《天下界の無信仰者(イレギュラー)》救済

それは救済だった。人類に対する救済だ。そこに差別などありはしない。

男もも。子供も老人も。富める者も貧しい者も。

すべて、そう、すべて。

炎に抱かれて死んでいく。

地上を覆う炎の中で、多くの悲鳴と多くの魂が消えていく。

ある者は言う。それは救済だと。

ある者はいう。それは慘劇だと。

二千年前のその日、人類史に刻まれた運命の日。

神のと神の意思を人に示すため。

救済という名の殺戮を行なった者たち。

その中で、最も苛烈に、最も激しく、誰よりも人を裁いた者がいた。

多くの同胞に尊敬されて、多くの人に恐れられた者。

その者は裁き続けた、それが使命と名譽。神のだと信じて。

地上は炎に包まれる。

救いはない。

救いはない。

なぜならば。

それこそが、救済なのだから。

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