《天下界の無信仰者(イレギュラー)》休憩
そこで扉が閉まる音がした。見ればミルフィアだった。トイレにでも行っていたのだろうか。それにしては長かったような気がするが。
「ミルフィアどこ行っていたんだ?」
「ここの電話を借りていました」
「電話?」
「はい。神律しんりつ學園のことですが、當分は休校だそうです」
「あー。でもそりゃそうだよな」
忘れていたが俺たちは學生で明日だって平日だ、普通は學校に行かなくちゃならない。しかしあんな事件があってはいつも通りというわけにはいかないよな。
「そういえばあれから學校はどうなってんだ?」
「待って下さい、今テレビを點けます」
ミルフィアがリモコンでテレビを點ける。ニュース番組では何者かによる神律しんりつ學園襲撃事件のニュースが流れていた。
「なんか、こういうニュースで流れる事件っていつも他人事として聞いてたけど、まさか自分が當事者になるとはな」
ニュースは明日の天気予報に移っていった。一緒に見ていた加豪かごうが口を開ける。
「神律しんりつ學園強盜事件。狙いは學校の備品で襲撃犯は複數、元は不明。おもちゃの銃で威嚇する愉快犯。教皇派の名前すら挙がってなかったわね」
驚くことにニュースではそう流れていた。映像もあったが破の現場やヘリの墜落は映っていなかった。
「ミルフィア、リモコン貸してくれるか」
俺はリモコンをけ取ると他のニュース番組に変えてみた。しかしどこも同じ。
「どうなってんだ?」
そう思っているとミルフィアが話してくれた。
「おそらく報統制をしているのでしょう。ゴルゴダ共和國は教皇誕生祭きょうこうたんじょうさいで一番盛り上がっている時期です。そんな最中に教皇派と神長派での爭いなど噂でも流したくないでしょう。行政庁長、あのラファエルというが裏で奔走ほんそうしているのでしょうね」
「なるほど」
「ラファエル頑張れ! ボク応援するよ!」
「ここで言ってどうするんだよ」
コンコン。
俺たちがテレビを見ているとノックの音が聞こえてきた。職員の人だろうか?
ミルフィアが扉を開けるとそこにいたのはやはりここの職員だった。なにかを伝えにきたようだ。俺もソファに座りながら顔だけを口に向ける。
そして。
待ちに待った念願ねんがんの時が、ついにきた!
「お待たせしました、大浴場の準備ができましたのでおりください」
きたぜぇえええええええ!
「ふーん、風呂の準備ができたのか。まあ、別に俺は待ってないけど」
この時を待っていた!
「でもせっかく用意してくれたならろうかな。いや、ぜんぜん待ってないけど」
ついに葉えてみせるぜ男のロマン! 部屋が別? 関係ねえええ! 部屋が別でも俺にはこれがある。
この機會こそが最初にて最後の希。
これだけでかい場所なんだ、浴場は混浴に違いない。よく分かんないけど混浴に違いない。いや、混浴だ。混浴なんだ。そうに決まってる! ぐへへへ。
「神、あんたなに考えるかバレバレよ」
「え?」
すると加豪かごうがゴミを見るような目で俺を見ていた。しかも他の三人ともが俺を見ている。
「主、口元がいやらしく持ち上がっていましたよ」
「さすが宮司君ね。一人きりの大浴場を利用し貓の寫真集を片手に解放のまま行為に及ぼうとするなんて」
「え? 神君そんなこと考える人だったんですか!?」
「ちげええええ!」
俺は大聲を天井に向けて響かせた後天和てんほを睨みつけた。
「貓の寫真集片手に行為に及ぼうとするってどういうことだよ!? いいか、俺はただ混浴でたちのタオルがはだけてが見えちゃったりすればいいなぁと思ってただけだよ!」
「「「「え?」」」」
すると、四人が一斉に俺を見てきた。
「…………ええ~」
あれ、なにこのじ。みんなが冷たい目で見てくるんですけど。
「主、あまりそういうのは口に出さないほうが……」
「分かってたけどサイテー。やっぱりあんたってサイテーね」
「神君そういうこと考える人だったんですね」
「宮司君、見損なったわ。そんなカモフラしないで本音を言えばいいのに」
「ちげええええ! 違う、誤解だ。今のはそういう意味じゃなくて。てか天和てんほ! お前のせいだぞ!」
「いや神。あんたのせいでしょ」
加豪かごうにばっちり正論を言われた。
「ちなみに浴場は男別らしいからね」
「くそおおおおお!」
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