《死ねば死ぬほど最強に?〜それは死ねってことですか?〜》第94話〜希

「この程度か。神の使者の力は」

圧倒的な魔神の力は次々と天使を葬っていく。

「臆するな。魔神とて無敵ではない。しづつ力を削っていけば必ず勝てる」

アイネル達も天使と戦闘を始めていた。だが、十ほどしかいないヴァンパイアに対し天使はさらに數を増していく。劣勢であるのは誰の目に見ても明らかだった。

「だから言ったんだ。微々たる可能にかけても意味はないと」

一人また一人とヴァンパイアが力盡きていく。だが、ヴァンパイアは誰一人として諦めていない。全員が希じていたからだ。魔神から流れ出る微かな力。そして、もう一箇所から聞こえる徐々に強さをます鼓

「時間を稼ぐのです。しでも戦力を私達にさかせる。それが、私達がこの世界に生まれた意味です」

天使達の魔法は激しさを増していく。

「耐えるのです。王も頑張っている。私たちが頑張らなくてどうするんですか」

「確かにそうだな。王も頑張っている。俺たちも頑張らなくては。全軍加勢だ! 天使達を殺せ」

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バルクとミナが兵士を連れて現れた。

「貴方達だけが全てを背負う必要はありません」

「ありがとう。皆さん」

「愚かな生ばかりだ。神の意思に逆らうなど」

だが、戦況は大きく変化しない。徐々に徐々にアイネル側が押されていき、次々と命が消えていく。

「クソが。こんなはずではない。魔神に全ての戦力をさけない。想定外だ」

そう言った男は、天から降ってきた白い雷に飲み込まれて塵となる。

「本當に使えない男ですね。この程度のことも処理できないとは」

千に近い大群を連れての天使が降りてくる。

「早々に片付けて全力で魔神を滅ぼします。行け」

天使達は魔神への攻撃をなくしてアイネル側に攻撃を集中する。

「神の怒りをくらえ!」

次々と白い雷が降り注ぐ。雷に當たった者は例外なく塵へ姿を変える。

「無理だ」

「助けてくれ」

「諦めるな!」

その様子はまさに地獄絵図だ。阿鼻喚の嵐。止まらないび聲が戦場を包み込む。

「所詮は地上の生。恐れがある時點で欠陥品だ」

の天使はアイネルの元へ飛んでいく。

「ヴァンパイアよ。もう気は済んだだろう。軍を引け。お前達は神の力の前に無力だ」

「絶対に諦めません。そして、我々は無力なんかじゃありません。今こうして話している時間も、我々の力の証明です」

「そうか。ならばこのまま続けよう」

の剣に白い雷が宿る。

「死ね」

アイネルは生きていた。の剣は思いがけない人に止められていた。

「殺さ・・・せない」

剣を止めたのは魔神だった。

「あれ? おかしいな。まあいいか。」

魔神はアイネルに向かって拳を放とうとするが途中で拳が止まる。

「そういうことか。俺の依代が抵抗しているな。鬱陶しい。仕留めてやる」

魔神はそう言うと急に苦しみだして地面に倒れ込む。

「王も必死に抗っている。俺たちも負けてられんぞ!」

再び兵士達の目に闘志が宿る。

「魔神に戦力を割かなくていいのは好都合。今のうちにお前らを殺し、すぐに魔神を滅ぼす」

天使達が集合し巨大な魔法を発する。

「ゴッドオブバーニング」

白い炎が地上に向かって降っていく。

「消えてなくなれ」

この場にいる全員が死を覚悟した。突如地面が割れ、異常な量の水が炎に向かって吹き出していく。だが、完全に炎を消し去ることはできていない。殘った炎が降ってくるが、割れた地面から巨大な樹木が地上を包み込む。

「この力はまさか!?」

ドゴンッ

上空で巨大な発が発生する。それによって數十の天使が亡きものとなる。

「やはりお前達も所詮は地上の生か!」

樹木が開くと地面から妖が現れる。その隣に上空から人狼が降ってくる。

「二人まとめて殺してやる! 自然の王スレイ。孤高の王シン」

の言葉で全員が理解する。目の前に立っている二人が地上に殘る最後の魔王だと。

「本當にあんたは妖使いが荒いよね」

「そう言うな。あいつは息子が手にかけた存在だ。神にやるには惜しい」

「まあ、今までの酷い戦いで自然も怒っているからいいガス抜きになるわ」

「さあ行くぞ。反撃だ」

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