《天下界の無信仰者(イレギュラー)》俺が一番で友達になってやるよ

は人間をしている。學校に行ければ多くの人と知り合いになれるし彼なら友達だって大勢できる。エリヤにはこれ以上いい案は思い浮かばない。なのになにが駄目なのか。

「エリヤは知ってるでしょ、ボクが昔、大勢の人を殺してしまったって。ボクは、人とうまく接する自信なんてないよ」

「カモーン!」

ウリエルの不安にエリヤは大仰に両手を挙げる。

それはそうかもしれない。でもそんなことではいつまで経っても人間と仲良くなんてなれない。

「プリーズ、カモーン」

「…………」

エリヤは再度ってみるがウリエルは暗そうにうつむいているだけだった。

どうしたものか。エリヤはうーんと聲をもらす。

「ったく、仕方がねえやつだな。だったらこうだ」

ウリエルが不安なのは人とうまく接する自信がないためなら、それを手助けしてくれる人がいればいい。

「お前が學校に通うようになったらよ」

だからエリヤは言った。それは特に考えがあるというわけではなく、確固たる強い意志がったわけでもない。

ただ、そう思ったから言っただけの、彼なりの勵ましだった。

「俺が一番で友達になってやるよ」

エリヤは、笑ってそう言ったのだ。

「俺がお前を真っ先に見つけてよ、一番で友達になってやる。そして一緒に他の友達を作る手伝いをしてやるよ。だから心配すんな」

一人では無理でも二人ならできる。彼のそばで応援することも紹介することだってできる。それなら彼だってできるはずだ。

そんなエリヤなりの考えを聞いてどう思ったか。ウリエルは最初ぽかんとしていたが、すぐに破顔した。

「ふ、ふふ」

口元がゆるむ。口は大きく開き笑い聲が出てきた。

「あはははは!」

腹の底から笑っている。よほどツボにったのか目にはうっすら涙まで出ていた。

「學校に通うって、エリヤ自分の年齢分かってるの?」

「なんだよ、おっさんじゃ學生になれないのか?」

「當然でしょ」

そりゃそうだ。エリヤの提案は條件からめちゃくちゃだ。四十代で學校に通うつもりなのか。指摘されてエリヤも笑った。

「はっはっはっは、それもそうか。でもなウリエル」

そうは言うが諦めたわけじゃない。優しい顔で彼の顔を見るエリヤの目は真剣そのものだった。

「約束だぜ。俺も手伝ってやるから、お前は新しい人生を歩め。な?」

「……うん。分かった」

ウリエルは頷いた。おかしいけれど、ここまで真っ直ぐな気持ちを否定なんてできない。その優しさが痛いほど嬉しい。

だから二人は約束した。めちゃくちゃだけど、それでもしたのだ。學校で一番に友達になろうと。

「じゃあ一旦家に行くか」

二人はエリヤの家へと向かっていった。

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