《死ねば死ぬほど最強に?〜それは死ねってことですか?〜》第55話〜建國〜

司のによって元通りになった城や町へ、ヴァンパイアの王城から移が始まっていた。周囲はヴァンパイアたちが警戒し、その中にサイクロプス。そのさらに中にクラスメイトがいた。

「司君本當にすごいね。あのボロボロになった城をすぐに直したなんて」

「こいつがすごいんじゃねえよ。こいつの能力がすごい……」

安藤の言葉を否定する森山だったが、背後からした悪寒に言葉を詰まらせる。振り返ると、そこにはバルクが立っていた。

「いや、司君って本當にすごいや。ハッハッハ」

森山が発すると、悪寒はすぐに消え去った。

「本當に君は學習しないな。藤井君をバカにするなって言われただろ」

「「ハッハッハ」」

クラスの笑いものにされる森山。その表は、今まで見せたことのない歪んだ表だった。

「「すごい!」」

やっと王城が見えるところまで來て、全員が驚きの聲を上げる。

町や王城はそのままで、今まであった巨大な塀がなくなり、とても低い塀に変わっていた。どこかの國と戦爭をするわけではなし、平和を目指す國に境は必要ない。という司の考えからだった。

その代わりとして、目に見えないような薄い魔法がはられていた。その魔法は外からの魔法を防ぐためのものだ。認識するのは難しいし、念のためというアイネルの配慮だ。

も終わり、城で一番大きい部屋に全ての魔とクラスメイトが集まっていた。部屋というり、講演會場に近い。

ヴァンパイアの數は百程度、サイクロプスは王であるバルクと合流したこともあり、二百近くになっていた。

「みんな集まってくれてありがとう。魔のみんなの協力で、クラスメイトの誤解を解くことに功しました。謝しかないです。本當にありがとう」

「そこで相談がありあす。このままインテグラル王國を名乗るのもいいんですが、スタートとして新しい國の名前を作ろうと思います。何かいい案はないですか?」

「……………」

全員黙ったままだ。自らの王が作る國の名づけなど恐れ多い。魔たちの表はそう表していた。

しばらくして、七瀬がポツリとつぶやく。

「超合衆王國モンブラン」

「それだ!」

司は聲を上げる。七瀬も驚いて司の顔を見る。

「本當に?」

「いい名前じゃないか。皆もそう思うだろう?」

會場に拍手の嵐が生まれる。

「じゃあ、決まりです。この國の名前は【超合衆王國モンブラン】にします。」

再び會場が拍手に包まれる。

それはないだろう。そう思うものが多かったのは、また別のお話。

「それでは、付近にある國に屆け出を行ってきます」

「すいません。お願いします」

イチルが數のヴァンパイアを連れて國から飛び立ってゆく。

「本當に大丈夫なんですかね。襲われたりしませんか?」

「大丈夫ですよ。ヴァンパイアは強いですし、人もそうバカではありません。歩み寄るのに時間はかかるかもしれませんが、いつかは分かりあえます」

「そうですね」

司は考えが足りていなかった。魔という者がどれだけの人間を傷つけ、殺したのか。この世界において、魔がどれだけの存在なのか。

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