《死ねば死ぬほど最強に?〜それは死ねってことですか?〜》第56話〜使者〜

屆け出を行ってから一週間ほどで、モンブラン王國に周囲の國から様々使者が訪れていた。

モンブラン王國の周囲には大きな國が三つあった。

魔法が発展しいているケイネル魔法國

剣の技が支配するシバ王國

エルフと人間の作ったミナ王國

小さな國の使者は屆け出が行われてからすぐに足を運んでいた。だが、三つの國は同じ日に各五人ずつの使者を送っていた。

広間で各五人の使者と、仮面を被った魔王モンブランが対面していた。

「お初にお目にかかります。魔王モンブラン様。私はミナ王國の使者 シーナ です」

「我はシバ王國の使者 シュラ だ。以後よろしく」

「私はケイネル魔法國の使者 マーサ」

「この國に足を運んでくれたこと謝する。俺がこの國の王であり、魔王のモンブランだ。仮面は許してくれ」

「別室で話を聞こう。他の國に話を聞かれるのは煩わしいだろう」

初めはミナ王國の使者だ。

「私たちミナ王國はモンブラン王國と積極的に國をしようと考えています」

「そうか。それはありがたい。理由は?」

「私たちエルフは他國の人間に襲われることがあります。國の中でも一か月に一回ほど拐事件が起こります。エルフは人間の國で高値で取引されるのです。それを回避するためにも、魔王の加護があれば。という話です」

「なるほど。理解した。手を取り合えるならそれに越したことはない。庇護下にるなら確実な安息を提供しよう」

謝します。移住をするという計畫も出ているので考えておいてください」

次はシバ王國だ。

「シバ王國は特に意見はない。干渉しなければ干渉もしない。ということだ」

「そうか」

「だが、これからのこの國の果による。魔の被害が減り、魔と共存できるという世界があるのなら、それはどれほど安心か。貴方の使者が語った絵空事が現実になると判斷した時は、手を取り合いましょう」

使者であるからこそ言える言葉だ。どれだけ失禮を言おうが、使者を殺せば戦爭が始まる。その上この國は平和を掲げている。周りの國の評価を気にするなら手出しはできない。

魔王であれ下手にはでない。誇り高い戦士の集まりであるシバ王國だからこその考え方だった。

最後にケイネル魔法國だ。

「私達はこの國と関わる気はないわ。そちらが魔の手助けをするなら、全力でこの國を潰すわ。魔なんてこの世に必要ない。あんな害蟲は滅ぼさないとね」

そう言い殘し、マーサは部屋を出て行った。

國に來た使者のほとんどが無干渉か敵対という意見だった。小さい町や村だからこそ、魔の恐ろしさがにしみてわかっている。それと手を取るなど馬鹿げているのだ。

「いや~難しいですね」

「攻めてくることはないでしょうが、手を取り合うのはやはり時間がかかりますね」

「何かいい方法はないですかね?」

「やはり、果ですね。周囲の魔を説得して、人間を襲わなくすれば可能はありますね」

「そうだな。魔が良い奴だと証明すること。それが一番だ」

「よし! ならやることは決まりました」

建國からの出だしは想像以上に厳しいものとなった。

だが、次なる目標が決まった司の目は輝いていた。可能はゼロではない。自分の目標にしずつでも近づくことがこの上なく嬉しかった。

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