《死ねば死ぬほど最強に?〜それは死ねってことですか?〜》第62話〜激昂〜

モンブランは翼を最大まで広げる。

「ここは任せる。ケイネル魔法國の者は殺して構わん」

「「了解」」

イチル達は何が起きているか理解が追い付いていない。だが、モンブランが激昂していることは分かる。とりあえず指示されたことに返事をしている。

「鬼人化!」

モンブランは一気に加速して王城に向かって飛んでいく。

その速度は數十分かかった道のりを三分で帰る程だ。

間に合ってくれ!

モンブランの心はそのびでいっぱいだった。

モンブランが王城にたどり著くと、そこには自分が予想した景があった。いやな予が的中していた。

國の中で、サイクロプスとケイネル魔法國の戦士達が戦っていた。ちらほら火災も発生している。國にりきらないほどの戦士が一気に押し寄せていた。數にして千近くはいる。あの戦闘は囮だったのだ。ケイネル魔法國にとって本當に利益になるものの為に。

だが、幸いにも城には誰もっている様子はない。モンブランはすっとで下ろす。

モンブランとヴァンパイアが戦闘に行くことを見かされていたのだ。そのことにもモンブランは激しい怒りを覚える。

いくらサイクロプスに対して數が多いにしても、防戦一方過ぎる。モンブランはバルクを見つけ、一言投げかける。その言葉をバルクが、いや、全サイクロプスが待っていた。

バルクは高い場所に登り、言い放つ。

「モンブラン様の許しがでた。反撃返しだ。皆殺しにしろ!」

「「うおおおおお」」

サイクロプス達の士気が一気に上がり反撃が始まる。

「サイクロプスは殺さず実験に使うぞ」

「了解」

「助けて! おとうちゃん!」

「黙ってろ。お前らはただのモルモットなんだよ」

「助けて!」

スパッ

傷ついたテウスを捕まえるためにばした戦士の腕は吹き飛んでいた。

「あれ?」

そのまま戦士の目線は地面へと変わる。

「俺の息子に手を出すな」

「おとうちゃん!」

「もう大丈夫だ。城の中へ隠れてろ」

「うん」

攻撃が激しくなったサイクロプス達に、ケイネル魔法國の戦士たちは疑問を浮かべることしかできない。だが、それよりももっと疑問に思うことがあった。の寒気と震えが止まらない。目の前のことではなく、目に見えない何かを最優先に考えるべきだったと、戦士たちは後悔する。

「ブラッドレイン」

空から赤い雨が降り注ぐ。その雨は一切の容赦なく、れた者の命を奪っていく。

「なんだあれは! 絶対にれるな。あれにれたら死ぬぞ!」

魔法を使うが、その魔法もに変わり、いずれ死に至る。戦士たちは後悔していた。自分たちがやったことの過ちを。魔王という生の恐ろしさを。

ものの數分で、千人いた戦士たちはほぼ全てが壊滅していた。

殘った戦士たちもサイクロプスが首を吹き飛ばしていく。

これでおわりだ。

そう思ったモンブランは違和を覚える。

さっきまで確かにじていたクラスメイト達の反応がない。花音の反応も消えていた。

王城から何かがでた形跡はない。

「テレポートか」

モンブランはさらに激昂する。クラスメイトと花音を連れ去られたこともそうだが、それに気付けなかった自分も許せない。

「許さん………」

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