《天下界の無信仰者(イレギュラー)》第1部 慈連立編 運命の対決

第0部じゅんびは過ぎた。

これより第1部ほんばんが始まる。

語は神祖と偽神の対決へ。

震えよ、本當の神が現れる。

これは新たな神話。

神の秩序を揺るがすイレギュラー、慈連立編、--始

宙に、一歩を踏み出した。青空と地面の狹間で足が空を踏む。見えない地面を歩いていくように、神かみあは空を歩き出す。

 一歩を踏み出すごとに足裏から黃金の波紋が広がった。それは空間を揺らし街と建をも揺らしていった。

憑依合デュエットモード。黃金の聖霊、ミルフィアを背後に控え神は白の外套をに纏っている。

 巨大な都市を悠々と見渡せる高みに立ち、ビル群の屋上すら見下ろす空を闊歩かっぽする。

 全からは金でも散らすように金の粒子を振りまきながら、神は神のように進んでいった。

その足が止まる。そして神は見上げたのだ。空に浮かんでいてもなお、その巨大さを確かめるように。

全長百メートルの神託しんたくぶつ、メタトロン。石の彫刻のような白の巨人。その大きさと神々しいほどの迫力はまるで神話そのものだ。

 神はメタトロンの元辺りに立ち彼を見上げていた。メタトロンの、敵として。

悠然と立つメタトロンが拳を構える。これだけ巨大なものがくだけで遠近が錯覚を起こす。距離がうまくつかめない。

 だがメタトロンの拳がそれだけで神長を超えるほど大きいことに変わりはない。

は右手を握り込み、そこに黃金のオーラを集中させた。極限の神化しんかを拳に宿し神も構える。

メタトロンの拳がとんできた。まるで壁が迫ってくるかのような迫力に、神も負けじと拳を叩き付ける。

両者の激突に衝撃が空を走る。風はあらゆる建のガラス窓をぶち破り、世界に轟音を響かせた。

神対神。

これより始まるは神域の闘い。無信仰者イレギュラー神かみあと慈連立最大の神託メタトロンの激闘が行われる。

世界が、変わろうとしていた。

――たとえなにがあろうと、俺たちはずっと友達だ

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