《死ねば死ぬほど最強に?〜それは死ねってことですか?〜》第64話〜自

赤黒い球は戦士たちにれ、を飲み込んでゆく。すると、球から赤黒い化け ニムル が産み落とされる。それは、戦士に向かって攻撃を始める。

「人を取り込み仲間を増やす魔法か。そして、あの球は消えない。強すぎる」

ニムルが攻撃をしかけ、隙を突いて球が飲み込んでゆく。國中がニムルに、赤黒く染まってゆく。まさに地獄絵図だ。

「はあ、手を出す相手を間違えたか。だが、やれるだけのことはやる」

グシャッ

ドリアスの背後で悍ましい音がする。振り返ると、さっきまではるか上空にいたモンブランが聖騎士の頭を握り潰していた。

とっさに全員が距離をとるが、モンブランの剣によって三人が絶命する。

「いつの間に。距離をとれ! 近づけば絶対に勝てんぞ」

指示通りにこうとする聖騎士だが、それを許すほど甘くはない。

剣を捨て槍に持ちかえるモンブラン。赤黒い槍は一瞬で四人のを団子のように貫通する。

「逃げんなよ。恐怖を教えてやる。スモーク」

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モンブランが発した魔法により、まっ黒な煙が周囲を包み込む。その中で聖騎士達が目にしたのは、赤黒い二つの點。その點が煙の中を超高速でき回る。それが、モンブランの目であると聖騎士達は理解する。

だが、理解したところでどうしようもない。赤い軌道は一瞬で背後に回る。そして、命を刈り取っていく。

「お前らどうした? 何が起こっている」

煙がはれた後にドリアスが目にしたものは、ケイネル魔法國が誇る聖騎士達の無殘な亡骸の數々だった。

「こっちが喧嘩を先に打った報いか。短い人生だった。だが、諦めるにしても、一矢は報いさせてもらう」

「聖なる鎧よ我が手にザ・ドレス聖なる剣よ我が手にザ・ソード」

黃金の鎧と剣がドリアスを包み込む。

「こい。魔王」

そうんだ時、ドリアスの片腕はなかった。

「なっ?」

能力も底上げする最大級の魔法を使ったにもかかわらず、まるで歯が立たない。

「これが魔王か」

一瞬にして足を切斷され地面に叩き付けられる。

「お前だな。花音を奪ったのは。死ね」

頭をゆっくりと足で踏み潰されていく。徐々に徐々にかかる力が強くなっていく。

グシャッ

無殘な音と共に、ドリアスは頭を失う。

國はすでにニムルの巣窟になっていた。

その時、モンブランは膨大な魔力の反応をじた。それは國の地下から。魔王も凌ぐような強烈な魔力だ。それも、さらに増加していく。

ニルベルは死んだ戦士たちの魔力を一カ所に集めていた。

「どうせ、滅ぶならあの方のために。あの方の障害を取り除いてやる。、子供は逃がした。盛大に散ってやる」

モンブランは花音の反応の場所に瞬時に移する。そこには、クラスメイトの姿がない。

花音を抱えてクラスメイトのもとへ移を始めた瞬間、膨れ上がった魔力が解放される。

「死ね! 魔王!」

まずい。クラスメイトを守りきれない。過はれてないと発しない。

クラスメイトのもとへ移を始めるが、間に合わないかもしれない。花音しか守ることができない。

モンブランに焦りと怒りが込み上げる。

クソが!

発を抑えることも考えたが、それは花音のことを考えればリスクが大きすぎる。ここは、過を使って生き延びるのが賢明だ。

クラスメイトの目の前まできた瞬間、巨大な発が押し寄せる。

「クソ! すまない。みんな」

司の口から出た謝罪の言葉。その言葉は思いがけない形で意味を持たなくなる。

「リバース」

発が戻っていき、魔力の反応がなくなる。モンブランにも何が何だか理解が追い付かないが、ひとまずクラスメイトを魔法で運び始める。

「あれ?」

疑問の表を浮かべているのは発を引き起こしたニルベルだった。

俺は何をしていたんだ?

「あの方のために………あの方って誰だ?」

何も思い出せない。

「命を末にするなよ。命は大切だ。一度しかない。もっと長生きしろ」

その聲でニルベルは近くにいた男に気づく。

「教えてくれ。俺は何をしていんだ?」

「いずれ分かる。絶するな。強く生きろ」

男はその一言を殘し、ニルベルの目の前から消えるように去っていった。

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