《死ねば死ぬほど最強に?〜それは死ねってことですか?〜》第8話〜偽り〜
次の日、司はステータスが上がったことを騎士団員に相談した。報を得るためだ。自分に何が起きているのか知るために。もっと強くなるために。
「一日でそんなにステータスが上がるわけがないだろう。勇者と呼ばれる才能の塊でさえ、何か月もかけてしづつ強なったんだ。それは何かの見間違いだ」
騎士団員から帰ってきたのは完全な否定。勇者でさえできないのに、お前には無理だ。という嘲笑うような表と共に。
「本當に一日で上がったんです。前例とか何でもいいんで、そういう話ってないんですか?」
「そんなものはない!」
騎士団員に強く言われて、司はしたじろく。今までの司ならそこで終わっていただろうが、今の司は違う。力を得るためにやれるだけのことをすると決意したのだ。
「しでも報がしいんです! なぜステータスが上がったかわかれば、もっともっと強くなれると思うんです」
「だから、何度も同じこ」
「あるかもしれないね」
騎士団員の言葉をさえぎり會話にってきたのは、副団長であるアンナだった。
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「本當ですか!」
「可能があるとすれば、君たちが授かった能力だね。能力とは神から與えらるもの。常識なんて通用するとは思えない」
「なるほど」
アンナの言葉に司は納得した。だが、さらなる疑問が浮かび上がる。不死のどこにそんな能力があるんだ? と。死なないのは分かったが、今までステータスが上がったことはなかった。司はさらに頭を悩ませることになる。
訓練終わり、また森山達からのいじめが始まる。司はそれを、喜んで待っていた。能力に関して何か分かるとすればこの時間しかない。能力が発するたびに増えた違和。その理由をつきとめるために。
「どうした? 最近おとなしいな」
「なんかつまんねーな」
今日は短く、能力の発が五回しかなかった。だが、死ねば死ぬほど違和が増すのは昨日と同じ。司は何かに気づいた。もしかしてこれは! 司は急いで自分の部屋に戻りステータスの確認をする。
力:D+
攻撃:D-
耐:D
魔力:D+
魔法攻撃:D
魔法耐:D
俊敏:D+
能力:不死(強化)
やっぱり! 昨日よりもさらに上がっている! ステータスが上がっていたことで、疑問が確信に変わった。この能力は……
司は書庫に來ていた。能力のこともそうだが、昨日手にしたあの紙の真意を知るために。何か手がかりがないか司は本をあさり続ける。次の本をとろうとして、バランスを崩し本棚に倒れこむ。衝撃で本が落ちてくると同時に、司は何かを発見した。いかにも古びた本だ。書庫のと比べても明らかに古い。
司は機に行かずその場で本を読み始めた。そこには衝撃のことが書かれていた。今まで読んだ本とも、教わってきたこととも違う。全く知らないことがそこにはあった。続きが気になる! さらに読み進めようとすると
「おい! こんなところで何してるんだ?」
急に聲をかけられ驚いてしまう。そこには書庫の管理をしている騎士団員がいた。
「すいません。つい夢中になっちゃって」
「なんの本だ?」
「すごい古そうなんですが、この本です」
司は本を手に取り騎士団員に渡した。
「こんなものがおもしろいのか? 変わってるな」
騎士団員が渡された本。それは司が見つけた本とは違ったものだ。なぜ他の本を渡したのか。それは司にもわからない。何か嫌な予がしたのだ。言葉で言い表せなほど、底知れない何か。
「早く寢ろよ~」
騎士団員は軽い挨拶をして、その場を去っていった。確かにもう遅いし、明日読むことにしよう。本棚の裏に見つけた本を隠し、司は書庫をでた。
書庫の騎士団員は司が出ていくのを確認し、隠した本を見つけ出した。その本の容を読み、大急ぎで走り始める。向かった先はヘルメスの自室だ。
「ヘルメス様!」
「なんですか?」
「この本を見てください!」
騎士団員は見つけた本をヘルメスにさしだす。
「これは! これを読んだものがいるんですか?」
「藤井司です」
ヘルメスはそのことを聞き、安心したような表を見せる。
「そうか。どうせ盾にしかならん役立たずだ。今のうちに消えてもらう……か」
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