《天下界の無信仰者(イレギュラー)》友人+一人?
そのの一人。それは、皆と同じ制服姿のミルフィアだった。新品の制服に袖を通し、三人の話を丁寧に聞いている。
「それよりも聞いてよミルフィア、私は恵瑠えるのために頑張ったのに、恵瑠えるったらすぐに逃げ出すのよ?」
「だって、無理ですよ~」
「ねえ、ミルフィアさんってなにが好きなの?」
「えっと、私は……」
「おいミルフィア、答えなくていいぞ」
なにやら危ない質問が聞こえてきたのですかさず聲を掛ける。俺からの呼びかけにミルフィアは驚いたように振り返った。
「主!?」
「神かみあ遅い!」
「神かみあ君、お疲れ様です」
「宮司みやじ君……、どうして邪魔するの?」
同時に三人の聲も投げかけられる。とりあえず三人は無視して、俺は緑のに近づいた。
「お前、ミルフィアを巻き込もうとするんじゃねえよ」
「そうね。これは誰も立ちることの出來ない、二人だけのの関係の方がいいわね」
「の関係!? 主! の関係とはなんですか!?」
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「ちげえええええ!」
紛らわしい言い方するんじゃねえよ、それと俺は違うって言っただろうが! 天和てんほは相変わらずだがあとでしっかりと説明しておかないとな。
「ところでさ神かみあ、気になってたんだけど」
「ん?」
すると加豪かごうが俺に聞いてきた。
「事件があったあの時。どうして育館に現れたのよ? よく分かったわよね。まあ、それで助かったんだけどさ」
そう言いながら加豪かごうはどこかもじもじしていた。
「あー、あれか」
俺は思い出す。ヨハネ先生が三人を育館で襲った時、間一髪というタイミングで俺は現れたわけだが、それには理由があったのだ。
「恵瑠えると天和てんほと別れてから泣いたせいかが渇いてな。育館の近くに自販機があること思い出して行ったんだよ。そしたら中からの悲鳴が聞こえてきたから、なんかエロいことでもしてるのかと思ってな、木を登ってみたんだよ」
「ちょっと待って! あんた落ち込んでたんじゃないの!?」
「しゃーねえだろ、気になっちまったんだから! それで見てみればお前らが大ピンチだったから飛び込んだのさ」
「サイテー、聞かなきゃ良かった」
ヒーローよろしく登場した俺だがそういう経緯だった。加豪かごうはなんだか落ち込んでいる。仕方がないだろ、そう不貞腐れるなよ。
「それよりも皆さん! これから、ボクたち遊びに行くんですよね!?」
と、今度は恵瑠えるが大聲で呼びかけてきた。実はこれから皆で遊びに行く予定になっているのだが、そのことを熱気の帯びた聲で確認してきた。
「そうよ」
「うをおおお!」
加豪かごうの返事を聞いて何やら恵瑠えるがあらぶっている。ビームでも出すのかこいつ?
「それではさっそく行きましょう! お灑落な喫茶店でお話してカラオケで歌って最後には皆でプリクラを撮るんですよね? 分かります!」
「待て待て待て、その子が子による子のための子會コースに、男である俺が一人っきりで參加するのか?」
「行きましょう!」
「聞けよ!」
逸る気持ちを抑えきれず小は走り出してしまった。その後を慌てて加豪かごうが追いかけ天和てんほも自分のペースで歩き出す。すっかり出遅れてしまい、やれやれと頭を掻いた。
「仕方がない、俺たちも行くか」
「はい、主」
隣から返事が聞こえる。振り向けば、そこにいるミルフィアと目が合った。
制服を著たミルフィア。皆と同じ服裝で、これからは學校でも消えていなくてもいい。ずっと皆と一緒にいられるようになったんだ。普通のの子として學校にも通えるし、友達のように皆と話すことも出來る。
そしてミルフィアの腕章には、俺とお揃いの黃のダイヤが印されていた。
「なあ、ミルフィア」
隣にいるは、とびっきりのだという點を除けばどう見ても普通のの子だ。気品のある佇まいと可憐な瞳で見上げてくるミルフィア。
そんな彼に、俺は、ふと聞いてみた。
「俺と、友達になってくれないか?」
言葉は自然と出てきた。今なら聞ける気がしたんだ。
一緒に通學して、同じクラスメイトで、ずっと傍にいるの子。學園に通うミルフィアはもう普通のの子と変わらない。加豪かごうや恵瑠えると天和てんほとも、友達のようにこれから遊びに行く。
果たして願いは葉うのか。
けれど、ミルフィアは寂しそうに笑うんだった。
「それはなりません」
斷られた。まるでフラれたみたいだ。いや、フラれたのか。ちくしょう、それでも可い。
ミルフィアは左に手を當てて、申し訳なさそうに笑っていた。
「私は主の奴隷。ミルフィアは、ずっとあなたにお仕えいたします」
穏やかで、優しい聲が俺の願いを否定する。
「…………ハッ」
ミルフィアの答えに、けれど俺は笑った。それは皮った笑いではなく、気持ちの整理がついた笑い聲だった。俺は晴れた表で相変わらずの隣人を見つめる。
「ああ、そう言うと思ってたよ」
ミルフィアは変わらない。初めて出會った時からずっと。きっとこれからも自分は奴隷だと言って接してくるのだろう。
降參だ。でも、それは今はという話。すぐにでは無理でも、いつしか友達になってやる。
俺は決意を改める。だというのに、
「我が主。私はずっとあなたの傍にいます。そこであなたを支えます、永遠に」
誇らしそうにそう言ってきた。金髪がきらりとり、青い瞳が真っ直ぐに俺を見つめている。
「……ったく、知ってるよ」
やれやれ、だいぶ先になりそうだな。
何度も聞いた臺詞に投げやりに答えて、俺は三人の後を追いかけた。続いてミルフィアも歩き出す。
まるで友達のような奴隷を引き連れて、俺はこれから友達と遊びに行く。頭上に目線を向ければ澄み切った青空がどこまでも広がっていた。
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