《死ねば死ぬほど最強に?〜それは死ねってことですか?〜》第28話〜心〜

なあ、俺は間違ってたのか?

(さあ、どうだろうな)

お前がやれって言ったじゃないか。

(そうだな。でも、仕方ないじゃないか)

何が!

(そうしなかったら君は壊れていたよ。ルギスさん達を守れなかったと嘆き、涙を流して暴したんじゃないのか?)

どうしてそう言い切れる! 俺は命を奪いたくはなかった。

(じゃあ考えろよ! 汚れた手でルギスさん達と一緒に過ごすか。綺麗な手で孤獨に生きるか。どっちが良かったんだ!)

でも、俺は命を

(いい加減にしろよ! どっちも犠牲にせずにどっちも守りたいなんて甘えなんだよ! 大切なものを守るんじゃなかったのか? そのためにすべてを犠牲にするんじゃないのか?)

それはそうだ! でも命を奪うことは

(お前は力を願ったんだろうが! 誰でも守れるようにって! 大切なものを失いたくないからって! その結果に対して言う言葉がそれか? 寶の持ち腐れだな。笑わせるな!)

お前はなんなんだよ! 知ったような口ききやがって! 鬱陶しいんだよ!

(今更何言ってる。どうせ気づいているんだろ? 気づかないふりも大変だろうな。 気づいたら自分が自分じゃなくなってしまうから)

うるさい、黙れ!

(いい加減れろ)

嫌だ! 俺はそんなこと思わない!

(僕は君を救いたいだけだ。それだけは分かってくれ)

黙れ!

司が目を覚ますと、そこは見たことのない建の中だった。かそうとするが、くことができない。司は自分に何が起こっているか理解できない。すると、扉があいた。

「あー! 司お兄ちゃんの目が開いてる! 起きた起きたー!」

部屋の中で大聲を出して喜ぶテウス。喜んだと思ったら、急いできた扉を開けて外に出ていく。

「起きた! 起きた!」

自分が起きたことを知らせてくれているのだろうと司は思う。そして、予想通りルギスとオルドが部屋にってきた。

「よく起きてくれた。本當にありがとう! 目を覚ましてくれて。私たちを救ってくれて。そして、本當に申し訳ない! 辛い思いをさせてしまった。君には迷をかけてばかりだ」

「そんなことないですよ。俺を庇ってみんなが戦ってくれて嬉しかったです」

「そんなのは當たり前だ! 貸しを返すつもりが、もっと大きな貸しを作ってしまったしな。あと、もうしばらく休むといい。もそうだが、心を回復させるのもっと難しい」

「そうですね。ありがとうございます」

「本當にすまなかったな。命を奪うことはかんたんなことじゃない。それも初めてで、あれだけの數を。心が壊れてもおかしくないよ。本當にすまなかったな」

司は再び眠りについた。自分の中に潛む何かと決著をつけるために。

(やっとれる気になったか?)

どうかな。でもこのままじゃ先に進めないのもわかっている。

(そうだろうな。死なない僕らにとっては時間は無限だ。ゆっくり話し合おう。君の気が済むまで)

そうしよう。そうしなければ、俺は変われない。俺は変わらなくちゃいけないんだ。この先、もっと強くなって、大切なものを守るためにも!

(そうだ! その気持ちを思い出せ! 花音に害為すものすべて排除すると誓ったあの日を。あの日のお前なら、どこまでも強くなれる!)

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