《死ねば死ぬほど最強に?〜それは死ねってことですか?〜》第69話〜誤解〜
「何? それでどうにかなるのか?」
「はい。これで誤解は解けると思います。仲間のことを本當に信じているようなので、この方法が一番効果的だと思います」
「それは、上手くいくのか?」
「はい。あいつらに口を割らせます。そうすれば、全て解決です。まあ、任せてください」
後日、數名の幹部を連れて司はミナ王國に向かっていた。馬車の中には、エルフを連れ去っていた男達が乗せられていた。
ミナ王國の門には、シーナがすでに待機していた。モンブランたちの姿を確認すると門を開け、王城へと道を開けた。
門をくぐるときに門番やシーナから向けられた顔は、決して歓迎をしているわけではないのが明らかだった。だが、これ以上モンブラン達と戦っても勝機はない。従屬を要求されようと従うしかないのだ。
モンブラン達は王城の中へとっていく。王城の中にも、王城にるまでも武裝をした兵士で囲まれていた。
「ようこそ。ミナ王國王。【ミナ・クロスキー】です。今回は我々の誤解を解くということで來られたのですよね?」
Advertisement
「そのとおりです。前回は我々の話を全く聞いてもらえなかったですから。話を聞いてもらうためにし暴をしたことは謝ります」
「こちらこそ申し訳ない。同胞が連れ去られたということもあり、し冷靜な判斷ができていなかったようです」
それが本心から出た言葉なのか、敗者だからこそ出た言葉なのかは誰にも分からない。
「今度はゆっくりと話を聞きましょう。それが私たちの誤解を解く確たる証拠になることを期待します。一度は同盟を結んだ國ですから」
「そうですね。ミナ王國は同胞のことを何より信頼されている。その誤解は同胞の言葉によって解かれるべきです。あの二人を、私達が拐したとされるあの二人を連れてきてください」
「あの二人をあなた達に合わせるのは々酷ですが、仕方のないことでしょう。あの二人をここに連れてきてください!」
「「了解しました」」
モンブラン達の前に、あの時の若いエルフのと子供のエルフが現れた。二人とも恐怖が顔に滲み出ている。その視線はモンブラン達に向けられたものではなく、連れてこられた男たちに向けられているのは明白だった。
「もう一度この男達に合わせてしまってすまない。でも俺達は君に誤解を解いてもらわないといけない。もう一度聞かせてくれないか。本當に君たちを拐したのは俺達なのか?」
し目を泳がせた後、のエルフは口を開いた。
「はい。貴方たちで間違いありません」
ミナ王は顔をしかめる。
「私は何を見せられているのですか? こんなことを私に見せて何の価値があると。この二人にもう一度トラウマでも見せて。が腐っているにもほどがあるでしょう」
「もう一度チャンスをください」
モンブランは中年の男の首を摑み二人のエルフに問いかける。
「君たちはこの男に酷いことをされたのか? それとも他にも仲間が捕まっているのか?」
「そんなことない」
「それは本當なのかい? この男達が関わっているだろう人間は全て殺した。もしも君たちの仲間が捕まっているなら全力で助ける。だから本當のことを言ってくれないか?」
エルフのは一瞬迷ったような表を見せ、ゆっくりと口を開いた。
「友達が捕まってる。二人。だから、助けて」
「分かった。よく勇気を出してくれたな。ありがとう」
モンブランは中年の男を離す。
「カハッ」
中年の男は首に手を當ててもがいている。
別の若い男をゆっくりと持ち上げる。
「さあ、茶番は終わりだ。どこに二人を連れて行ったかさっさと言え」
二人に話しかけていたような優しい聲ではなく。力強い聲だ。
「いや・・・」
モンブランの手に力がこもっていく。
「なんだ? 言えば命だけなら許してやる」
「実は覚えていないんだ。俺たちはこの二人しか拐していない。本當だ。信じてくれ」
「そんなことはないよな? このエルフ二人に噓をつくように脅したのはお前らだろう? そんな噓は通じない。 次で最後だ。本當のことを話せ」
「・・・」
若い男は黙り込む。間違えた返答をすれば必ず死ぬ。それが分かっている。だが、必要とされている返答はできない。それを表している。
「一つだけ聞く」
モンブランはゆっくり口を開ける。
「この行は全て自分のためか?」
モンブランの質問に、周りいた者が頭を傾げている。
「そんなの、あの方の為に決まっているだろう」
モンブランはとてもイラついたような表に変わる。それは最も面白くない反応なのだ。
「じゃあ、あの方というのは誰だ?」
男は驚いた表で口を開く。
「そんなの決まっているだろ。それは・・・あの方って誰だ?」
「そうか。そうなんだな。お前の最後の記憶は、鎧の者と接したところで終わっているんじゃないのか?」
「そ、そんな気がするぞ。あと、角も生えていたような」
「そうか」
モンブランは深くため息を吐く。
「イチル」
「はい」
「ここでは汚くなる。門の外までそいつらを出して殺しておけ」
「了解しました」
イチルは他の二人に指示を出して、男たちを運び出していく。
「待ってくれ。こんなのあんまりだ」
若い男がぶ。
「俺はこの二人を拐した記憶しかないんだ。魔法か何かで記憶を変えられた可能もある。それ以前は善人だった可能もあるだろ。だから、見逃してくれよ」
「そうだな」
モンブランは悲しそうな目を向ける。
「記憶を奪われ、使い捨ての駒にされて」
「そうだろう。なら!」
「だが、お前のしたことで俺の大事な人が危険に曬された。同もする。可哀想だとも思う。だが、その事実は変えられようがない。お前が善人だろうが、悪人だろうが、関係ない。すまないな」
「そうか。運が、なかっただけか・・・」
若い男は複雑な笑顔を浮かべ、王城の外へ出て行った。
【書籍発売中】砂漠の國の雨降らし姫〜前世で処刑された魔法使いは農家の娘になりました〜【コミカライズ】
アレシアは『眠っている時に雨を降らせる力』を持っている。 両親はそんなアレシアを守るために大変な努力をして娘の力を隠していた。 ある日、アレシアは自分の前世での記憶が甦る。アレシアは昔、水系魔法に秀でた魔法使いアウーラだった。國のために前線で戦い、國王との婚姻も決まっていた。しかし、謀略による冤罪で二十三歳の時に処刑されてしまう。 そんな前世だったからこそ、今世では名譽や地位よりも平凡で穏やかな暮らしを守りたい、誰かの役に立ちたいと願う。 眠ると雨を降らせる女の子アレシアが前世での後悔を踏まえて人に優しく前向きに生きていくお話です。 少女時代から成人までの長期間が描かれます。 ゆったりした展開です。 ◆GAノベル様より2022年5月13日頃発売開。コミカライズも進行中。
8 126【書籍化】外れスキル『目覚まし』、実は封印解除の能力でした。落ちこぼれの少年は、眠りからさめた女神達と優しい最強を目指す。【コミカライズ企畫進行中】
サーガフォレスト様より、1巻が6月15日(水)に発売しました! コミカライズ企畫も進行中です! 書籍版タイトルは『神の目覚めのギャラルホルン 〜外れスキル《目覚まし》は、封印解除の能力でした〜』に改めております。 ほか、詳細はページ下から。 14歳のリオンは駆け出しの冒険者。 だが手にしたスキルは、人を起こすしか能がない『目覚まし』という外れスキル。 リオンはギルドでのけ者にされ、いじめを受ける。 妹の病気を治すため、スキルを活かし朝に人を起こす『起こし屋』としてなんとか生計を立てていた。 ある日『目覚まし』の使用回數が10000回を達成する。 するとスキルが進化し、神も精霊も古代遺物も、眠っているものならなんでも目覚めさせる『封印解除』が可能になった。 ――起こしてくれてありがとう! 復活した女神は言う。 ――信徒になるなら、妹さんの病気を治してあげよう。 女神の出した條件は、信徒としての誓いをたてること。 勢いで『優しい最強を目指す』と答えたリオンは、女神の信徒となり、亡き父のような『優しく』『強い』冒険者を目指す。 目覚めた女神、その加護で能力向上。武具に秘められた力を開放。精霊も封印解除する。 さらに一生につき1つだけ與えられると思われていたスキルは、実は神様につき1つ。 つまり神様を何人も目覚めさせれば、無數のスキルを手にできる。 神話の時代から數千年が過ぎ、多くの神々や遺物が眠りについている世界。 ユニークな神様や道具に囲まれて、王都の起こし屋に過ぎなかった少年は彼が思う最強――『優しい最強』を目指す。 ※第3章まで終了しました。 第4章は、8月9日(火)から再開いたします。
8 98學園事件証明
整合高校の七不思議にこんな話がある。 誰も知らない不老不死の生徒が存在すると… 根倉で性格の悪いただの生徒である和鳥 野津(わとり のず)は學校で起こった數々の事件を推理する…
8 162天才少年、異世界へ
自身のことを、ありふれた高校生だと思っている主人公木村弘一郎が、異世界で一人だけ加護を貰えなくて苦労する、と思いきや持ち前のハイスペックで自由に生活していく話です。 初めての作品なので、期待しないでください。
8 162Re:現代知識チートの領地運営~辺境騎士爵の子供に転生しました~
辺境の騎士爵長男として生まれたアルスは5歳になったときに頭痛と共に前世の記憶を思い出す。自分が日本人である桜木優斗(47)であることを。ただ、自分がどうして転生したのかまでは思い出せないのだが、前世は獨身貴族だったこともあり未練は、まったく無かった! そんな彼は自分の領地を豊かにするために、前世の知識を使い領地を富ませていくのだが、その手法が畫期的すぎるあまり天才扱いされ王族から目を付けられてしまうのだった。
8 162受験生でしたが転生したので異世界で念願の教師やります -B級教師はS級生徒に囲まれて努力の成果を見せつける-
受験を間近に控えた高3の正月。 過労により死んでしまった。 ところがある神様の手伝いがてら異世界に転生することに!? とある商人のもとに生まれ変わったライヤは受験生時代に培った勉強法と、粘り強さを武器に王國でも屈指の人物へと成長する。 前世からの夢であった教師となるという夢を葉えたライヤだったが、周りは貴族出身のエリートばかりで平民であるライヤは煙たがられる。 そんな中、學生時代に築いた唯一のつながり、王國第一王女アンに振り回される日々を送る。 貴族出身のエリートしかいないS級の教師に命じられ、その中に第3王女もいたのだが生徒には舐められるばかり。 平民で、特別な才能もないライヤに彼らの教師が務まるのか……!? 努力型主人公を書いて見たくて挑戦してみました! 前作の「戦力より戦略。」よりは文章も見やすく、內容も統一できているのかなと感じます。 是非今後の勵みにしたいのでブックマークや評価、感想もお願いします!
8 83