……殺し屋だけど。

「一応、魔法の準備をしといてくれ。」

「分かりました。」

……やっぱり慣れないな、その口調。でも、そのせいかアルジェントが大人っぽく見える。それに頼もしい。

「スキル発・隠

俺は木の影から駆け出し、コカトリスにさらに近づく。コカトリスは雄鶏と蛇を合わせた姿と、伝説通りの姿だ。

は、赤や緑、紫と鮮やかで全で危険と表すようなだった。俺はコカトリスの後ろに回って、ジャンプし、首に向かって短剣を向け刺す。

すると、赤が強い赤紫のが噴き出した。このまま深く刺していき斬ろうと思うと、短剣が紫に染まりつつあることに気がついた。

なんだ?と思うとその紫がしずつ上に上がっていることに気がついた。そのことに脳が警報を鳴らしていた。

それと同時に、考えるより先にいた。短剣から手を放し、コカトリスのから飛び降りる。

自分の右手を見ると、皮の一部分が紫になり、さらに周りへと侵食していた。叡知ウィズダム、速く

【狀態異常解除ポーション】を出してくれ!

『分かりました。』

手の上に必要以上【狀態異常解除ポーション】が乗ったが、気にしている必要はない。ポーションの栓を抜き、口の中に流し込む。

すると、紫だった皮が一瞬で治った。……凄いなポーション。俺はまたポーションを戻した。にしてもわざわざ取り出すの面倒くさいな。

『なら、ストレージスペースから取り出せるベルトポーチでも出しましょうか?』

そんなんあるの?本當に叡知ウィズダムチートだな。

『今更ですか?』

……うん、そうだな。お前がチートなのは今更だったわ。とりあえず、そのポーチ出してくれる?

『分かりました。』

すると、空中の青いゲートから黒と青で彩られたベルトポーチが自的に腰につけられた。これで手間は省けたかな。

コケェェェェェェェ!

すると、鶏の聲が聞こえる。おそらくコカトリスの咆哮だろう。にしても、あの毒をくらっただけで隠が解除されるのか。

とりあえず、刺さったままの短剣を解除するか。すると、苦しい痛みがきた。くそっ、短剣が毒にかかったから解除したら魔力として戻って俺が毒狀態になるのか。

素早くポーチから【狀態異常解除ポーション】を取りだし、飲む。空になったポーションを投げ捨て、一度距離をとる。そろそろだからな。

「ライトニングスピア!」

アルジェントの魔法、空が黒くなり、バチバチと不気味な音を立てている。

「形狀フォルム・盾シールド・創造クリエイト」

現れた盾を摑み、自分の目の前に立てる。……この盾って魔法だけど雷通さないよな。……いや、変な想像はしないでおこう。

すると、天がる。

ドンッ!

衝撃音とともに天から紫の閃がコカトリスへと一直線に降り注ごうとしていた。そういや、雷って距離でや音が変わるって何かで見たな。

雷が降った場所を見ると、そこには抉れた地面しかなかった。コカトリスはどこにいった?

コケェェェェェェェ!

すると、聲が聞こえた。その場所は………

空だ!

「鶏のくせに空を飛びやがって。」

鶏は空を飛ばないイメージがあるが、それは違う。鶏も飛ぶことは可能。飛べないのは人間が空を飛ばなくてもいい環境で鶏を飼ったからだ。

鶏の先祖と考えられている「セキショクヤケイ」を大昔の人が捕まえて飼うようになった。

狹いところで飼われるようになり、敵は人間が追っ払うようになり、餌も人間が食べさせてくれるため、太っていき、また飛ぶ必要もなくなっていった。

「セキショクヤケイ」は、もともと飛ぶことが苦手だったためますます飛ぶことが苦手になった。

一応、今の鶏も痩せていたら飛ぶことは可能らしいが、鶏が飛ぶのを見たのはこれが始めてだ。

さて、どうやって殺すか。

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